2017/10/29

コミティア122参加のお知らせ


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参加イベント:11月23日開催コミティア122
スペース番号:B09a(東4ホール)
来月開催のコミティア(COMITIA122 - コミティア)に参加します。コミティアは初めて同人誌を出した2年前のコミティア112以来の参加となるので古巣に戻った気分です。
常在戦場なコミケと違いまったりした空気でしょうから面と向かって話したい(もしくはコロンビア本などの間違いを突っ込みたい)という方がいらしたらぜひ来てください。一人参加なのでスペースにいない時間もありますが…。

頒布物

新刊
『東京ディズニーシー実用的ではないガイド(仮称)2-コンセプトアート編』
内容:灯台シンボル案のように断片的に語られているだけで東京ディズニーシーの具体的かつ詳細なメイキングはほぼ皆無と言ってよい。そのような現状において雑誌やD23Expo Japanなど各所で見られるコンセプトアートは格好の資料となる。
そこで本書ではフォートレスエクスプロレーション(灯台案の後釜であり過程がある程度わかる)とコロンビアを例にコンセプトアートから創造の一端を探る試みを行う。
なおあくまで「一端」であることは念頭に置いて欲しい。なにせ膨大な量の中のたった数枚、しかもわかるのは点でありどのような線を辿ったかまでは確証を持てないからだ。

今回の新刊…というより正確にはペーパー(8p予定)。数ヶ月で新刊は無理です。
一応2015年夏コミに頒布した無料本(ポートディスカバリー編)のシリーズになるが、本シリーズはコロンビア以外のあれこれを詰め込むという意味なので安心して欲しい。

既刊
・『合衆国汽船コロンビア号』
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初出:2016年夏コミ
内容:東京ディズニーシーにたむろする船舶の中でも一番の巨体を誇るコロンビア。アメリカンウォーターフロントの象徴であり「オーシャンライナーそのものを題材にした最高のエンターテイメント」でもあるコロンビアについてオーシャンライナーとしての特徴、バックグラウンドストーリー、実在の客船からの引用、そして製作者であるイマジニアの意図など様々な視点で考察する。


・『密航兄妹逃走経路ノ想像』

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初出:2017年夏コミ
内容:コロンビアのドッグサイドステージで上演されたオーバーザウェイブはコロンビアの船内を縦横無尽に駆け巡る楽しく、そしてDSSで上演する意義に満ちていたレギュラーショーだった。このショーについてタートルトークのキューラインに飾られる断面図やデッキプランなどを参考にして歴史を元にした想像を広げてみる。



コロンビア本はとらのあなの通販在庫が少なくなってきたのでどうしたものか。もしも在庫が無くなったら書泉グランデにも店頭委託しているのでとりあえずそちらで求めてください。

今回の新刊がDestination Cと同じなのは新しいネタを出す余裕が無い、というよりも出せるネタが切れてしまった感が強い。
忌避風潮記事のリファインはストレスの原因なのでしばらく凍結。事例(プール、エアパイレーツ、西日本ディズニー)を先行して出すかもしれないがそのものに手を入れるのはずっと先だろう。というか誰かやってください頼むから…。
ディズニー以外に鉄道や客船(橿原丸型は小ネタがだいぶ集まった)もいけそうだが、単にまとめるだけだと先行研究を読めば済む話(コロンビア本でもうすうす感じているが…)なのでどう料理するか思案中。
インプットが貧しかったツケが回ってきたということであるトホホ…。
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2017/09/24

メキシコ海軍練習帆船クアウテモック

クアウテモック

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メキシコ海軍の練習帆船クアウテモックCuauhtémocが当初神戸に入港する予定を晴海に変更、9月7~10日に一般公開していたので行ってみた。

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↑船首像は船名の由来であるアステカの君主クアウテモック。足元の火はコルテスに火あぶりにされても屈しなかったのを意味する。

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↑船尾に翻る巨大な国旗は文字通りのショウザフラッグ。

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↑艦載艇はクラシックな木造、ダビットも重力式ではなく人力。

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↑礼砲。海軍のフネならではの装備だ。

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↑舵輪はどの船でも人気の撮影スポットになっている。

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↑マスト、リギング、帆と帆船に欠かせない要素が三拍子。

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↑練習帆船としての使命を記した銘板。日系メキシコ人の方に概略を教えて頂いた(おらあarmadaしかわからん…)が、格調高い言葉で書かれているので結構難しいとのこと。

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↑ホストシップのおおなみの船尾から。

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↑夜景。電飾が輝くとまた一味違う姿になる。

外国の帆船を見たのは去年のエスメラルダに続き二隻目だが生きている帆船はいいねえ。
甲板に設置したスピーカーからメキシコ音楽を常時流していたのはお国柄だろうか。


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↑ちなみに海王丸は非公開。三隻同時公開すればもっと賑わった賑やかになったのではなかろうか。

グッコミ

同日開催のGOOD COMIC CITY 24、通称グッコミ内の海外アニメ作品プチオンリーToon Mixにも行ってきた。

そもそもカートゥーン自体同人イベントが少ない状況だったということもあり150サークル以上と賑わいを見せた。
その中でディズニーサークルは先のコミケを優に上回る52サークル!グラビティフォールズを筆頭にスターバタフライやフィニアスとファーブなどディズニーチャンネル系が中心だが長編アニメも二桁参加。ラプンツェルやズートピア、ベイマックスにトレジャープラネットなど17サークルだがその中でもミッキーマウスは8サークル!昔と違い原型が占めているのが興味深いが、これはb氏の働きかけによるもの。

前も書いたが、ファイアボール、ジャエル、エルアナ、手下男性陣とすでに4つ開かれているのだからそろそろディズニー全体を包括した同人即売会が開かれてもおかしくないだろう。アニメだけでこれだけ賑わうならばマーベルやスターウォーズなどの実写とゲーム(キングダムハーツ)を加えたらプチオンリーどころか独立したオンリーだって開ける見込みができたと信じたい。
2017/08/15

夏コミのお礼と新刊『密航兄妹逃走経路ノ想像』自家通販告知

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↑サークルの様子。ちらりと見えるお隣はミッキーマウスの三次創作で活動されているb氏。
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↑新刊と既刊。値札はいちくわさん作成。コロンビアカラーで実に見事。ありがとうございます。
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↑委託したいちくわさんのストームライダーグッズ。やっぱりセンスいいですわあ。

夏コミにスペースまでお越しいただきありがとうございました。例年より涼しく格段に過ごしやすかった(コミケ雲が発生したときはの雲を見るために上を向く余裕が無いほどきつかった…)とはいえ、つらい場所には変わりありませんのでお疲れ様でした。
差し入れやいつもブログやツイッターを見ているとのありがたいお言葉など冥利に尽きます。これもイベントの醍醐味ですね。
忌避風潮の記事を見てサークル参加したとおっしゃった方もいて感無量。あれは風潮の弾圧そのものよりもくだらない風潮は気にせずともいい、同人活動をする人の後押しになればと願って書いていたから実にうれしいのです。

委託したいちくわさんのストームライダーグッズも好評でお誘いした身として安心しました。これで在庫の山になったら切腹ものですわ本当に。
こうしてみるとストームライダーはすでにクローズしたアトラクション、オーバーザウェイブに至っては7年前に終わったショーにもかかわらず大勢いらしたわけですが、実に刹那的な舞浜というジャンルでこれは喜ばしい事態ではないのでしょうか。
めまぐるしく開催されるイベント群に付き合ってこっちまでせっかくの過去を放り投げなくてもいいんじゃないのかなと。いやーミステリアスマスカレードとかリ・ヴィランズとか欲しいなあ。

今回はメカミリではなくアニメ(その他)で参加、初めての誕生日席ということで身構えたが前回とあまり変わりなく安心。ただしポスターはもうちょい大きくてもよかったかも(今回はA3)。
そして今回のディズニージャンルの参加サークルは初めて20代を突破!まあ9月10日開催のグッコミ(GOOD COMIC CITY 24)の海外アニメプチオンリー『Toon Mix』の方が賑わうかもしれない(たとえばミッキーマウスのサークルは少なくとも6つ)けれども、ジャンル内外からボコボコに叩かれた過去からすれば快挙ですよ。あの頃とは確実に空気が変わったと実感します。
そろそろディズニーの独立したオンリーイベントがあってもよい頃合いだと思うのです。アニメとパークだけにとどまらテレビ、実写、ゲームまで全ディズニーが集まる即売会なんて夢が膨らみます。…イベントを主催する金も経験もない自分にとって実現性が無いから夢のままですが。


で、反省会。
『密航兄妹逃走経路ノ想像』はほどほどだったものの『合衆国汽船コロンビア号』がダダ余りで完全に大赤字
昨年はギリギリの部数で刷って昨年の夏コミと委託の分で手元に無い状態だったのでもともと再販は確定事項。手持ちが増えれば例えばコミティアに戻るとか他のイベントに出る選択肢が増えるので余ること自体は構わない。
それに前回みたいな昼過ぎにせっかく来たのに売り切れてすっからかん…は申し訳ないので何としてでも回避するために多めに搬入して完売だけは避けられたのは幸い。
なので今回の事態は想定内だったが、覚悟していたとはいえ一箱丸ごと返送ってのは中々精神的にも肉体的にも来るものがある。
それでも初版ではない普通の時にどれぐらい出るかわかったのでまあ、いいかなと。売り切れてしまうと目安にならないのだ。コロンビア本は大切な一枚看板なのでこれからじっくりさばいていく予定。

そして売り子用の値札の必要性。
今まで頒布物は最大で2つだったから必要なかったが一気に増えたことでもうてんやわんや。その上暗算が苦手ということを忘れて最初はミスの連発、その後はその都度メモして乗り切ったもののこれはいかん。イベントは知能指数がぐっと低下するので自分を過剰に信用せず一目でわかるぐらいでないと無理。
場数を踏まないと学べないことは多いと実感。


『密航兄妹逃走経路ノ想像』自家通販メールフォーム
価格…¥300
(11月2日更新。在庫切れのため一時閉鎖。コミティア112の後にまた開くかもしれませんのでお待ちください)


上記メールフォームから必要事項(名前、連絡先のメールアドレス、住所、部数)をご記入の上申し込み下さい。
連絡先にこちらから振り込み額(本代+送料)と送金先について返信いたしますので、お伝えする送金先へお振込み下さい。
振込みを確認後本を発送します。

注意:送金先はゆうちょ銀行のみとなります。あらかじめご了承下さい。
基本的に定型外郵便による発送となりますが定形外以外の発送方法をご希望の方は備考欄にご記入して下さい。
お時間は少々かかりますが本記事で発送状況を更新しますので随時ご確認お願いいたします。
今回は在庫が少なめなのですぐ閉じてしまうかもしれませんので注意してください。
既刊『合衆国汽船コロンビア号』はとらのあな(【とらのあなWebSite】合衆国汽船コロンビア号)と書泉グランデに委託していますのでそちらをご利用ください。
2017/07/30

コミケ92参加告知

※後ほどサンプルなど更新しますので随時ご覧ください。
8月1日:いちくわさんのストームライダーグッズサンプル画像をアップ
8月10日:『密航兄妹逃走経路ノ想像』完成


参加イベント:コミックマーケット92 2日目
コミックマーケット92のご案内
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参加スペース:東地区 "ラ" ブロック 23b
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↑サークル参加二回目(コミティア含めて三回目)にして初めてのお誕生日席。どうするんだこれ!?

頒布物

新刊『密航兄妹逃走経路ノ想像』
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目次

概要:B5版コピー本20ページ

内容:コロンビアのドッグサイドステージで上演されたオーバーザウェイブはコロンビアの船内を縦横無尽に駆け巡る楽しく、そしてDSSで上演する意義に満ちていたレギュラーショーだった。このショーについてタートルトークのキューラインに飾られる断面図やデッキプランなどを参考にして歴史を元にした想像を広げてみる。
主な内容は密航兄妹の逃走経路、各場面が船内のどこを舞台にしているのか、歴史的にどんな想像ができるか…どちらかと言えば『コロンビア本タートルトーク章拡張パック』に近い内容。

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↑タートルトークのキューラインより順番に青焼き、断面図、デッキプラン。
この三枚を元に逃走経路などを想像を展開する。

既刊『合衆国汽船コロンビア号』
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キャプチャ
キャプチャ

概要:B5版オフセット本文72ページ

内容:東京ディズニーシーにたむろする船舶の中でも一番の巨体を誇るコロンビア。アメリカンウォーターフロントの象徴であり「オーシャンライナーそのものを題材にした最高のエンターテイメント」でもあるコロンビアについてオーシャンライナーとしての特徴、バックグラウンドストーリー、実在の客船からの引用、そして製作者であるイマジニアの意図など様々な視点で考察する。

↑初版のサンプル動画。

委託
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↑グッズのサンプル。ポストカードは2種類の予定だが間に合わなければこちらの絵柄を使うかもしれないとのこと。

COMPASS POINT
↑いちくわさんのタンブラー。ストームライダーのイラストや手作りのグッズなど。

ストームライダーで活動されているいちくわさん(@198cwc)の委託もあります。

概要:ポストカード、缶バッジ、ハンカチ、不織布のトートバッグ
計4種類のストームライダーグッズ。

現状
コロンビア本は再販。誤字脱字を直してページが増えない範囲であちこち追加しました。
抜本的な改訂はイマジニアにインタビューができたら、つまり56億7千万年後に出せる見込み…要はずっと先ということですね。
前回より多めに搬入しますので前回みたいにお昼ごろに売り切れることは無いはずです。さすがに再販でバカスカ出ることは無いと信じたいところですがどうなることやら。

で、問題はオーバー本。「新刊(予定)」なのはまだ完成していないからです。絶賛修羅場中。
完成しない場合はおととし頒布した『東京ディズニーシー実用的ではないガイド(仮称)ポートディスカバリー編』に振り替えるかもしれません。これまたどうなることやら…。
※8月10日
『密航兄妹逃走経路ノ想像』完成しました。コロンビア本の改版前『合衆国汽船大西洋三軸定期船コロンビア号』と同様のスタイルのコピー本となりました。

メカミリだった前回と異なり今回はアニメ(その他)で申し込み。ショーの二次創作も以前からこのジャンルで見られるので考察もここで構わないだろうと申し込んでみましたら無事配置されました。
目の前で分断されているものの今回のコミケでもディズニー島が構成。ズートピアやベイマックス、アナ雪など近年の長編の他にもファッショナブルイースターやプリンセス(Instagram告知)、我がスペースのお隣にミッキーマウスの三次創作同人誌を出しているb氏(C92告知)と賑わってますので是非いらしてください。

で、ディズニーの同人誌もすっかり定着しているのでそろそろディズニーオンリーでもこないものかと期待してます。
アニメとパークはもちろんディズニーチャンネルや実写、ゲームまで全てのディズニーを範囲にした即売会。コスプレも可能にすればハロウィンで仮装できないジャンル(キャストとかマーベルとか)の受け皿にもなってにぎわうこと間違いなし!なんてならないかなあ。
「海外にはあるらしいが日本ではどうだか」なんて言われますが実際にはプチオンリーが4つ開催済み、そもそも四半世紀前からコミケでは評論から18禁までサークルがありタブーでも何でも無いのでその点問題なし。十分行けると思うんですよねえ。
2017/06/11

郵船博物館企画展『日本が運んだニッポン-客船時代のメニューデザイン-』

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企画展「日本が運んだニッポン-客船時代のメニューデザイン-」|展示・イベント一覧|日本郵船歴史博物館・日本郵船氷川丸

郵船博物館の企画展『日本が運んだニッポン-客船時代のメニューデザイン-』に行ってきたが、いくつか注意しなければならないことがあるのでそれから。
まず題名の通り食事ではなくメニューのデザインに集中している点。確かに食事は9年前に企画展『豪華客船の食』があり今回も取り上げるとなると焦点がぼやけてしまうかもしれないが、ここまで完全にスルーされると潔すぎて物足りなさを覚えるほど。
そして図録。「企画展図録」というよりも「博物館が所蔵するメニューの目録」と言うべき内容。分量の半分を一覧が占め大多数の写真はとてつもなく小さく文字が全然読めない。その上展示されても図録に写真が収録されていないメニューがかなりある(ガーデンパーティーなど)。よって食事そのものはもちろんデザインにしても図録と照らし合わせて気になる物は現地で模写しなければならない。
展示の写経なんてディズニー方面(D23 Expo Japan 2015企画展『東京ディズニーリゾート特別展示』)だけかと思っていたから客船でもせねばならないなんて予想外で…。どんな形であれ図録があるだけマシだけどね。
飛鳥の元総料理長の講演も現役時代の話が中心でオーシャンライナー関係は全然無かったのが少々拍子抜け。話自体は楽しかったが、"客船の食文化"と銘打つからにはもう少しあるものだと期待していたのだ。

もちろんこれら展示や講演の内容自体が悪かったわけでは無いので展示自体は一見の価値があると断言できる。単に自分の期待していた方面と少々違うだけの話。まあ、カツカレーと聞いて勝手にポークカレーを思い浮かべていたと言うか。

内容

1900年8月19日(春日丸ディナー)から1942年10月8日(鎌倉丸)まで240点以上の展示は圧巻。まさに数の暴力。40年近くの変遷を辿ることができる楽しい展示。…偉そうに御託を並べていてもこれなのだからオタクとは何ともめんどくさい生き物である。

メニューが手書きで記される初期の物、日露戦争当時の軍事郵便便箋のスタイルを取り入れ手紙としても使える便箋型メニューの確立、元から一等客の主流が外国人だったこと1930年代の国際観光政策が相まって日本趣味を押し出したデザインが一貫して用いられている。
つまり東京国立美術館の2016年企画展『ようこそ日本へ:1920‐30年代のツーリズムとデザイン』(参照:ようこそ日本へ:1920‐30年代のツーリズムとデザイン _ 取材レポート _ - インターネットミュージアム)とも関係する展示とも言える。

本企画展では制作の過程にも展示で触れている点が特色の一つだろう。陸上の「機械木版印刷」で絵柄部分を刷った用紙に船内の印刷機でメニューを刷るが、船員しんぶん1971年2月16日号の連載『昔の船と人』に毎日夜遅くまで活字を拾ってバッタンバッタン刷る様子が語られている。

浅間丸ディナー
↑筆者所有の浅間丸ディナー(1932年6月19日)より部分拡大。図録p23の日枝丸ディナー(1931年11月15日)と同じく竹久夢二による宝船の絵が描かれ船名の「丸」の由来が英文で記されている。
このように解説を添えることにより食卓の話題のネタを提供する狙いもあったという。

3,平野丸ディナー(1911年12月19日)
Cold Buffet
ローストマトン
スモークソーセージ
「強火をつかえない船上ではあらかじめローストしておいた肉を冷食として出す」と聞いたことがあるが、各メニューを見ていくと確かに30年近くずっとCold Buffetとして記されている。
ちなみにお茶は緑茶とリプトン、ダージリンなどが出されている。

203,榛名丸昼食(1936年12月31日)
ベジタリアン向けのメニューを併記。全てに併記しているわけではないがその都度対応して出していたのだろうか?

展示の焦点は絵柄でありメニューの内容が見えないものも多数だが、そっちに注目してみても面白い。むしろそっちが気になる。
図録の目録を見ると全体で2087点、これだけの蓄積があれば『飛鳥ダイニング』の戦前版が出せそうなのにもったいない…。
普段の食生活の貧しさもさることながら英文メニューなので解説が欲しい。

豪華版メニュー

最終寄港地へ到着する前夜のさよならディナー、ハワイ入港時のアロハディナー、正月、紀元節、サンクスギビングデーなどなど特別なディナーの場合メニューも凝ったものになる。

236,榛名丸キャプテンズティーパーティー(1936年12月19日)
扇形、というよりも扇に印刷されたメニュー。
酒、みつまめ、かきもちなど 
238,秩父丸ガーデンパーティー(1936年5月6日)
おでん、いなりずし、天ぷら、花見団子、おしるこ…と和風なメニューが続いた後にChicken Bouillon、Cold Salmon、アスパラガスサラダ、アイスクリーム、Demitasseと並ぶ。
ガーデンパーティーとはプロムナードデッキで開かれるすき焼きパーティーみたいな催しだろうか。

239,大洋丸ティーパーティー(1935年7月7日)
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↑メニューの模写。D23EJから模写の腕は全く進歩していない…。
238番と同様に小さなうちわ型のメニュー。濃紺の地に描かれたクジラの絵がかわいい。

232 秩父丸ディナー(1930年4月18日)
航 跡【第27回 「テーブルの会話が弾むメニュー'」】
竹久夢二の有名なメニュー。MATZ8の真魚氏がBBSで浅間丸と掛け合わしたイラストを描かれている。
普段のものとは二回り以上サイズが違うこのメニューは豪華版メニューに分類されている。てっきり通常のものだと思っていたので意外だったが、しかし他のメニューと違いどのような催しか書いていないのでわからず。

『楽しい船旅』
秩父丸の出航から入港まで船上の生活を映した宣伝映画。英語字幕の海外向け宣伝ということですき焼きパーティーや和室など日本趣味にかなり時間を割いている。

長い船旅の楽しみ 玉掬い、ゴルフ、バトミントン(デッキテニスかもしれない)、デッキゴルフ、輪投げ等々船上のレクリエーション。
絵皿焼きは初めて見た。デッキで皿を焼いている。
ヘアサロンでは女性スタッフが整える描写も。『』にあるぜんちな丸で設置に苦労した話がある。
当時の女性スタッフは電話交換手(船内の電話。船外への電話は秩父丸など少数)とナースぐらいで少数派。外国人客に英語で対応していたら「米英のスパイ」と乗客から勘ぐられて船から降ろさざるを得なかった逸話があるほど(ソース不明。氷川丸の展示で見たような記憶はあるが一体どこで知ったのやら)。


講演『飛鳥Ⅱ元総料理長が “客船の食文化” についてお話しします』
とりあえず一部を箇条書きで。

・1992年から2005年まで海上勤務。総料理長を2008年から2013年まで勤めた。

・2人の料理長が4か月分のメニューを作る。日程が短いと洋食が、長いと和食が多くなる。
総料理長が世界一周クルーズで降りられるのは2,3か所。忙しいと全く降りられない場合もあった。
クルーの賄いはクルー用の料理人が和食1人、洋食1人、フィリピン4人(クルーに占める割合が多いので料理人も多くなる)。ビュッフェスタイルで出す。

・船に食材を供給するシップチャンドラーが各港に1,2社はある。(6月24日に講演する明治屋もその一つ)

・種子島で風の影響で三日間出られないことがあったがメニュー作りに苦労した。「水商売」は予定通りにいかず大変。 

・ケープタウンで100㎏はありそうなマグロ二匹をたまたま仕入れた。一匹は出してもう一匹は飾っておくと「これいつ出すんだ」と。

・シンガポールで果物を買い付けフルーツブッフェを開くがドリアンはどうする?「果物の魔王」は余りのにおいでプールサイドでしか出せない。→冷凍させて匂いを抑える。

・アメリカの衛生基準は一番厳しい。スクランブルでも無菌卵を使え、木は細菌が繁殖するからまな板はステンレスにしろとうるさい。
アメリカへの入港時には徹夜で掃除して食事を出したくないほど。しかし衛生局は抜き打ちでやってくる。ニューヨークで来るかサンフランシスコで来るかわからず気が抜けない。

・調理場から一番遠い客席まで50メートル離れているので料理を出すタイミングが難しい。

・以前は蒸気を使っていたから厨房は熱かったが今はIHIで楽になった。

・伝統…ドライカレーのハンバーガーが好評。氷川丸から初代飛鳥まで空白があったから大変。