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2018/10/02

COMIC CITY SPARK 13及びDparty!参加告知

参加イベント:2018年10月7日COMIC CITY SPARK 13内プチオンリーDparty!

新刊:『合衆国汽船コロムビヤ號案内』
表紙

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A5版オンデマンド24ページ
内容
戦前の船会社が配布していた航路案内や船内案内などを模してコロンビアの現役時代のパンフレットのように仕立て上げた同人誌。日本郵船の『桑港航路新造客船浅間丸』『浅間丸船内御案内』『桑港航路案内(1932年版)』を軸にして『OLYMPIC WHITE STAR LINE』『BREMEN EUROPE』など大西洋航路のパンフレットと併せてパークで触れられるコロンビアの作り込みに掛け合わせた。

ダイニングやラウンジはもちろん立ち入ることはできないがタートルトークのデッキプランや断面図に描かれている個所も取り上げているので、コロンビアの船旅について想像を広げる一端に本書がなるといいかなと。

写真は全て実際の客船の物を用いた。ダイニングなど一部だけ使おうとしたがそれ以外との差が激しいのでいっそ全てを統一してみた。タートルトークでもブリタニックやルシタニアの写真をコロンビアとして引用しているのでそれと同じようもの。あるいは小説『ふりだしに戻る』『時の旅人』か。

手持ちの資料の関係から年代設定を戦間期にしたためコロンビアや合衆国汽船の歴史を創作する必要があり、これ幸いと好き放題展開したので一種の二次創作に出来上がった。ダイニングやラウンジのように現物で立ち入ることができる場所からタートルトークの断面図・デッキプランなどで触れているのみの公室、さらに合衆国汽船の歴史など方々の作り込みを活かしたネタに気づいてくれたら嬉しいところ。
ホワイトスター
↑表紙の元になったホワイトスターの『First Class Passage Rates WHITE STAR LINE(1922年版)』。パロディというよりほぼそのままだが文字や塗り分け、煙突の数などをいじった。

↑本文の装飾の基になった『桑港航路新造客船浅間丸』本文。新刊の字体はOradano明朝フォントを使用した。

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↑今回の元ネタになったパンフレット。著作権切れの現物を持っていると写真やデザインを使いやすく(何しろどれも80年前なのでとっくに切れている)、それ以上に資料としてピカ一なので重宝する。

既刊:『合衆国汽船コロンビア号』

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目次
B5版オフセット72ページ
内容:東京ディズニーシーにたむろする船舶の中でも一番の巨体を誇るオーシャンライナーコロンビア。アメリカンウォーターフロントの象徴であり「オーシャンライナーそのものを題材にした最高のエンターテイメント」でもあるコロンビアについてオーシャンライナーとしての特徴、バックグラウンドストーリー、実在の客船からの引用、そして製作者であるイマジニアの意図など様々な視点で考察する。


『東京ディズニーシー実用的ではないガイド3 年パスを捨てよ、図書館に籠ろう』
B5版コピー8ページ
6月9日開催のcolos EXPO 2018で初頒布。
内容:専門家による作り込みの解説、建設や塗装などの業界紙といった「一般的なディズニー」以外の視点で東京ディズニーシーに関する文献を紹介するコピー本。『合衆国汽船コロンビア号』を補完する参考文献ガイドと言うべきか。

去年の夏コミで頒布したオーバーザウェイブ考察本『密航兄妹逃走経路ノ想像』はサークルスペースの関係でどうしようか思案中。

【所感】
とうとう、とうとうディズニーの総合的なプチオンリーが開催される日がやってきた!
参加サークルは何と123!最新長編作からディズニーランドの過去のショーまで様々なジャンルが参加するのも総合的なイベントならでは。海外アニメオンリーのToon Mixでは参加できない(なにしろどう解釈しても『アニメ』ではない)からありがたいし、我がサークルを含めた多種多様な陣容を見るに「ディズニー」の間口の広さを実感する。

たった数年前には惨憺たる有様だったが今ではこうして盛り上がるのであり、これがディズニーというジャンルであり他と何ら変わるところは無いわけだ。本当に主催には感謝永遠に、だ。
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2018/08/19

日本郵船歴史博物館企画展『図案家たちの足跡』その1,展示

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昔も今も企業の広報活動に欠かせないポスター。
幅広い客層を対象にデザインされたそれらには絵画とは別の魅力があり、多くの図案家と呼ばれる人たちが関わってきました。
日本郵船では戦前、広告係として図案家を雇ったり、ゲオルギー・ヘミングや里見宗次といった画家やデザイナーに依頼したりと、広告に力を注いでいました。
特に図案家として雇われていた橋口五葉や戸田芳鐵、水谷仲吉はポスターに限らず、パンフレットや他の印刷物のデザインも数多く手がけています。
本展示では日本郵船のポスターやカレンダーのデザインに関わった図案家たちに焦点を当て、彼らの作品と足跡を紹介します。


企画展「図案家たちの足跡」|展示・イベント一覧|日本郵船歴史博物館・日本郵船氷川丸

客船文化の象徴でもあるポスターやパンフレット。郵船博物館ではそれらを制作した図案家についての企画展を7月21日から10月28日まで開催している。
ポスターは芸術の分野でも注目されているがそれを描く図案家に焦点を当てた展示は中々無い。大阪商船の大久保一郎が船会社お抱えの図案家では一番の知名度(とちらかといえば図案家というより徴用船の絵画が有名か?)で、他に過去の企画展『船を取りまくアールデコ』で戸田芳鐵が取り上げられたぐらいだろうか。
しかし図録が販売されず出品目録のペーパーのみ。充実した展示なのにこれはゆゆしき事態である。というわけでいつぞやのD23 ExpoJapan 2015のようにひたすらメモを取ってまとめた。
展示物の模写はどだい無理なので横浜みなと博物館企画展図録『魅惑の日本の客船ポスター』などを参照して欲しい。こちらも入手難に近いので大変だけれども…。客船のポスターに関する図録は他にマリタイムミュージアム時代の『日本の客船ポスター:近代日本海運小史』や船の科学館の『魅惑の船旅 ポスターに見る客船史』などがある。
そもそもすべて掲載すると完全に丸写しでしか無くさすがにいけない。…展示期間が終わってからでもいいので図録を出して欲しいものだが厳しいのだろうか?
現物のオーラは現地でしか楽しめないし「あのポスターをこの人が制作したのか!」という発見もあるのでぜひとも訪れて欲しい。なお9月1日の講演「戦前期の日本のポスター史と海運」は別の記事でまとめる。

第一章 ポスターの特徴
日本郵船は航路開設に合わせてポスターを明治末期から意欲的に制作したが、これは日本のポスター史で最も早い時期にあたる。メインの絵の他にカレンダーや航路表、本店支店の所在地一覧などを記載するのは汽船号と呼ばれる広告の名残。支店や代理店に配布されれ張り出された。

・2番「恭賀新禧」1908年(そのものではないが魅惑の~P15に同じような中国語版の1905年ポスター)
『船客業業勢一斑』によると1928年のカレンダーは日本語版15000部、英語版47000部と仏独スペインなど多言語刷られたが、中国版も上海航路で密接だったため早くから制作された。1933年からゼロになっている。

3番「NYK LINE Fortnightly from London Marseilles & Naples to Ceylon Straitscina & Japan」1920年代
イギリスで印刷された箱根丸のポスターは英語で寄港地やロンドン支店の所在地が入れられている。
絵柄は残しカレンダーや社名などを現地の言語に入れ替えて印刷する。


明治末期のポスターは画工がデザイン、見本の中から広告主が選び空きスペースに社名などを刷る。
従って図案は汎用性の高い物が採用され、美人画は特に人気が高かった。郵船も1907年から1918年までほぼ毎年美人画のポスターを制作していた。
しかし手に双眼鏡や航路表、背景には海や船など船会社独特のモチーフが描かれ、オリジナルの絵を制作していたことがわかる。
1920年代以降広告商品の船体が大きく描かれ船や航路そのものを宣伝するようになる。ポスターとカレンダーは別々になり船名やカレンダーも無くなる。

5番『The Travel Bulletin』1935年12月号
カレンダー制作の様子が掲載されている。

6番「琴を弾く女性」1914年(魅惑の~p28)
1915年のカレンダー付。和室、振袖、琴、クジャクの衝立など日本的な要素が揃っている。

第二章 図案家たちの飛躍

1911年三越が行った図案の懸賞募集が話題を呼び、以降も同様の試みが行われた。
日本郵船では1932年にポスター図案の新聞募集が行われ、一等は無かったが佳作は船内メニューや近海郵船の広告として用いられたという(『帝国工芸』5巻6号1931年)。

大正に入ると欧米の影響で画工の中から独自にレイアウトやデザインを行う図案家が現れる。
技術の発達で商業美術が発達したこの時期、三越や資生堂など社内に広告部を設置。
日本郵船でも営業部船客課技士の肩書で広告係として広告や印刷物に関わる。船客課は主な業務の船客応対や手荷物・切符の手配、郵便など船内サービスの他に広告の制作も行った。印刷物のほとんどは彼らが担当した。

・橋口五葉
1911年三越の懸賞に一等で入賞した『此美人』が美人画ポスターの典型的作品として様式を確立する。
兄が日本郵船の造船技手だった関係で香港支店長とも交流があり、それがきっかけで1912年10月から本名の清で「各種広告に関する意匠案作成方属託」として雇われた。

13番「Passenger list of NYK」
14番同上

樋口五葉
↑14番と同じ絵のパッセンジャーリスト。中身はシアトル航路の伏見丸の第19次航海(1920年9月20日横浜発)。
両方ともパッセンジャーリスト。13番は厳島神社の鳥居を、14番は富士山を描いている。

7番「カレンダーを手にする女性」1913年(魅惑の~p26)
『此美人』を模した構図。風景は1908年の『港』を基にしている。
女性の格好は庇髪にリボンの明治末期のスタイル。壁紙は海の模様を並べたデザイン。船内の椅子に座り手に何か持つ船会社独特の構図。

・水谷仲吉
1922年から営業部船客課技士(調度部用度課を兼務)として雇われる。
広報誌『THE TRAVEL BULLETIN』1930年2月号にデスクのプラカードや刊行物などのデザインを手掛ける若手アーティストとして紹介される。
1931年に退職後郵船ビル内に図案会社を設立、引き続きデザインを手掛ける。

17番「日支連絡線開航 長崎丸」1923年(魅惑の~p39)は黄色い空に黒い船体と美人画と一線を画しインパクトを与えた。18番「欧州航路新造客船 新田丸 八幡丸 春日丸」1939年では背景や海を排除、完全に船が主役となっている。
ポスター以外でもブロッター(22番-24番)やパンフレットなど様々な印刷物を手掛けた。1926年から郵船と近海郵船が共同で出していた広報誌21番「海の旅」1931年の少なくとも1927年から1933年までの表紙を担当。


・戸田芳鐡
1930年5月に営業部船客課技士として雇われ1944年1月まで在籍。
1936年に日清生命観で交通ポスターの個展が行われた。
『THE TRAVEL BULLETIN』1937年1月号に「日本郵船スタッフアーティスト」として展示と共に紹介される。
美人画と異なり立体感を極力排除、平面的なタッチで描いた。

33番「TO THE FAR EAST」1937年(郵船博物館企画展『船を取り巻くアールデコ』p6)
それぞれの会社(朝鮮総督府鉄道、満鉄、日本郵船と大阪商船)をあしらった民族衣装を着た3人の女性が描かれる、旅情より国家を挙げた外客誘致を強調するポスター。

34番「AMERICAN CALLS NYK LINE」(魅惑の~p71)
1934年シカゴ万博への船客誘致のポスター。ポスターの上下に壁掛けの金具がついている。

3章 日本郵船が採用した人々
浅間丸絵葉書01
↑ハリー・H・ロドメルが描いた浅間丸(絵葉書)

広報誌『THE TRAVEL BULLETIN』で紹介されるポスターやカレンダーは様々な図案家が描いている。
キリンビールのポスターで人気の多田北烏(『双眼鏡をのぞき船を見る母娘』1934年1月号掲載)、洋画家・版画家の吉田博、子供向けの挿絵家根本雅夫など。
1930年代以降は海外にも依頼。海洋画家のハリー・H・ロドメル Harry H. Rodmell は浅間丸や報国丸を、フランク・H・メイソン Frank Henry Mason は橿原丸(よく完成予想図として引用されるモノクロの絵?)や新田丸を描いた。ゲオルギー・ヘミングや里見宗次もこの区分に当たる。
こうして様々な業種から採用したことは日本郵船が宣伝の重要性を認識していたと見てとれる。

・北蓮蔵
昭和に入ると戦争画や国史絵画を手掛け、記録画『提督の最期』(飛龍艦上の山口多聞)が有名。日本郵船ではポスターの他に初代から9代までの社長の肖像画も描いた。

45番「奉祝紀元2600年 桑港航路新造客船 橿原丸出雲丸」1940年(魅惑の~p116)
9月9日まで原画が展示。橿原丸…昭和17年1月竣工、出雲丸…昭和17年5月竣工。

・杉山壽榮男
明治末から中山太陽堂(現クラブコスメチック)の新聞広告などを描き、1913年から1915年まで明治屋などで美人画ポスターを制作。1920年代からの縄文土器やアイヌ工芸品の収集でも知られている。

46番「NIPPON YUSEN KAISHA」1917年(魅惑の~p37)
中心には伏見丸が描かれた1918年入りのカレンダー入りポスター。
日の丸が並みの模様に反射、二引の中に日本郵船の航路図。平面性が強調されて浮世絵のような近接拡大の構図。

・藤澤龍雄
東京高等工業学校に在学中から図案家として活動。
日本紙器製造意匠部を退社した翌年に森永広告部意匠主任としてポスターや図案を数多く制作。
他にもキリンビールのポスターや蒲田行進曲の楽譜の装丁、フレーベル社のキンダーブック、美人画からグラフィックな広告図案ななど幅広い分野で活躍。

47番「新造の三姉妹船 新田丸 八幡丸 春日丸」1939年(魅惑の~p115)
新田丸3隻を三姉妹に見立てた国内向けのポスター。絵葉書にもなっている。
襷に船名と一緒に書かれる「海運報国」には戦争前の世相が表れている。

・小磯良平
女性像を中心にした人物画を数多く手がけ、戦後は東京芸大などで後進の育成に努める。
経緯は不明だが日本郵船も依頼、原画を神戸支店の担当者が小磯の自宅から本社まで夜行列車で輸送したと伝わる。
戦時中の混乱で原画は行方不明。

48番「THE THREE NEW SISTER SHIPS NYK LINE」1940年(魅惑の~p114)
47番と同じく新田丸型を三姉妹に見立てたポスター。それぞれの扇に書かれた船名の赤い頭文字をつなげると社名の略称NYKになる。3隻は全て国内技術で建造されたこともあり、3人とも着物姿で背後のやまと絵を含め日本的要素が数多く盛り込まれている。

・里見宗次
ゴロワーズのデザインから国際的に注目され「ムネ・サトミ」の名前で図案家として活躍。カッサンドルとも交流がありアールデコの影響が色濃い表現技法を用いる。
1936年10月一時帰国した際には日本郵船や鉄道省からの依頼でポスターを制作した。

51番「NYK LINE 1937年版カレンダー」1936年(魅惑の~p72)
海外向けのカレンダー。中央には金髪の外国人、着物の女性、船員の人文字によるNYK。
同じ柄のポスター(49番)も制作しているのでこのデザインの人気がうかがえる。

49番「NYK LINE」1936年(魅惑の~p72)
51番と同じデザインのポスター。船体はカッサンドルのノルマンディの影響。

50番「躍進 日本郵船」1941年(魅惑の~p115)
ほぼ黒一色の大胆な色使い。機械的な印象を思わせる巨大な構造物の船を表現。戦争へ突入する時代の空気感が表れている。
多くの書籍では後年に制作(魅惑の~では『1973年頃再制作』)とあるが、ポスターの現物は発見されたのだろうか?

・ゲオルギー・ヘミング
ベルリンで建築家だったが書籍の装幀で好評を博し、バウハウスの影響を強く受けた図案家として活動を始める。ピアニストのフジコ・ヘミングは娘。
1931年から1932年までストックホルムで現地のパラマウント宣伝部に所属してポスターを制作。1932年に来日、朝日新聞主催のパラマウントや交通週刊ポスターの作品展を開催。2年後に資生堂ギャラリーで同様の作品展を開き満鉄など展示。他に東京市の依頼で外客誘致のための宣伝ポスターを制作、日英独仏各国に配布。
日本にバウハウスの理念を直接伝えるなど強い影響を与えた。
57番「Around the World East ward or West ward with NYK line」1932年(魅惑の~p115)
世界一周航路をアピールするポスター。
色数を抑え船の一部を切り取り直線的に描くアールデコの影響が強くうかがえ、エアブラシでぼかすのはバウハウスの技法。

58番「NYK Line デッキにもたれる日本髪女性」1934年
1935年スペイン語版カレンダー付。五味清吉が描いた。この年のカレンダー10万6千6百部のうち3000部がスペイン語版。

59番『THE TRAVELL BULLETIN』1935年10月号
日本郵船50周年号ということで普段と比べて特別な表紙。雅楽の青海波が題材で杉浦非水が描いた。

60番「SHOPPING AROUND the WORLD」1933年
英文ガイドブック。郵船博物館でポストカードとして販売されている。
アメリカ人イラストレーターダン・スウィーニーDan Sweeneyを起用。

展示の最後には作者がわからないパンフレットや絵葉書、ラベルなどを並べている。
その中では常設展にもある61番「ASAMA TATSUTA CHICHIBU MARU」がしゃれっ気でピカ一。赤地に細字の船名がまたしゃれていて裏の郵船のロゴも実にいい。
2018/07/07

ディズニーというジャンルの現状

一連の忌避風潮記事で過去の俗説が間違っていることは強調したが、それだけではいつまでたっても「海外では盛んだが日本では未だにタブー」「荒らしが出る危ないジャンル」との認識のままであると気付く。
というわけでディズニーという二次創作や同人誌のジャンルがいかに盛り上がっているか現状をまとめる。日本でもこれだけ盛んという実情が広まって欲しいがさてはて…。
:記事中のデータは全て2018年7月7日現在のもの。

【Pixiv】
イラスト投稿SNSのPixivは投稿数という数に表れるので具体的な規模がわかりやすい。期間指定検索により推移をまとめられるのも注目に値する。

・総投稿数
37831件

・年間投稿数
2007年(9月~):24件
2008年:243件
2009年:646件
2010年:1737件
2011年:2740件
2012年:3411件
2013年:4389件
2014年:6435件
2015年:5667件
2016年:5904件
2017年:4516件
2018年(~7月7日):2079件

初期の少なさはPixiv自体の規模に加え運営削除や後年のユーザー削除も大きい。その上タグの無い絵が相当あるので参考程度ととらえて欲しい。
しかし少なくとも「海外では盛んだが日本では未だにタブー」「アナ雪から規制を緩くしたから増えた」が間違いと一目瞭然のはず。
2010年はPixivの隆盛とともに自主規制のサイト文化が薄れイースターやリ・ヴィランズなどが浸透しつつある頃。
最古のディズニー絵がレミーのおいしいレストラン(2007年7月公開)であるように最新映画の公開時に盛り上がる傾向があり、2014年はアナ雪(2014年3月公開)、2011年はラプンツェル(2011年3月公開)で一気に増加している。

・作品別投稿数

アナと雪の女王:9224件
ズートピア:7282件
ベイマックス:6383件
手下:5997件
グラビティフォールズ:4211件
フィニアスとファーブ:3009件
スターバタフライ:2683件
夢の国チキンレース:2422件
モンスターズユニバーシティ:1938件
ミッキーマウス:1430件
ラプンツェル:1369件

アニメではアナ雪がダントツでトップなのは納得。
ズートピアとベイマックスはだいぶ並ぶが公開年数を踏まえると前者の勢いが目立つ。
ラプンツェルとモンスターズユニバーシティはアナ雪以前から盛り上がっていた作品として目立つ。
同人で奮闘しているディズニーチャンネル系の三作品はPixivでも盛んな様子。
手下はパーク系では桁違いの投稿数。イースターワンダーランドの299件、爽涼鼓舞の215件が続く。

夢の国チキンレースは実際上位に喰い込んでいるのだから挙げるしかない。荒らしがまともな絵にもタグをつけていた時期があるので純粋な作品数は多少差し引く必要があるが、普通の絵が運営により削除された時期でも明らかに「『イメージを壊す』ので危ない」この類は残されたのだから全くおかしな話である。

なお広義のディズニーではキングダムハーツが頭一つ飛びぬけた13059件、検索除け表記の王国心(キングダムハーツを除く)12882件も含めると優に2万5千件を突破する規模。上記の諸作品では一番古く集計期間が長いとはいえ圧倒的な人気をうかがえる。
蛇足だが「ディズニー R-18」でも549件ヒットする。

以上Pixivの投稿件数は巷で言われる「アナ雪で突然湧いて出てきた」や「アナ雪までは厳しかったがブームを見て規制を緩くした」ではなく、ラプンツェルなどの時期に下地が出来上がってからアナ雪ブームで氾濫、ベイマックスやズートピアで定着したとの流れを読み取る数的根拠になるのではないだろうか。

【同人】

コミケも20年近くサークルが参加してここ数年は20サークルを超える勢い(以前の記事「コミケはディズニー同人誌の頒布を禁止している」とする風説について でまとめたので参照)であるように昔からディズニーの同人誌は存在し、近年では2015年のCOMIC CITY SPARK 10でベイマックスが42サークル(COMIC CITY SPARK 10 ジャンル別サークル集計 _ あのアレどこ)から目立ち始めた。
同人イベントも2009年のファイアボールや2016年のジャエルプチオンリーなどいくつもあるが、本記事では今年の様子をまとめる。

TOON MIX 2(7月1日開催)
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↑出典;赤ブー公式アカウントのツイートより

フィニアスとファーブ:13
グラビティフォールズ:9
スターバタフライ:5
ディズニーチャンネル:8(モーターシティ:2、スターウォーズ反乱者たち:2。ソフィア2、ピクルスとピーナッツ:1、マイロマーフィーの法則:1)
リメンバーミー:8
ミッキーフレンズ:7
カーズ:3
ピクサー:2(プレーンズ:1、ファインディングドリー:1)
三人の騎士:2
長編:11(ベイマックス:3、プリンセス:2、アナと雪の女王:1、シュガーラッシュ:1、ズートピア:1、ヘラクレス:1、ライオンキング:1、ヴィランズ1)
計68サークル

海外アニメオンリー"TOON MIX 2"では全体(252サークル)の4分の1弱をディズニージャンルが占める。
以前から盛んなディズニーチャンネルはここでも過半数を超える勢いだが、フィニアスとファーブがトップなのは意外。
リメンバーミーが長編系サークルでトップというのは、ディズニー以外の作品が最新作で盛り上がるのと同様な傾向になったと考えるべきだろうか?

・コミックマーケット94(8月10日~12日開催)
カーズ:2
手下:2
グーフィー:2
アナと雪の女王:1
キャストコスチューム:1
ズートピア:1
スターバタフライ:1
ポートディスカバリー:1
ファッショナブルイースター:1
ライオンキング:1
計13サークル

夏コミはTOON MIX 2とDparty!に挟まれてここ1,2年より10サークルほど少ない。しかし個人的に注目するサークルを二つ挙げる。

・二日目アニメその他F56a「Rain or Shine Market」
去年の夏コミで筆者のサークルでストームライダーのグッズを委託したいちくわさんたちのサークル。あの愛にあふれたポートディスカバリーグッズの新作を出されるということなので楽しみ。

http://twosr-pd.tumblr.com/post/163677535565/811ポストカードの画像追加-8月12日開催のコミケ922日目-葉ノ瀬さん

↑前回の様子はいちくわさんのタンブラーを参照。

・三日目創作少女西て19b「ちゃぶまぐ亭」
かのコスチュームコレクションに匹敵するTDRキャストコスチューム本『王国制服絵巻』や『幽霊屋敷の制服図鑑』(今のところ確認できる限り一番古いディズニー同人誌の通販でもある)の最新版を予定とのこと。常々喧伝していたが入手難なのが心苦しかったのでありがたい。


Dparty!(10月7日開催)
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↑出典:上記公式サイトより。一番目立つミッキーや近年の長編作品はもちろんのこと過去作品、パーク、ピクサー、ディズニーチャンネルも対象にしていることを表すいい告知イラストである。

プチオンリー参加サークル集計
ジャンルが二つ以上あるサークルは基本的に一つ目をカウントした。
カッコ内は二つ目以降の物。
注:7月16日更新
参加締め切りによりサークルが確定したので更新。
記事製作時には76サークルだったので一週間で50近くが参加したことになる。

映画作品:85(9)
内訳
アナと雪の女王:4
カーズ:1
くまのプーさん:1
三人の騎士:1
(シュガーラッシュ:1)
ズートピア:18
トレジャープラネット:1
美女と野獣:2
ヴィランズ:2
プリンセス:1(1)
プレーンズ:1
ベイマックス:4(2)
ヘラクレス:1
マレフィセント:1
ミッキー&フレンズ:27(3)
(ミッキー&フレンズ擬人化:1)
モンスターズインク:1
モンスターズユニバーシティ:1
ライオンキング:1
リロ&スティッチ:4
リトルマーメイド:1
リメンバーミー:12(1)

ディズニーチャンネル:11(2)
内訳
悪魔バスタースターバタフライ:1(1)
アバローのプリンセス エレナ:1
ちいさなプリンセスソフィア:2
ピクルスとピーナッツ:1
フィニアスとファーブ:4(1)
マイロマーフィーの法則:1
その他:1

パーク:27(7)
内訳
アトモス:1
アメリカンウォーターフロント(グローリア、保存協会):1
ウェルカムトゥスプーキーヴィル:1
(クリスタルウィッシュジャーニー:1)
コロンビア:1
ジップンズームガイドツアー:1
タワーオブテラー:1
パイレーツサマー:1
ファッショナブルイースター:7
ヴィランズの手下:10(5)
ポップンライブ:1
ヴィランズワールド:1
マジックランプシアター:1
(リ・ヴィランズ:1)

総数:123サークル
ジャンル:43


COMIC CITY SPARK13内のプチオンリーであるディズニープチオンリー"Dparty!"は初めての総合的なディズニー系同人イベント。申し込み締め切りまであと一週間だが予想外の盛り上がりを見せる。
TOON MIX 2と違いアニメだけではなくパークも含むので多種多様な作品が参加予定。
ここまで数多くのジャンル(43。平均3サークルということになる)が一堂に会するイベントは無かったので圧巻。ディズニーというジャンルの裾野の広さを実感できる。

近年盛んなファッショナブルイースターとヴィランズの手下が大半を占める…と予想していたがいわゆるミキフレが一番多い。次点のズートピアは妥当としても予想外なトップ3である。
他イベントで健闘するディズニーチャンネル系作品が少ないこと(グラビティフォールズがゼロな一方でフィアスとファーブが最大手)もまた意外。

パークのショーも2009年のリ・ヴィランズから現在のパイレーツサマーまでで幅広く参加している。
個人的に注目すべきはアメリカンウォーターフロント(グローリア、保存協会)とタワーオブテラー。後者はサークルカットによれば「保存協会の日常話」なので、つまりニューヨーク市保存協会のサークルが2つも存在することを意味する。
なおパークのコロンビアは筆者のこと。またコロンビア関係で本を出す予定だが、おそらく唯一の考察系サークルというのは少しさびしいところ。それでもアメリカンウォーターフロントの括りで3サークルになったのは望外の喜び。

初めての総合的なディズニー系同人イベント、それもここまで大きくなった物を企画してくださった主催にはいくら感謝してもしきれないものがある。『海外アニメ』のくくりでは我がコロンビア本が出せないのでパークも含む同人イベントは個人的にもありがたい。
アニメとパークでこれなのだから実写やキングダムハーツなども含む全ディズニーを範囲にしたら一体どれだけの規模になるのか想像も膨らむが、さすがにこれ以上は負担も大きいだろうから難しいだろうか…。


一連の記事を書き始めてから4年でここまで来たのだからもう昔に戻ることはあるまい。これからも盛り上がることを祈るばかりである。


2018/04/12

エンドバニーの受容史─外から見た舞浜の発見

あるいは『「丸三つでも消される」から「丸三つでなければ大丈夫」への変化』

春たけなわだが春と言えばイースター、イースターと言えばエンドバニー!いやまあ実際のところ「イースタービーグルがイースターエッグを配る日」という認識だが。ピーナッツが大好きなのだ。
ともかく舞浜の外からいかにパロディされてきたかエンドバニーを中心に見てみようという話が今回の記事。アナ雪やベイマックス、手下ばかりが一般的なブームとして目立つが、実のところそれ以前から相当広まっていることがエンドバニーからわかる。

・エンドバニーとは

2010年から12年にかけて上演された春季パレード、イースターワンダーランドのダンサー。舞浜の衣装としてはホーンテッドマンションのキャストと共に相当な知名度がある。
当初のツイッターにおけるディズニージャンル内ではバニーソと呼ばれていたが後にエンドバニー呼びが定着した。ダンサーの呼び名は公式ではないので定着するまで二転三転することも多々ある。


・ファンアート─そのものとダブルパロディ
Pixivエンバニ
【うさミミ帽子が可愛い♡】エンドバニー特集 - pixivision
イラスト投稿サイトPixivでは2015年にディズニージャンルで初めての特集が組まれた。開設当初はディズニーのイラストを自主規制により削除していたPixiv(参照:その他いろいろ, ◎削除報告メール)がディズニーの特集を組むことに忌避風潮の薄らぎが表れているが、その初めての題材がエンドバニーという点に注目。なにせヴィランズ(【名悪役がここに集結!】ヴィランズ特集)やズートピア(【夢を信じて!】ズートピア特集【ウサギとキツネの凸凹コンビ♪】)より早いのだからディズニー界隈に走った衝撃は相当なものだった。



↑初年度に描かれたダブルパロディの一例。ご覧の通り前年度のハロウィンパレード、リ・ヴィランズもよく描かれている。



Pixivを遡ればエンドバニーが初演当時から多数描かれていたことがわかる。しかしそのものだけではなく特集の後半に見られるダブルパロディの一種、他のジャンルのキャラクターに衣装を着せるパロディも多い。この衣装扱いが舞浜以外からの視点として特筆に値すると考えるのでこのパロディを取り上げる。

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隔月刊・枢やな _ Devils 6th Day(2012年10月20日)

このパロディはプロの漫画家も描いている。例えば『黒執事』の作者は2012年にウェルカムトゥスプーキーヴィル(2010~2012)のミッキーと執事(ミッキーフロートのダンサー)をパロディした。

オタクに恋は難しい14
ヲタクに恋は難しい - pixivコミック _ 無料連載マンガより。連載元のPixivに特別編として掲載されていたが現在は削除。電子版のサンプル(ヲタクに恋は難しい 3巻 :無料・試し読みも!コミック 漫画(まんが)・電子書籍のコミックシーモア)で該当部分を読める。
クローズアップ
↑上記拡大。描かれている男女ダンサーはミッキーフロートのダンサー。

そして2016年の漫画『ヲタクに恋は難しい』3巻14話ではこんなことも描かれている。オタクな男女が明らかに東京ディズニーランドな遊園地でオタクな言動を抑える遊びをしているがついつい出てしまう。その中の一つがヒッピティホッピティスプリングタイム(2013~2016)のダンサーを見て「衣装可愛い、嫁に着せたい」という一コマ。要は商業漫画で取り上げられるほどダンサーのダブルパロディが浸透したと示している。
「ディズニーランドのデート」自体がダンサーのダブルパロディと並ぶ二次創作の定番ネタでもあるので二重のネタになっているのがミソか。

ホンテ
↑ひとつ気になる点として、ダンサー以外もホーンテッドマンションやスプラッシュマウンテンなど東京ディズニーランドの園内各所をそのまま書いている一方でホンーんテッドマンションのキャストは典型的な魔女風のデザインに変更している。

・コスプレ

エンバニ2
TopLayers | コスプレイヤーのお仕事・募集ならコスプレ専門事務所へより。

コスプレも他ジャンルからの視点として欠かせない。イラストより多く見つかるので、近年はパレードダンサーというよりもレイヤーの衣装として知名度があるような気がしないでもない。レイヤーの事務所の看板にもなっているほどなのでよほどだ。

エンドバニーはハロウィン期間の仮装でもよく見かけるが、仮装時に使われるツイッターのタグ#Dハロ仮装やコスプレイヤーズアーカイブ(ダンサーのコスプレ写真 東京ディズニーリゾート - コスプレイヤーズアーカイブ)などを見るとディズニー界隈だけではなくレイヤーもかなりいるのだ。
111231_010a.jpg【C81】コミックマーケット3日目 コスプレリポート Free Fallより。他にもニュースサイトでも取り上げられた記憶がある。
コミケのコスプレでは少なくとも2011年に確認できる。以前からホーンテッドマンションのキャストが制服趣味において人気だった(自分も2010,11年ごろのコスプレ広場で見かけたことがある)がダンサーのコスプレの目撃例はこれが初と思われる。

・商業作品におけるパロディ
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【ブルジュラ】キャラクターグッズ _ ポプテピピック【原作版】:STEAMBOAT DIVE Tシャツより蒸気船ウィリーをパロディしたTシャツ。元ネタのポスターのロゴもうまく配置したよくできたパロディ。漫画本誌やグッズ販売を見ればアニメでもやろうと思えば普通にできたのであり「圧力」は単なるプロレス芸だとはっきりする。…ここまで言わないと本気で信じ込むんだからまったく…。

某ポプテピピック5話ではnice boatとひっかけた夢の国チキンレースネタを展開して受けていたが、本国のシンプソンズやサウスパークなどは無論のこと日本でもそのものを描いたパロディは盛んに行われているので今更感が強かったりする。この問題はネタそのものではなく本気で信じ込む、あるいは便乗していじりのつもりで真面目な話題でも危ない止めろと連呼する層にあるがそれはさておく。

東京ディズニーリゾートは今まで何度も取り上げてきたように『Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!』や『プリンスオブストライド』11話などあまたの作品で遊園地として「出演」しており、ダンサーも先の漫画で描かれているように様々な商業作品でパロディされている。

ソウルキャッチャーズ52話
↑管崎舞(右から2人目)、歌林優菜(同4人目)、奏馬俊平(左から1人目)に注目。


例えば先のヒッピティホッピティスプリングタイムはジャンプでパロディされている。吹奏楽漫画『SOUL CATCHER(S)』5巻52話に登場する三人がこのパレードの衣装を着ているのだ。設定画を見ると左上にイースターと記されているがシェフやランナーの服装はイースターと直結しない。そしてこの場面は幼稚園で「ジブリ・ディズニー・日曜朝のスーパーヒーロー・アニメ…」の曲を演奏するシーンなのでイースター自体は関係ない。よってヒピティのパロディと判断してよい。
このような商業作品のパロディでエンドバニーが用いられることが特に多い。

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ミニアルバム『nsum~中川翔子がうたってみた!~』のカットと『10元突破!SHOKO NAKAGAWA LV UP LIVE 超☆野音祭』のライブ写真(20枚)より

まず中川祥子の2012年のライブ『10元突破!超野音祭』の衣装がボンネットと髪以外エンドバニー。以前の忌避風潮記事で挙げたように握手会で直接由来を聞いたとする証言ツイートもあったがこれは現在削除されている。

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スカイラインのイマキラク Mai Kuraki Happy Happy Halloween Live 2012!! - livedoor Blog(ブログ)より写真左上のバックダンサー。なお引用先のブログでは2012との表記だが架空戦記ならぬ架空ライブ、らしい。

ちなみに知る限り一番早いダンサー関係の商業パロディは同じくライブ衣装で、倉木麻衣の『HAPPY HAPPY HALLOWEEN LIVE 2010』に見られる。ライブの曲の一つ『不思議の国』のバックダンサーがミステリアスマスカレード(2009~2010)のダンサー衣装。これを念頭に置くと城のシルエットを用いたライブのロゴもパロディっぽく見えてくる。

ペコちゃん
不二家公式サイトより。現在は最新版に更新されている。

エンドバニーのパロディとして話題になったものは2013年のペコちゃんがある。しかしどちらかといえばタイツやデカうさ、帽子はバニトラの組み合わせに見える。強いて言うなら裾の処理にエンドバニーの面影があるように思えるがこれらのハイブリットか?

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『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』で新イベントスタート パジャマ海未ちゃんがもらえる……だと? [ファミ通App]より


ソシャゲ『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』で2013年に開かれたイベント『月まで抱いて Love*Heart』の限定衣装『園田海末[幸運の白うさぎ]』は色違いながらボンネット以外デザインはそのまま。色を置き換えてみれば一目瞭然だ。
ラブライブは他にも『Music S.T.A.R.T!!』のPVが東京ディズニーシーっぽい背景だが、園田海末の声優が三森すず子であることがこれらパロディに関係するかどうかは定かでは無い。


ランウェイガールシーズン
「ランウェイガールシーズン」をApp Storeで - iTunes - Appleより

サンデーの漫画のソシャゲ『神のみぞ知るセカイ〜SoulMemories〜』にも2014年にエンドバニーのパロディが登場、マイナーどころではランウェイガールシーズンという2014年のゲームは髪以外完全に丸写し。他と違いこれらはボンネットもデザインしている。


バニーパレードコーデ
1弾に登場するプレミアムレアドレスを紹介!!|ニュース|データカードダス アイカツフレンズ!より。「バニーパレードコーデ」がエンドバニーと言われることもあるがさすがに違うだろう。「バニーパレード」の名前はいかにもパロディを思わせるが…。
ちなみにアニメ『アイカツスターズ!』96話には東京ディズニーランドホテルが出演している。

↑エンドバニーではないが『おそ松さんのニートスゴロクぶらり旅』の「イースターアイドル」がローラーや膝の当て布、頭の花飾りからローラーバニーを彷彿させる。これでシャツがもう少し似ていれば確実にパロディと言える。

↑2018年のジョイサウンドのアバターは右端が被り物以外はエンドバニー。このぐらい似通わないとパロディと断言できない。

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「アイドルマスター SideM」でイベント「ハロウィンナイトパーティ2016」が開催に - 4Gamer.netより。台詞もミステリアスマスカレードっぽいのはずいぶん力を入れたパロディと見るべきか。


・舞浜の外からの発見と忌避風潮の変化─「丸三つでも危ない」から「丸三つでなければ大丈夫」へ

↑本記事はくらむじぃさんのツイートに多大な影響を受けている。

何だかんだでエンドバニー以外も取り上げたが、それだけ東京ディズニーリゾートのダンサーが商業・非商業ともに盛んにパロディされている現状がおわかりだろう。
イースターワンダーランド以前のショーパレではリ・ヴィランズやミステリアスマスカレードも人気なのだから盛り上がり自体はエンドバニーに始まった話ではない。しかしエンドバニーは段違いにパロディされている。特に商業におけるパロディはエンドバニーがトップクラスでリ・ヴィランズの商業パロディは知る限り一つしかない。初年度から8年、再演から6年も経過した後もこうして盛んにパロディされているというのは、一般的なブームとして目立つアナ雪や手下以外の舞浜の外による「発見」として注目に値する。
要約すると、ツイッターでお世話になっているくらむじぃさんの「舞浜系のキャラやデザインが非舞浜層に”発見”された大きな(SNS全盛時代ではおそらく初の)契機の一つ」が最も簡潔かつ適切なエンドバニーの影響力の評価と思われる。


これだけパロディされているのだから忌避風潮はとっくにすっ飛んだのでした…とはいかない。ディズニーで普通に同人活動ができると立証された現在においてなおディズニーが昔の間違った認識で引き合いに出されたり古色蒼然とした夢の国チキンレースネタが受けているようにしぶとく生き残っている。
忌避風潮は緩んだと同時に変化したのではないかとこれらエンドバニーなどのパロディを見て思うのだ。

↑ツイッターに未登録もしくは設定「不適切な内容を含む可能性のある画像/動画を表示する」にチェックを入れていると表示されないかもしれないが上記ツイートにエロシーンは含まれないのでご安心を。

拡大その1拡大その2
↑『歌い手のバラッド』2話より抜粋。アリエルは顔をぼかしつつそのまま描く一方でミッキーにはモザイクを掛けている。
↑良いか悪いかは別として表紙にそのまま出していた80年代より後退しているとも言える。
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File Resort gateway station.jpg - Wikimedia Commonsより文字通り「丸三つでも危ない」を地で行くWikipediaの写真。駅のロゴとモノレールの窓に注目。

一つの例として。コミックLOの18禁漫画『歌い手のバラッド』2話に『ヲタクに恋は難しい』と同じように東京ディズニーシーをデートするシーンがある。ここではマーメイドラグーン(アリエル、トリトンキャッスル)、トイストーリーマニアなどが背景として登場する。エロ漫画にパークをそのまま出す、それは大変結構。「漫画の背景にシンデレラ城を出すだけで莫大な使用料を請求される都市伝説」「自主規制により園内の写真を掲載しないどころかロゴや窓までモザイクをかけたWikipedia」からはっきり前進しているのでむしろ感心する…。

ところがビッグバンドビート(劇中では”BJB”と表記)のシーンでは大ゴマのど真ん中のミッキーにモザイクがかかっている。しかも明らかにBBBではなく普段の格好なので単にBBBの写真を加工したのではなくわざわざ書き加えているように見える。モザイクするぐらいならミッキーがいないシーンを使えばいいだろうにここでモザイク芸をするのは不可解だが、そもそもアリエルや東京ディズニーシーは何も変えない一方でミッキーは伏せるというのもまたおかしい。両者ともディズニーには変わりないではないか。

ここまで散々触れてきたエンドバニーにしても「ディズニーには関わらない」だ何だとマナーサイトなどが盛んにディズニーの『危険性』を流布したにも関わらず商業・非商業問わずパロディされているのはなぜか?そこに忌避風潮の衰退と共にディズニーは全て危ないとする「丸三つでも危ない」からミッキーさえ触れなければ構わないとする「丸三つでなければ大丈夫」への変化が表れていると言える。
「以前は厳しかったがアナ雪から規制を緩くした」「ミッキーはダメだがそれ以外は許している」」なんて事実も公式の文言もどこにも無いが、アナ雪やベイマックスのブームが広まった2015年頃からこの謎理論が浸透、ブームと風潮の変化が鶏と卵の関係のごとく混ざり合ってダブルパロディの隆盛や依然として続くミッキーの危険視(または揶揄)につながっていると見るがどうだろうか。

余談。ダブルパロディについてはせっかく描くのなら他ジャンルの衣装扱いではなくそのものとして描いてくれてもいいじゃないか…とは思う。しかしそれは個人的な感想であり関係ない。公式が何も言わないのだから大いにパロディすればいい。しかしパロディが盛んな横で未だに極端な危険論が流布するというのはさすがにおかしいのではなかろうか。

最初はエンドバニーのパロディをまとめるだけだったはずだが、結局忌避風潮記事の延長線になってしまった…。
2017/10/29

コミティア122参加のお知らせ


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参加イベント:11月23日開催コミティア122
スペース番号:B09a(東4ホール)
来月開催のコミティア(COMITIA122 - コミティア)に参加します。コミティアは初めて同人誌を出した2年前のコミティア112以来の参加となるので古巣に戻った気分です。
常在戦場なコミケと違いまったりした空気でしょうから面と向かって話したい(もしくはコロンビア本などの間違いを突っ込みたい)という方がいらしたらぜひ来てください。一人参加なのでスペースにいない時間もありますが…。

頒布物

新刊
『東京ディズニーシー実用的ではないガイド(仮称)2-コンセプトアート編』
内容:灯台シンボル案のように断片的に語られているだけで東京ディズニーシーの具体的かつ詳細なメイキングはほぼ皆無と言ってよい。そのような現状において雑誌やD23Expo Japanなど各所で見られるコンセプトアートは格好の資料となる。
そこで本書ではフォートレスエクスプロレーション(灯台案の後釜であり過程がある程度わかる)とコロンビアを例にコンセプトアートから創造の一端を探る試みを行う。
なおあくまで「一端」であることは念頭に置いて欲しい。なにせ膨大な量の中のたった数枚、しかもわかるのは点でありどのような線を辿ったかまでは確証を持てないからだ。

今回の新刊…というより正確にはペーパー(8p予定)。数ヶ月で新刊は無理です。
一応2015年夏コミに頒布した無料本(ポートディスカバリー編)のシリーズになるが、本シリーズはコロンビア以外のあれこれを詰め込むという意味なので安心して欲しい。

既刊
・『合衆国汽船コロンビア号』
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初出:2016年夏コミ
内容:東京ディズニーシーにたむろする船舶の中でも一番の巨体を誇るコロンビア。アメリカンウォーターフロントの象徴であり「オーシャンライナーそのものを題材にした最高のエンターテイメント」でもあるコロンビアについてオーシャンライナーとしての特徴、バックグラウンドストーリー、実在の客船からの引用、そして製作者であるイマジニアの意図など様々な視点で考察する。


・『密航兄妹逃走経路ノ想像』

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初出:2017年夏コミ
内容:コロンビアのドッグサイドステージで上演されたオーバーザウェイブはコロンビアの船内を縦横無尽に駆け巡る楽しく、そしてDSSで上演する意義に満ちていたレギュラーショーだった。このショーについてタートルトークのキューラインに飾られる断面図やデッキプランなどを参考にして歴史を元にした想像を広げてみる。



コロンビア本はとらのあなの通販在庫が少なくなってきたのでどうしたものか。もしも在庫が無くなったら書泉グランデにも店頭委託しているのでとりあえずそちらで求めてください。

今回の新刊がDestination Cと同じなのは新しいネタを出す余裕が無い、というよりも出せるネタが切れてしまった感が強い。
忌避風潮記事のリファインはストレスの原因なのでしばらく凍結。事例(プール、エアパイレーツ、西日本ディズニー)を先行して出すかもしれないがそのものに手を入れるのはずっと先だろう。というか誰かやってください頼むから…。
ディズニー以外に鉄道や客船(橿原丸型は小ネタがだいぶ集まった)もいけそうだが、単にまとめるだけだと先行研究を読めば済む話(コロンビア本でもうすうす感じているが…)なのでどう料理するか思案中。
インプットが貧しかったツケが回ってきたということであるトホホ…。