2016/08/03

コロンビアの演奏系アトモス

【TDS】豪華客船でビアガーデン、夜涼を彩るサプライズで大人ディズニーを満喫 -ウレぴあ総研
船上の貴婦人と音楽家|☆ ディズニーシー風景写真 ☆

現在コロンビアのウェルデッキ、テディ・ルーズヴェルトラウンジのテラス席では女優のカトリーヌ(オーバーザウェイブのカルティエと同じ衣装だが、マジークとベイサイドビートのサフィールの
ように別人)、アコーディオン奏者のベン、マジシャンのロバート(正体は航海中に一等客に取り入って賭けトランプで巻き上げるプロのギャンブラーでマジックはその口実…かと思いきや違う模様。そりゃそうだ)の三人がゲストとふれあうアトモスが開催されている。
ポルトのメイヤーなど開園当初のをほうふつさせるテーマポートの住人系アトモスで、例え停滞した大型開発の急場しのぎだとしても大変喜ばしい。やればできるじゃないかOLC!




↑カトリーヌは「何もしないアトモス」としてメイヤーに通ずるものがある。

さらにコロンビアにおける9年ぶりの演奏系アトモスである点も注目に値する。今回のアトモス攻勢をきっかけに昔のような演奏やテーマポートの住人が定着する可能性はあるまいか(開園当初は魅力あふれるアトモスが期間限定ではなく常駐していたのだ)、ひょっとしてコロンビアそのものにも注目が集まるかも、と淡い期待を込めてコロンビアにおけるアトモスをまとめてみる。…なんだかハロウィンの時も似たような皮算用をした記憶はあるが、それはそれこれはこれ。


・ダイニングルームのピアノ
開園時―2007年?
東京ディズニーリゾート物語3号などに写真が掲載
八王子 ピアノ教室 「カーサ・デッラ・ムジカ」 講師紹介
↑ダイニングで演奏していたピアノストの紹介。

S.S.コロンビア・ダイニングルームのピアノは開園当初から数年は食事時に演奏していた。当時通っていた方いわく、当初はラグタイムを演奏していたが末期になるとディズニーソングになり雰囲気が少々…とかなんとか。
調律すらされていないという数年前の記事(S.S.コロンビアダイニングルームのピアノ|ピアノ 鈴木愛海のブログ/千葉県佐倉市)もあるので、再び演奏されるかというと絶望的だろう。

・ドックサイド・ポーターズ

普段はアメリカンウォーターフロント界隈でアカペラを披露していたドックサイド・ポーターズはラウンジにも出没した。トリオメロディーアがカナレットで演奏した(Trio Melodia _ まりきょデニアリー)ように特別な催しではなかったようだ。

・5周年アトモス『ジャズ&トニック』



ジャズ&トニック ( ディズニーリゾート ) - りゅうの「海鼠はシーのミッキーではなく“なまこ”と読みます」 - Yahoo!ブログ
バレンタイン・スペシャル~東京ディズニーシーのシーズン・オブ・ハート ♪バッハ・カンタータ日記 ~カンタータのある生活~_ウェブリブログ
テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ ‐ K&D やぐ
5周年イベントのアトモスとしてルーズヴェルトラウンジの暖炉前のボックス席でボーカル、ギター、クラリネット、ベースの編成によりジャズを演奏。


・シーズンオブハート

↑過去にはいくつかアップされていたが動画サービスの終了で見られなくなっており、ジャズ&トニックとともに現在ネット上で見られる唯一の動画。アップされたやぐさんに感謝。
2月3日インパ④~S.S.コロンビアダイニングルームの素敵なライヴ ( ディズニーリゾート ) - ディズニーリゾート日記~さんぺい~ - Yahoo!ブログ

2007年イベント、シーズンオブハートではピアノとボーカルが演奏した。
ディズニーファン誌にもアトモスとしての名前は記載無し。2008年には開催されていないので、おそらく5周年の一環としての要素が強いらしい。



・当時の船上バンド
ディズニーソングも結構だがやはりここは往時の曲でないと雰囲気は出まい。
第一次世界大戦中にはフォックスロットが、1920年代にはジャズが流行するが、コロンビアの1912年ごろでは『日本のジャズ史―戦前戦後』や日本郵船歴史博物館の企画展図録などによればピアノとバイオリンやコントラバスなど弦楽器を中心にした5,6人のバンドがトランペットやクラリネットを持ち替えつつアレキサンダーラグタイムバンドやなどのラグタイム・ワルツを演奏していたという。要は映画『タイタニック』のバンドを思い浮かべれば大体あっているわけだ。
現在のところエリアBGMを除きビッグバンドビートやフォーリーズなどのようにもっぱらジャズが用いられ、ラグタイムを演奏した開園当初のアトモス、スタテンアイランド・ラグタイムバンドの他にはセイルアウェイぐらいしか知らない。コロンビアでもピアノやバイオリンなどのバンドで演奏すればより雰囲気がでるだろう。


・コロンビアをより深く楽しむ
コロンビアの船首甲板では夕暮れ時を除き普段はまったく人影を見かけずマツコの特集と今回のアトモスで賑わっている感がある。
これを機会にコロンビアそのものにも注目して欲しいなあ、ということでディズニーファン誌の記事の紹介。

・ディズニーファン誌2006年9月号『ワンダフルボヤッジ』
専門家が各テーマポートの作り込みを解説した連載『ワンダフルボヤッジ』の第一回はコロンビア。船舶専門家の庄司邦昭、千葉元両氏が船首甲板の機器などを解説しているのでこれを読めば間違いなくコロンビアをより楽しめる。

それと夏コミで出す『合衆国汽船コロンビア号』(
コミケ90参加告知 - 寝古鉢鉄工所)もよろしくお願いいたします…というダイレクトマーケティング。

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2015/11/10

D23ExpoJapan2015企画展『東京ディズニーリゾート特別展示』


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↑会場入り口。午前中は待ち時間ほぼゼロだったのが午後は30分以上待っていた。(筆者撮影)

2015年11月6~8日に開催されたD23ExpoJapanでは数々の催しが開催され本国D23と同様に熱心なファンでにぎわった。
特に東京ディズニーランドホテルで開催された『東京ディズニーリゾート特別展示』は開園15周年を迎える東京ディズニーシー特集だったが、一行で表すとディズニーのテーマパークを創造するイマジニアリングをあますとこなく伝えた展示である。
和書はもちろんネットや洋書ですら見かけないコンセプトアートがたくさん展示された悶絶物の内容だが、図録が販売されずこのままでは流されてしまうのは実に惜しいと思いメモしてきたのでいくらかでも伝えられたら幸いである。正確には自分の整理のためだが。


注意
舞浜狂 D23 Expo Japan 2015 東京ディズニーリゾート特別展示 体験備忘録
舞浜狂のさくまさんが展示全体をまとめているのでまずはこちらを参照して欲しい。
「D23 Expo Japan 2015」〜東京ディズニーリゾート関連の公演・展示模様を中心にご紹介〜 _ コンフェティ
肝心要の灯台シンボル案が欠けているのは真に残念極まりないがコンフェティなどが会場の写真を掲載しているのでそちらも参照。
出典元が書かれていない展示物は今回の企画展が初出。
ノートは筆者作成。…もっと腕が良ければ元絵の素晴らしさを伝えられたのだが。
番号は本記事内で取り上げる展示物の通し番号であり実際に展示されていた総数ではない。
写し間違えは無論のこと個人的関心の有無による取りこぼしがかなりあるので各自で補完していただけると幸いである。
特に考察は独自研究も多々含まれるので明確なソースが無い限り話半分に捉えるのが吉だろう。
15周年と衣装に関する展示はメディアや大勢のゲストが伝えているので割愛。それに最新情報は待てばその内自然とわかるものだから急がなくてもいいしね。

内容紹介
Concept Design
キャプション「新しいパークのコンセプトが固まるに連れランドマークとなる火山周辺も変わってきました。海への出入り口となる港の守りを固め冒険とロマンの旅への足がかりとなった要塞の姿が見られるようになります。」
入り口入ってすぐの区画はシンボルが灯台からアクアスフィアに移行した様子、つまり当初の「セブンシーズ」から「東京ディズニーシー」への移り変わりを示している。

1,全体図
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"Walt Disney Imagineering"掲載
エリアは“Portofino”、“Volcania”、“Mermaid Lagoon”、“Lost River”、“Glacier Bay”、“Pacifica Discovery Center”、“Big City Waterfront”の7つ。

2,全体図
D23ej1.jpg
ぼんやりとした画風。
図1と違い基本的な配置は現在と大体同じだがいつ描かれたか定かではないのでエリア名は現在の名称を用いる。
・メディテレーニアンハーバー
中央で灯台が明かりを点している。ポートディスカバリーJデッキの誘導灯以上に目立つことは間違いなし。
灯台のそばにある難破船は煙突があるので汽船、つまり少なくとも中世ではない。
ミラコスタは無いがカナルを確認。
リビングスタチューやヘラクレスが出没していたあたりにコロッセオ風シアター?
・アメリカンウォーターフロント
コロンビアがいない代わりに外輪船が停泊する。
エリア内を一周するエレクトリックレールウェイは駅が二つ、鉄橋と共にブルックリン橋を走る。
Big City Waterfrontよりも街の規模は小さい。ケープコッドらしき漁村は見当たらず。
・ポートディスカバリーの位置 
ガントリークレーンとトタンの塀に囲まれたメリーゴーランド?空飛ぶブランコ?及び橋が見える。
無機質な雰囲気からPacifica Discovery Centerかもしれないが詳細は不明。
・もう一つの山
グレイシアベイ?詳細はわからず。
・ロストリバーデルタ
神殿が5つ。
・アラビアンコースト
今と変わらず?
・ミステリアスアイランド
今と変わらず?

3,灯台全体図 署名:Scott Sinclair
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Lighthouse of Alexandria, Tokyo DisneySea (never built) -Pinterest
ディズニーファン誌2015年3月号『ASK  DAIVE!』
左下は”Tokyo Disney Seas”。てっきりTokyo Disney Sea”?”だとばかり思い込んでいた。
灯台をくねるのは螺旋階段というよりも滑り台?
左下方へリフトが伸びる。相当なスリルアトラクションになりそうだ。
背景にアメリカンウォーターフロント?らしき吊り橋とグレイシアベイ?らしき山が見える。
難破船は図2と同じく汽船なので時代は変わらないはず。
それにしてもPinterestのソースは一体どこなのだろうか?Pinterest以前に見かけた記憶はあるのだが…


ウォルトディズニーワールドのハリウッドエリアのディズニーギャラリー的展示施設"Walt Disney: One Man's Dream"でこの灯台シンボル案のコンセプトアートが展示されているようだ。


4,「フォートレスオブエクスプレーション」
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署名は見当たらなかったがアクアスフィアと同じ画風なのでDan Goozeeと思われる。
鉄とガラスで組み上げられた巨大な天球儀。内部にうっすらと太陽系儀らしきものが見える。
螺旋階段が取り巻く鉄塔は中央にこれまた大きな望遠鏡があるので灯台ではなく観測塔?
塔と天体儀の間には両者を結ぶ通路。左手に帆船、右手に天体観測ドーム。どの建築も石造りのようだ。

5,フォートレスオブエクスプレーション 署名:Carson 
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火山中央(模写の丸)に”The fountainheads for the oceans of the world at their origin earth is themed to reflect their part of the world”の表記。
今まで見たことの無い画風。
あちこちから水が湧き出る水源の上に建てられた建築群。
視覚的中心は天体観測ドームに置かれており灯台は後退している。
左手の帆船はどうみても難破船。右手の橋は他エリアとの連絡通路か。
ロマンチックというかRPGというかともかくこれはこれで中々好み。

6,フォートレスオブエクスプレーション
photo 3b

『東京ディズニーシー10周年クロニクル』、A Tokyo Disney Sea artwork tribute - Part one – Disney and moreなど
現在の姿なので特に付け加えることはないが、雲から降り注ぐ光が神々しくて本当に大好きなコンセプトアート。

Final Design
7,東京ディズニーシー全景図
TDS1998年2-3月号49号
ディズニーファン誌1998年2-3月号、 Tokyo Disney Sea artwork tribute - Part one – Disney and moreなど
現在と似通いつつもウォーターフロントパークなど違う部分が多々あるが詳細は1/200模型にて。

8,アクアスフィア
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“Walt Disney Imagineering”、A Tokyo Disney Sea artwork tribute - Part one – Disney and moreなど
現在の姿。これも大好きな一枚だ。

"Building Dreams"
キャプション「東京ディズニーシーが空想の世界でありながらリアルさを感じるのはこうしたイマジニアたちの気の遠くなるような調査や研究があるからなのです。」
これに続き「正確であるだけではなくエンターテイメントとして楽しめる~」と続くが、これらは私事であるがコロンビア本で主張していることと全く同じ。膨大な知識を込めつつもエンターテイメントとして成立するところこそ東京ディズニーシーの凄味でありイマジニアリングのなせる業だ。


メディテレーニアンハーバー
キャプション「S.E.A.の業績が噂になり人々が集まりだすと裕福な地主ザンビーニ兄弟はレストランやワインナリーを開設、他の2つの地区にも貢献し発展に関与しました」

9,帆船ルネサンス 署名:Phillip Freer
構図は左舷上方から、おそらく要塞からの視点。
現在と同じ姿。

10,ポルトパラディーゾ
ゴンドラ乗り場が現在のミッキー広場右手にある。
ヴェネツィアにありそうな柱など現在よりもパラッツォカナル色が強い。
提督姿のキャスト?それもとメイヤー風アトモス?がゲストに話しかけている。

11,パラッツォカナル
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『アートで楽しむ東京ディズニーリゾート』、Tokyo Disney Sea 9th Anniversary Tributeなど

12,トロンプイユ、天井画の一部、カラーボード(フォートレス)
強いて取り上げられることは少ないが、一つ気になったのがカラーボードのメディテレーニアンハーバーではなくミステリアスアイランド表記であること。

アメリカンウォーターフロント
13,コロンビア
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『アートで楽しむ東京ディズニーリゾート』、A Tokyo Disney Sea artwork tribute – Disney and moreなど
キャプション「海の不安を忘れさせるアールヌーボーデザインはエレガントの象徴とともに自然より人間が強いと言う象徴でもあります」
貨物船セント・エルモなど大体の配置は現在と同じだがコロンビア・ボヤージュColumbia Voyage、54番桟橋の設備が簡素など少しずつ違う。

14,エレクトリックレールウェイ 署名:Chuck Ballew
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『アートで楽しむ東京ディズニーリゾート』、A Tokyo Disney Sea artwork tribute – Disney and moreなど
Chuck Ballew氏は"Walt Disney Imagineering"に1p丸ごと使って掲載されるハイタワー三世の肖像画を書いた人でもある。

15,ケープコッド
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ディズニーギャラリー企画展"Magic on the Water – The Art of The Happiest Fleet on Earth (2011)"
The Disney Gallery - Magic on the Water - Magic Eye Disneyland Resort Pictorial Blog

16,エレクトリックレールウェイカラーボード

17,壁画サンプル



ポートディスカバリー
キャプション「1900年代初頭の人々が夢見た」「ヴィクトリア様式やアールデコ様式、機械化時代」「パラレルワールド的発展を遂げた世界のようです」

18,サンフィッシュサブ、アクアトピア模型
アナハイムのディズニーギャラリー企画展メカニカル・キングダム”Mechanical Kingdom”(2014~)で展示された物?
本国ディズニーギャラリー企画展『メカニカル・キングダム』 - Togetterまとめ



19,海底グランプリ Undersea G.P.8‐95 署名:T,Thordarson
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キャプションの表記はストームライダー
レーザーのゴールラインを目掛けて潜水艇が突っ走る。
潜水服を着た係員がフラッグを振っている。
潜水艇はどれも魚型。モチーフになった魚類がそばを泳ぐので大体はわかる。左からイルカ、クラゲ、サメ、クジラ、エイ、エビ、タコ。描き忘れたが中央下にはカニもいる。

UnderseaGP2a.jpg
↑“Walt Disney Imagineering”からクラゲ型潜水艇。"Squid Sub Concept""TDS Undersea Grand Prix 4-10-95"
なかなかユニークな推進方法だ。
UnderseaGP1a.jpg
↑同上からクジラ型潜水艇。"The Incredible Mechanical Whale" "TDS/Undersea G.P.9-95(7-95?)
右下にうっすらとクラゲ型潜水艇が描かれておりサイズの比較ができる。
クラゲとクジラは“Walt Disney Imagineering”掲載のコンセプトアートと同じ。どの潜水艇もリベットがはっきりわかるメタリック調のデザインで渋い外観である。


20,ストームライダーデザイン画 署名:Chris Tunderson
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リゾートライン壁画と同じデザイン。
機体すぐ後ろの二重反転プロペラがちょい気になる。
回転翼やコックピット下のアームがそれぞれ羽や腕みたいに見え、アトラクションの解説で「トンボがモチーフになった」と言われるのも頷ける風体。

21,ストームライダー
ストームの上からデュフーザーを発射、あるいは2号機と共に目の中に突入する様子。ファンアートでも見られる素敵な構図だが開園以来公式が繰り出したことはない。

“Thechunical Drawing”
アトラクション等にまつわる図面。
22,コロンビア右舷
23,ルネサンス左舷
24,アクアトピア
25,サンフィッシュサブ
26,ドリルングマシン
27,センターオブジアース地底走行車
書き込みすぎてすぎてわけがわからない 
28,ノーチラス
喫水線より上
29,ミステリアスアイランド
水上、地上、地底走行車ルートの計三層。
30,シンドバッドの三賢人の一人
内部のアームがはっきりわかる。
31,丸めた図面
日付は15-11-4。


マーメイドラグーン

32,キャッスル50分の一 メンテナンスのカラー校正
キャプション「特殊なペイントや光ファイバーが使われました」

33,鳥瞰図
“Walt Disney Imagineering”など

34,プレイグランドのプロップスデザイン画

35, マーメイドラグーンシアターで私用されたセバスチャンの実物
ほつれが見えるほど使い込まれている形跡がある。


アラビアンコースト
36,シンドバット・ストーリーブックヴォヤッジ
2枚展示。両方ともリニューアル前。

37,キャラバンカルーセル模型
ジーニー含め5つ。

38,アラビアンコースト鳥瞰図
ダウが停泊するところに小さな要塞が見え、橋も二本確認できる。
シンドバッド?らしき建物の様式がマジックランプシアターと同じなのが目に付いた。

39,キャラバンカルーセル外観 Phillip J. Freer
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FreerthinkingA Tokyo Disney Sea artwork tribute - Part twoなど


ロストリバーデルタ
40,ロストリバーデルタドック
ミゲル風の軒先ではフルータやリズミック・ピミエントス風のアトモス?が賑わいを見せる。
トランジットスチーマーラインではなくどうみてもジャングルクルーズなボートにはミュージシャンズ・オブ・デルタのように物売りが小さなカヌーでこぎ寄せる。

41.水上機 Phillip J. Freer
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FreerthinkingA Tokyo Disney Sea artwork tribute - Part twoなど

42,インディジョーンズ サンプルボード
熱帯地方の色あせを表現。

43,ロストリバーデルタ鳥瞰図 署名:Chack Ballen 95'
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現在よりもより一層密林の遺跡感がかもし出されるが人の出入りを全く考えていない構造。おそらくブルースカイレベルか。
模写には無いが熱帯の鳥が何羽も飛んでいる。
なお各遺跡があまりにも込み入っており正直描くのは無理。

ミステリアスアイランド 

44,ミステリアスアイランド鳥瞰図
『アートで楽しむ東京ディズニーリゾート』、01-017.jpg
Tokyo Disney Sea 9th Anniversary Tributeなど

45,シーン10:怪物の攻撃 署名:Thordarson 95'
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A Tribute to Tom Thordarson - a.k.a " THOR "-Artwork Part Three : Tokyo Disney Sea Mysterious Island
ラーバモンスターが三両編成の地底走行車を襲う様子。

46,ヴァルケニアレストラン コンセプトアート
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“Captain Nemo's Cafe preliminary concept”
ノーチラス船内の船長室をモチーフにしたレストラン。カーテンは映画と同じ赤色。こんな模写なんて比較にならないほどエレガントな内装だぞ。

47,トライペダルビートル、怪物デザイン図
ラーバモンスターは図45と共に日本語表記は怪物で統一

48,センターオブジアース アトラクションポスター原画
現物では見えない下部に“Marker Dyes-Prisman Browline”

49,海底2万マイルコンセプト

本国ディズニーギャラリー企画展『メカニカル・キングダム』 - Togetterまとめ



ディズニーギャラリー企画展メカニカル・キングダムに展示されているもの。この計画ではノーチラスそのものに乗るプランだったようだ。

50,海底2万マイル
インタビュー動画に出演したイマジニアであるスコット・シャーマンのHP Scott Sherman designに掲載されているので参照。

51,海底2万マイル コンセプトアート
現在よりよほど壮大なアトランティスのコンセプトアート。

52,ミステリアスアイランド 
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”Disney's Discovery Bay TDLⅡ”
カルデラ湖の水面上に視点を置いた構図。
ドリルマシン、潜水艇、潜水艦と要素は揃っているがデザインが違う。ラフだから?


53,プロメテウス火山1/75模型
目線の高さで仕上がりを確認する。アメリカの鉄道模型ジオラマも目線を重視して同じような高さであることを思い出す。
中に入ってミステリアスアイランド内部の目線も確認できる。
ディズニーシーの造りかた‐ねこやねん (現在は削除) で「模型をそのまま拡大して実物を作った」と語られた成形元の模型とはまた別。

54,サンプルボード
リベット、タイル、モザイク画のサンプルの他にエイジングの実演を行っていた。見とれていてほとんど書きとめられなかったが、「擬木」という手法をかろうじて覚えている。

55,東京ディズニーシー1/200模型
キャプションには「完成時」とあるが差異がいくつも見られる。
コロンビア…プロムナードデッキがオープンスタイル。
タワーオブテラー…ディズニーファン誌1997年8-9月号と同じデザイン。
セイリング(コロンビア・ボンボヤージュ)…ハイタワー邸宅風?少なくとも現在とは違う外観。
エレクトリックレールウェイ…アメリカンウォーターフロントを一周。駅の位置も違う。
アクアトピア…ケープコッド側と結ぶ通路がある。
灯台…現在の駅舎側ではなく地上に設置。
ディスカバリーギフト…風力発電ではない。

・イマジニアのインタビュー動画
各テーマポートに携わったイマジニアが一言述べるインタビュー動画。

ジェニー・マルホーランド Jenny Mulholland シニアプロデューサー?
「ディズニーランドが"ランド"なら第二パークは"シー"」 
ジョン・ソレンソンJohn Sorenson ランドケープデザイナー
東京湾を用いた借景
ティム・カーク Tim Kirk
アクアスフィア「水の惑星」
Kirk Design Inc
↑HPのWeb Archive。コンセプトアートやデザイン画が多数掲載されるので必見。
リン・イタムラ Lynne Itamura
「調度品は各テーマポートの時代背景に合うものを選んだ」
ジョー・キラウノスキー Joe Kilanowski  「パーク全建築物のコンセプト責任者(『東京ディズニーシー10周年クロニクル』)」
メディテレーニアンハーバーのトロンプイユ
ティム・カーク
「アメリカンウォーターフロントは新時代を迎えた自身と希望に満ち溢れたポート」
クリス・クランプ Chris Crump
アラビアンコースト
クリス・バランタイン
センターオブジアースの水晶
スコット・シャーマン Scott Sherman
海底二万マイルでは水を使わず水中を演出。
デビット・ミニスタ
ロストリバーデルタの植栽。

テーマポートランドスケーピング
植栽に関する展示。『東京ディズニーリゾート植物ガイド』で十分な内容。

考察
素晴らしいコンセプトアートは感受性に任せるまま受け止めても十分楽しいが、以前過去記事でも触れたように時系列順で並べたりするなどすると考察するとイマジニアの辿ったであろう道筋が見えるなどより深く楽しめる。新ファンタジーランド関係で相当盛り上がったようだが何も最新の類に限らないのだ。しかし制作にあたり描かれたであろう莫大な枚数の内展示されたのはたった数十枚程度、それを専門知識のない輩がまとめるのであくまで一ファンによる考察程度にとどめておくのが吉だ。
公式がアナハイムやパリのようにメイキング本を出版すればこんな文章は用済みだが後何十年後まで待てばいいのか。そもそも日本でそんな本に需要なんてあるのか・・・?


・灯台
これまでさんざんアクアスフィアの当て馬扱いされながら具体的な姿をまったく見せてこなかった灯台シンボル案がようやく大々的に扱われた。しかし和書ではディズニーファン誌でのデイブ・スミス連載が初出だがネットで以前から出回っているので洋書では以前から取り上げられたということか。出典元はどこだよ!
灯台がシンボルとして描かれる図1,2,3はどれも制作年月がかかれておらず正確な順番はわからないがアクアスフィアへ変更された1994年9月(OLC社史『オリエンタルランド50年史』)以前であることは確か。
盛んに「日本では寂しい印象が強いのでOLCの提案により変更された」と当て馬扱いされさんざんなイメージが固定化されているがこうしてみるとこれもまた味があるではないか。灯台が却下されなければ要塞が生み出されなかったのですべてを持ち上げるわけにはいかないが、それでもマイナスのイメージはそれほどでもない。
時代を下るに従い日陰に転落したがそれでも灯台は生き残っており現在も要塞、ポートディスカバリー、ケープコッドに存在するのでぜひ注目してほしい。

・図1の制作時期
1992年7月にOLCがイマジニアから詳細なプレゼンテーションを受けた段階ではポルト・フィーノ、ジュール・ヴェルヌのミステリアス・アイランド、マーメード・ラグーン、ロストリバー・デルタ、グレーシア・ベイ、ディープ・シー・アウトポスト、ビッグ・シティ・ウォーター・フロントの7つ(社史)なので少なくともこの時の案ではない。
これら及びPort Disneyからの流れについては以下にさくまさんがまとめられているので参照。
Port Disney「東京ディズニーシーの兄です」

・灯台から要塞へ
灯台シンボル案を却下された後どう要塞へ変化していったのか、情報は全く無いので図4、5がその間を埋めるヒントになる。いやたった2枚なので十分埋めるには不足するがそれでも無いよりよほどマシだ。
図1,2,3の灯台案シンボル案が却下されたあおりを受けて図4の塔は灯台ではなく天体観測塔に変更されたと思われる。
図5の中心的地位を占めるのは図4では右手に小さくいた天体観測ドームである。図4には巨大な鉄とガラスの天球儀とともに塔の中ほどにも望遠鏡がありこれら天体観測の要素が現要塞のチェインバーオブプラネットに引き継がれたかもしれない。
図5の水源要素は「水の惑星地球」を強調する向きもあるようだ…とここまで書いていて思い浮かんだのだが、もしかしするとこの精神がアクアスフィアに引き継がれたのではないか?たった一枚のコンセプトアートから飛躍した軽率な妄想ではあるがひょっとすると、ねえ。
蛇足だがアクアスフィアといえば『新潮45』 2001年12月号掲載のかがみんインタビュー『メイキングオブ東京ディズニーシー』で「エントランスにある大きな地球儀、あれも(高橋)相談役とクリエイティブメンバーの女性のアイディアです」とあるが他の書籍では一切触れられていないので気になる。どなたかご存知の方はご一報を。
ここまでくると図5の水源から図6現要塞への変遷を知りたくなるが間が無いので判断できず。
ただし、図4の塔は鉄塔であるのに対して図5はバリバリの中世で時代が異なる点が気になる。鉄塔と天球儀を構成する鉄とガラスの組み合わせはどうみてもポートディスカバリーとミステリアスアイランドを思わせるデザインでありひょっとして図4は要塞と直接の系譜でつながっているわけではないとか?

・コロッセオ風シアター
図2は図1と違い手がかりとなる文字が全く無いため正確な時系列はわからないが、中央下部のコロッセオ風シアターが他の展示物に無い要素であり注目に値する。
ディズニーファン誌1997年8-9月号掲載の全体図にも描かれているが壁しか見えなかったのでようやくシアターだと理解できた。
1/200模型を見るとコロッセオの位置は空き地だがそこにドックが移動したためミラコスタの部屋からも見えるようになったと思われる。

・海底グランプリ
図19の海底グランプリはメカニカル・キングダム展および”Walt Disney Imagineering”でも一貫してストームライダーと表記されている。おそらくOLCに却下された「潜水艦レース」とはこれのことだろう。

TDSプロジェクトに立ち上げから関わった田丸泰取締役は、米側から潜水艦レースなどのアトラクションの提案があったことを明かす。「海にこだわりすぎてミッキーマウスなどのキャラクターのプレゼンスがゼロになっては困る、最低限の露出は必要と考えた」以上週刊東洋経済2002年1月12日号より



他のコンセプトアートにも魚型潜水艇は描かれているが結局マンボウ型であるサンフィッシュサブは唯一の残滓と思われる。
ディズニーシーのレトロフューチャーについて - Togetterまとめ
なぜ海底グランプリの潜水艇が魚類を模しているのか、その理由はこちらが詳しいので参照。
なおストームライダーの後継に予定されるニモのアトラクションも潜水艇だがデザイン、色、何から何まで全く違う。海底グランプリのテイストを引き継ぐ望みは現時点で全く持てない。無理だこれ…

・ストームライダー
CIMG5364.jpg
↑リゾートライン壁画ストームライダー拡大(筆者撮影)

図20、図21は共にリゾートライン舞浜駅の壁画及びゲーム『アドベンチャーオブ東京ディズニーシー』と同じ黄色いヘリコプター風デザイン。グッズすらこの姿ということは土壇場までゴタゴタしていたと察せる。
メカニカル・キングダム展にはストームライダーとして魚型の潜水艇が描かれているが今回の展示とデザインはかなり似ている。潜水艇にエンジンを抱えさせテールを伸ばし下駄を履かせたような、そんな具合だ。
このデザインが相当後まで残り内部資料の類にも見られたためCWCのキャストが「ストームライダーのモチーフはトンボである云々」と案内しているということか。

・ネモ船長の飛行機械?
無題
↑鳥瞰図拡大。
ミステリアスアイランドを描いた図29と図44は現在とほぼ同じ姿だが一つ異なる点がある。それはアラビアンコースト側への通路、ヘリポートのそばになにやらプロップスが置かれていることだ。
拡大してみるとどうやらタイヤを履いた弾丸型の飛行機 にも見える。センターオブジアース内のネモ船長の研究室に飾られる飛行機械は気球をしょった鳥型なので大幅に違う姿。…弾丸といえば同じヴェルヌ作品の『月世界旅行』だが、いや待てこれも根拠なき妄想なので違うだろうなあ。
餃子ドック販売の邪魔になるから取りやめになったと想像するが、設計図(図28)に描かれているということは相当後の段階まで構想されていたということか。
ガイドブックでも触れられるヘリポートのタイヤ跡はストームライダーのトンボ云々と同じく構想の名残り?

・模型の年代特定
図55東京ディズニーシー1/200模型のキャプションには「開業時の姿」とあるが実際の姿と違いがいくつも見られるので明らかに違う。
この場合はディズニーファン誌1997年8-9月号と1998年2-3月号(図7と同じ)が参考になる。両者に掲載された全体図はほとんど同じだが詳しく見比べるといくつか差異があるからだ。
1997年8-9月号の特徴
TDS1997年8-9月号45号
↑全体図

TDS1997年8-9月号45号タワテラ1
↑タワーオブテラー
1/200模型と同じく現行の張り出しが無いデザイン。それほど悪趣味でもないのでハイタワー三世がいたかどうかも不明。

コロッセオ
↑コロッセオ風シアター
このコンセプトアートでは何の施設か不明だったが図2を見てようやくシアターと確信。

TDS1997年8-9月号45号PD1
↑カブトガニ型のCWC
CWCの初期の姿。“Walt Disney Imagineering”に見開きで掲載されているので詳しくはそちらを参照。


1998年2-3月号の特徴
TDS1998年2-3月号49号
↑全体図。図7と同じ。

エレクトリックレールウェイ
↑エレクトリックレールウェイの配線と駅舎位置、ウォーターフロントパーク

模型を見てみると1997年8-9月号の姿のタワーオブテラーがあるがそれ以外は1998年2-3月号の姿なので模型の制作時期はこの半年の間に絞られると考える。ただし全体図がディズニーファン誌にリアルタイムで掲載されたという前提条件ありきの仮説ではあるが。

・タワーオブテラー
タワテラ
↑“Walt Disney Imagineering”より。火山の袂に灯台が聳え立つ。
1997年の時点で存在するタワーオブテラーは灯台シンボル案の頃から描かれている。つまり当初から織り込み済みだったわけで、工期の関係かそれとも新要素にとっておいたのかわからないが何らかの事情でひっこめたのだろう。

・コロンビア
『合衆国汽船コロンビア号』においてPort Disneyでクイーンメリーがコロンビアに引き継がれているとしたが、一貫していたわけではなく途中で復活したとか?1/200模型や図7ではプロムナードデッキのデザインが違い少々クラシカルな雰囲気なのでここも検討を要する。

・ミステリアスアイランド
東京ディズニーシーは様々な変遷をとげてきたがその中で一貫して存在するテーマポートがミステリアスアイランドだ。Port Disneyから計画に含まれ灯台シンボル案時代の図1,2でも根幹からの変化が無いように見える。これはミスターノーチラスことトム・シャーマンTom Shermanなどイマジニアの働きが大きいと思われる。(コロンビアに携わったイマジニアの一人Patt Burke曰く「東京ディズニーシーへの彼のの貢献はもっと知られるべき」Disney and moreによるインタビィーよりD&M Archives : Grand Interview of WDI Imagineer Pat Burke - Edited Version with new pictures and stories ! )
特に注目したいのが図52 。”TDLⅡ”表記は灯台シンボル案でもかなり初期の段階の類に見られるのみな上“Discovery Bay”が重要なキーワードだからだ。

D23 Destination D Attraction Rewind, Day 2 (Salute to All Things Disney but Mostly Disneyland)
↑没アトラクションについてイマジニアが語る本国D23のイベントDestination D。ディスカバリーベイもここで語られた。

Discovery Bay detailed at Destination D‐inside the Magic
↑Destination Dで語られたディスカバリーベイ関連のまとめ

ディスカバリーベイといえばトニー・バクスターTony Baxterらが熱心に作り上げながらも途中で断念され1970年代に発表されたエリア。ビッグサンダーマウンテンの成功で栄えた19世紀末のサンフランシスコという設定でスチームパンク的な雰囲気も備えておりメカニカル・キングダム展でもハイタワー三世のモデルになったことで知られるジョー・ロードJoe Rohdeなどによる数々のコンセプトアートが展示されている。いやスチームパンクが提唱されたのは90年代でこちらが明らかに先行しているから正確にはそのものではない。ともかくパリのトゥモローランドなどに影響を与え昨年の本国D23でトニー・バクスターの語るイベントが開催された伝説的な計画である。
図46と同じようにノーチラス船内をモチーフにしたレストランの案も存在するなどミステリアスアイランドはこの計画を色濃く引き継いでおり、その名前を掲げる図52も物的証拠のようなものといえよう。


感想
一日中引きこもっており結局他の展示を見なかったが大満足の展示であった。どれぐらいかといえばどんぴしゃな内容で踏み入れた時過呼吸を起こしかけて途中退出したほどだ。本当だぞ。我ながらキモヲタここに極めり、だなウン。
OLCはイマジニアリングに対して普段冷淡な扱いしかしていないがそれでも完全には忘れていないことがわかり安堵したのもまた事実である。よかった・・・
和書では小さなサイズでしか掲載されないコンセプトアートをじっくり眺めることができたのでミステリアスアイランドの飛行機械やコロッセオ風シアターなど新しい発見が続発した。やはりじっくり眺めるのは楽しいね。
実演がまたよい。本国のD23ではTDS版タワテラを手がけたイマジニアが実演したと聞いて歯ぎしりいたので遅かりしながら数年越しにやっと味わえたわけだ。

不満点
確かに極上の展示でありこれ以上の物を望むなんてどうかしているかもしれないが、それでもオタクという人種は欲深き生き物であり不満がいくつかあるのでちょっと書いてみる。

最大の不満はグッズが先行販売だの限定販売だのどれもキャラクターのみで今回の展示にちなんだ商品が皆無だったこと。こればかりは擁護のしようがない。図録や絵葉書があればこんな下手な模写を開陳するまでもないし第一素晴らしいコンセプトアートをそのまま堪能できるのに惜しい限り。どんな高値でも買いますぜ。


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Walt Disney Imagineering The imagineers

↑アマゾン販売ページ。アフィはやっていないのでご安心を。円安で少々値上がりしているが払う価値は十二分にある。
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↑内容の一部。手前は比較用のマッチ箱。コンセプトアートから建設時の写真まで掲載。こんな大きさでハイタワー三世が掲載される書籍なんてありますか!?
今回の展示が伝えんとすることはパークを創造するイマジニアリングだが、実のところ本記事などでたびたび引用する“Walt Disney Imagineering”がかなりカバーしている。東洋ディズニーシーも2.3割ほど触れるので図録を所望の方はこちらを読もう。というかディズニーテーマパーク好きの必読書であるし、どうせ翻訳の望みは限りなくゼロなのでさっさと買うべし。
“Walt Disney Imagineering”以外にもイマジニアリングを大々的に扱う書籍は洋書ならばたくさん存在するが和書はほとんど見当たらない。一番濃い『アートで楽しむ東京ディズニーリゾート』『東京ディズニーシークロニクル』でも10ページ、それも刺身のツマ程度で後はかがみん本でドヤ顔の材料にされているぐらいでありとてもじゃないがお膝元にあるテーマパークの扱いとは思えない。アナハイムのディズニーギャラリーの方がよほど大きく扱っているほどだ。
ただし強調したいのはイマジニアリングの一から十まで全てを公開しろなんて無理難題ではなく本国でしていること程度しか主張していないことだ。せめて“Walt Disney Imagineering”を翻訳するだけでもずいぶん違ってくるのでぜひお願いしたいが無理だろうなあ・・・。
というか海外のHPには相当数のコンセプトアートがアップされているが(出典元はどこなのだ!)、それほど書籍が出版されている証拠でもあるのでうらやましい限り。いやまあ本国のディープなオタクが東京ディズニーシーや構想当時のまま残るカンベアなどをうらやましがるように隣の芝生は常に青く見えるものだが出版事情に絞ってみると本国が上回っていることは確かだ。

ロングビーチのPort Disneyに全く触れられていない点が少々気になる。セブンシーズそのものもMGMスタジオ案をOLCに断られたディズニー側が「これを第二パークのコンセプトにしてどうか。我々が日本に合うようにまとめるので検討してほしい(社史)」と提案したことにより動き始めた計画であり、海のテーマとミステリアスアイランドはこの計画の生き残りなので東京ディズニーシーを語るうえで外せないはずだ。
ここまで扱うと展示の焦点がぼやけるのでオミットするのもわかるが、決して忘れてはいけない計画であることも確か。
イマジニアがどんな史実から着想を得たか、これもほとんど触れられなかったが結局のところスペースがあまりにも小さいのが全ての原因だろう。前回の修羅場を見たらそりゃグッズ売り場ばかり重視するのもわかるけどねえ…

展示物には完成段階、それも書籍でも見られる類のコンセプトアートが多数あったが欲を言えばブルースカイをもっと見たい。図43などのコンセプトアートは初期段階のブルースカイと呼ばれるものであり、あくまで構想の元となる類であり実現性をまったく考慮しない点が特徴的。いわば「いまじにあのかんがえたさいきょうのとうきょうでぃずにーしー」で一段と夢が溢れてるのと構想の源を直接伝える貴重な資料なのでぜひとも見てみたい。図6要塞や図8アクアスフィアも定番ながら大変好みだがせっかくの企画展だから普段見られない類を期待しちゃうわけですよ。

そしてディズニーギャラリーは10年近く更新されない、洋書も翻訳されずイマジニアリングに触れられるのは2年に一回のD23EJのみというのはあまりにも酷なのでイクスピアリに常設博物館でも設立してほしいと案内してくださった社員さんに懇願したところ、「社内にも声はあるがゲストから要望の形で出していただけるとより効果的なのでぜひともお願いしたい」とのことだったのでこれは全力で届けるしかない。アンケートに書けばきっと届くはず!書こう!

不満点は置いといて、今回の展示で余すところなく語られたイマジニアリングこそディズニーテーマパークには不可欠な要素なので東京ディズニーシーを創造したイマジニアたちの活動に目を向ける人が一人でも増えたらすごく嬉しい。
でもねえ、図録が出ていればこんな記事は必要なくなり魅力を直に伝えられるのでホント頼みますよ!
2015/10/25

手下好きへのヴィランズイベント及びパークオリジナルキャラの紹介、あるいは手下人気に対する便乗

現在ヴィランズの手下が大人気で二次創作界隈において「手下沼」なるタグが機能しているが、この界隈の沼と言うものは期間が終了したらさっさと移動するのが常だという。しかし東京ディズニーランドが開園して以来30年以上の蓄積があるので沼だ沼だと言いながらイベントが終了して供給が絶たれたら用済みといわんばかりにあっさりディズニーから移動するのはもったいないので異議を唱えたい。
現地で見ればそりゃ思い入れは段違いだが、実地で見られず動画や写真でしか知らないからといってマイナスになるわけではない。終了したイベントならば昨日だろうが10年前だろうが大して違いは無いし、それに現地で楽しむなんて無理な話なのでTwitterを騒がせる諸々の問題も発生しようが無いメリットも大きい。
というわけで手下でアトモス、あるいはディズニーを知った方にヴィランズやパークオリジナルキャラが登場する過去のイベントをいくらか紹介してみる。太字は動画及び紹介記事へのリンクなので各自参照して欲しい。
「手下がお好き?結構、ではますますディズニーがお好きになりますよ」

・映画
手下から初めてディズニーに触れた方はまず好きな手下のマスターヴィランズが登場する映画を見よう。レビューでもいいからとにかく本編に少し触れるだけでずいぶん違って見えるはずだ。
NCのディズニー・ヴィランズTop11‐ニコニコ動画
↑Nostalgia Criticのディズニーヴィランズレビュー。「十字架の裏側に生きる男フロロー」は言いえて妙だ。
ヴィランズを「夢の国ディズニーらしくない」と評価する向きもあるが考えてみて欲しい。夢と悪夢は紙一重であり影は光無くして成り立たず光は影により引き立つ。つまり主役と悪役は相互不可分の関係にありその両者を余すこと無く描くディズニーこそ夢を具現化しているとも言えよう。
映画こそヴィランズが魅力を発揮する場面なのでともかく見るべし。義務ってわけではないが見るだけでも想像に厚みが出ることは間違いない。

・ヴィランズイベント
ディズニー・ハロウィーン2009 リ・ヴィランズ‐ニコニコ動画
一部で今年のハロウィンが初めてのヴィランズイベントとされたがそんなことはない。
ランドには『レッツゴー・ヴィランズ(2008)』、『リ・ヴィランズ(2009)』というヴィランズにクローズアップしたパレードが存在する。
まあ、ヴィランズは情けない扱いなので好きな方からすれば侮辱物だがクルエラフロートのダルメシアン、マレフィセントフロートの貴族、クイーンオブハートフロートのトランプガールなどダンサーが相当魅力的で人気を誇っている。
ディズニーの二次創作に対する雪解けの要因となったパレードであり現在でも時たま描かれるが、過去のイベントがスルーされるのが常である舞浜界隈ではそう滅多にあることではない。

Power Of Music Atmosphere show Alice&Mad Hatter 2010/02/19 ‐YouTube
今では懐かしいトランプガール -YouTube
リ・ヴィランズで追加されたトランプガールは『パワーオブミュージック(2010)』のアトモス『トゥイードルディー & トゥイードルダム with アンバースデーバンド』と同年パレード『クイーン・オブ・ハートのイースターボンネットパーティー』で再登場し後者ではウサ耳をつけている。短期間の二度に渡る再登場から人気ぶりをうかがえるが衣装の流用はよくあることなので他にも探してみると面白い。

バンザイ!ヴィランズ! ①-YouTube
両者の夜パレード『バンザイ・ヴィランズ』は2015年現在最後の季節モノの夜パレード。アースラフロートのクラゲが真価を発揮するので必見。
なおこれらダンサーの名前は公式の正式名称ではなくファンの間でいつの間にか定着したものである。

ディズニー・ハロウィンパレード2004(キャンディチーム)高画質版-YouTube
クルエラ、マレフィセント、ウィックドウィッチの三人が登場する『ディズニー・ハロウィーン・パレード(2004)』は扱いがリ・ヴィランズよりよほどマシなので安心して見られるだろう。

[HD] Tokyo Disneyland - Rock Around the Mouse 2005‐YouTube
『ロックアラウンドザマウス』に登場するヴィランズはガストン、ビッグバッドウルフ、クルエラの三人。
それにしてもアメリカ色を全面に押し出したU・S・A!なイベントは実に新鮮で楽しい。もっとやって欲しいものだねえ。

TDL ファンティリュージョン-YouTube
しかしこれらイベントはいわば冗談であり映画本編の色を受け継ぐ『ファンティリュージョン(1995~2001)』には適わない。これこそヴィランズの魅力を最大限に発揮した最高のパレードだ。

【TDL】 1997年スペシャルショー 女王の実験室 1/2
ヴィランズイベントだけではなく「ヴィランズの手下」も今年が初めてではない。
『スノーホワイト・スプリング・ロマンス(1997)』のミニショー『女王の実験室』に登場した女王の親衛隊キムとタクは名前からすぐわかる通り漫才系MCの走り。翌年『ミッキー&ミニーのダンスフィーバー(1998)』のショー『ディスコ・トライアウト』にまさかの再登場を果たしたという。同一キャラが別イベントに出演した事例はカッガリービとキビータ、テーマポートの女神様ぐらいなものなのでいかに珍しいか。


サックス・ファイブ(ハロウィーン キャラコラボVer) ‐YouTube

2004年ハロウィンではトゥーンタウンで演奏するサックスファイブにクルエラと共にホーレス&ジャスパーのような手下がゲストに絡んでいた。
キムとタクも白雪姫本編の狩人のような格好であり今年の手下たちよりよほど「手下」らしい風体であることは確かである。
なお今年の手下たちが「公式二次創作」と呼ばれるのはあくまでdeviant Artの男女逆転イラスト風デザインだからであり「オリエンタルランドの二次創作」は全てのイベントが当てはまるので少々ピントがずれていることを強調しておきたい。公式二次創作といえば「ヴィランズの子供がヒーローの子供とともに 学園ドラマ」という一体いくつパロディを重ねているのかわからないドラマ ”Descendants”が本国で人気を博するが向こうでも同じような路線が人気なのかね?

・アトモス
二次創作界隈で人気が集まった理由として手下に名前や設定があることも要因の一つだという。確かに手下や『ファッショナブルイースター(2015)』のアーティスト、『スケルトンのストリートパーティー(2014)』の骨など近年そのようなパークオリジナルキャラクターに人気は集まるが、アトラク攻略だグッズ情報だキャラグリだとアトモスが全く注目されなかっただけで昔からいたのだ。

TDS エンターテイナー一覧‐KoZの書斎 リゾート館
↑開園当初のアトモス一覧。TDR滞在記も面白い。
シーの開園当初20以上あったアトモスは写真が殆んど残っていないが幸いにもYouTubeのrogermosphere氏がかなりの数をアップしているので10年以上経った現在でも追体験が可能である。

TDS Mayor of Porto Paradiso メイヤー・オブ・ポルト・パラディーゾ
メイヤー・オブ・ポルト・パラディーゾ、ポルトパラディーゾの市長は特に何か芸があるわけではなくハーバーをぶらぶらしてゲストと触れ合っていた。骨はその意味で懐かしのアトモスの再来とも言える。骨じゃなければ完璧だったのに本当に惜しい…

バッカニア・ブリガンズ - YouTube
  2004/9/19 (Sun) **TDSインパークレポ**
要塞に出没した「正義の海賊」バッカニアブリガンズは新しい恋人探しに邁進するミゲルとエステバンの中々楽しい二人組み。手下の流行はイケメンと直接触れ合えることが最大のポイントとも言われるが、だったらこちらはイケメン外人ですぜ。

TDRのアトモスフィア全終了の噂 _ Ni-gata Traders
TDR航海日誌 物騒な噂:アトモス全終了? ‐ TDR三昧
これら常駐のアトモスは2006年を境に激減し今じゃたったの6つ、それも演奏系のみだが、グッズやアトラクションと違い具体的な数字に表れないことからOLCが削減したとのもっぱらの噂。手下をきっかけにアトモスに振り向いてくれる人が増えた今後はまた増える、と期待したい。

『ウィッシングリング(2005)』
ミニーのウィッシングリング(立ち・高画質版) -YouTube

女神のグリーティング メディテレーニアンハーバー ロマンザ - Youtube
ウィッシングリングはミラコスタの天井画に描かれたテーマポートの女神が登場するショーだが女神達はショーの後に各テーマポートでグリーティングを行っていた。ファッショナブルのアーティストも時が時なら同様にテーマポートに出没していただろうに…。


TDS 東京ディズニーシー 2006 カウントダウン・セレブレーション-YouTube

2006年カウントダウン『メディテレーニアンハーバー・カウントダウン・セレブレーション』では再登場。ポルトパラディーゾ

『シンデレラブレーション(2003~2008)』
シュー・マーチャント -YouTube

TDL Gypsy Players ジプシー・プレイヤーズ-YouTube

マスケスティア-YouTube
↑ヴィランズ手下のホックが宝塚系男装美人としてもてはやされるが、元祖はマスケスティアのジュリアスであるはず。いや以前にもいるかもしれないが。
★シンデレラブレーションの写真です★‐スキスキ大スキ東京ディズニーリゾート!
1月19日インパ②~シンデレラブレーションのフェスティバルアーティストディズニーリゾート日記~さんぺい~
↑シューマーチャントとマスケティアの絡み「(シューマーチャントがやってきて)『靴が売れない』とぼやくと、マスケティアが『腑甲斐ない!』と一喝。かっこ良かったです」
2006-03-12 - BigLoveの日記
↑長くなるが以下に引用する。

メインアーチ前を占い師が歩いてる・・・そこに、ジプシープレーヤーズがちょうど到着。踊り子姉さんが「私も占ってよ!」「んー・・・ブルーですねっ」「ぅわっ!」(^^)
あっ、妖精たちだ。さすがに今日は馬と孔雀はお休み。やらわかく、やさしく、美しい空気感に、しばし見惚れる。そこにマスケティアと占い師も登場。二人でなにやら会話してたり、ゲストと交流したり。「あそこに妖精が居るのが、はっきり観える!おぉ、それは心が美しい証拠」なぁんて。そこに妖精が、すすっと間際まで近づいたり、また離れたり。



5年開催されたシンデレラブレーションでは城前でアトモスがいくつも開催されていたが、記録を見てみるとアトモス同士のやりとりも盛んだったようで検索するだけでも楽しくなる。ゲストもカツカツしておらアトモスの理想形とも言えよう。
ジプシー・プレイヤーズ。‐Weblog・TOPOLINO New
↑ジプシープレイヤーズのアレキサは『マウスカレードダンス(2010)』に再登場している。せっかく夜のハーバーで同じように演奏してくれたら尚のこと雰囲気が出ただろうに惜しい限りだ。Weblog・TOPOLINO Newの李乃氏は他にも『ミステリアスマスカレード(2009~2010)』のニューヨーク市保存協会の面々や『オーバーザウェイブ(2006~2010)』などに関して素敵な創作をされているので必見。

『シーズンオブハート(2007,2008)』
東京ディズニーシー・シーズン・オブ・ハート グリーティング
ダンテ・ナンテーネ -YouTube
*シーズンオブハート*|*灰汁まにあ*
ショーに登場する詩人のダンテナンテーネ、占い師トレビアンコ、ゴンドリエのマリオ、オスカルネ肩書きは不明)4人の「愛の親善大使」がテーマポートの女神と同様ショー後にハーバーのあちこちでアトモスを行っていたがダンテ・ナンテーネのみ動画がアップされている。以前は他の動画サイトにも動画はあったがサービスの終了で全滅した。あーあ…

『ディズニー・ア・ラ・カルト(2009,2008)』
カフェのアトモス|チョビのグロットへようこそ♪
セイリングデイブッフェで手下がリクルートに励むようにストロンボリ劇団がカフェポルトフィーノに出没。
ニューヨーク・インターナショナル・フェア- TDR航海日誌2
↑大道芸の目撃例のリンク集。
またウォーターフロントパークでは『ニューヨーク・インターナショナル・フェア』として数々の大道芸が繰り広げられた。現在イベントはイースターとハロウィンが加わったことにより季節物のローテーションで回されているがこれら二つのようにもっとやりようがあるんじゃないのかな。
手書きブログ - リクエスト その4 - ウメ⊃さんのブログ
↑アラカルトとシーズンオブハートのイラストはこちらの手書きブログで見るのみ。
違う点は良くも悪くもシーで開催する意義をほとんど感じない手下と違う点は彼らはテーマポートと関わりがあるところ。このような名前や設定があるオリジナルキャラクターを筆者は「テーマポートの住人」と呼んでおり、公式も放置気味の作り込みやバックグラウンドストーリーと掛け合わせれば創作の展開が可能だと考えるが詳しくは過去記事『テーマポートの住人についての覚書き』‐寝古鉢鉄工所を参照して欲しい。

筆者は2009年に初めてオタク的な意味ではまった人間なのでこれら過去のイベントは体験したことが無く写真も持ち合わせていない。しかしそんな人種でも以上挙げてみたようにネットで検索するだけでも知り得ることがおわかりいただけただろうか。
舞浜にはヴィランズの手下以外にも創作のネタになるような原石手付かずのまま転がっており、手下たちと掛け合わせたりあるいは別のアトモスに注目したりといくらでも膨らましようがあるのでハロウィンイベントが終わったからと言ってディズニーから離れるのは勿体無い。ここで挙げたのはあくまでも数あるイベントの一部であり、パークオリジナルキャラだけではなく固有の名前を持たないダンサーも中々楽しいのでウィキペディアのイベント一覧をにらみつつ各自で探して欲しい。
2015/09/26

セイリングデイブッフェの作り込み

【TDSハロウィーン】ヴィランズの手下たちに会える!「セイリングデイ・ブッフェ」アトモスフィアショー&限定ブッフェ - ディズニー特集 -ウレぴあ総研
2015年東京ディズニーシーのハロウィンに登場するヴィランズの手下たちはディズニージャンル以外の二次創作界隈にウケがよく、エンドバニーを上回る勢いで思いがけないジャンルでもイラストを見かける程広まっている。
彼らとグリーティング、要は触れ合えることからその会場であるセイリングデイブッフェは連日大賑わいであるが、しかし本来このレストランは隣で処女航海を待つコロンビアと密接に関わっており作り込みやバックグラウンドストーリーに目を向けてみると大変面白い。どうせ行くならこっちにも関心を抱いて欲しいという無駄な期待を込めて本記事ではセイリングデイブッフェそのものについていくらか偏った解説をしてみる。
…もちろん隠れミッキーは抜きでな!(シャバーン調で)
 
・セイリングデイブッフェとは
セイリング

今日は、豪華客船S.S.コロンビア号の船出の日(セイリングデイ)。客船を所有するU.S.スチームシップカンパニーでは、大統領や著名人を招いて行う祝賀会場として、貨物ターミナルや機械作業所、オフィスをダイニングエリアに変えました。パーティー会場には、世界各国の料理が盛りだくさん!どうぞごゆっくりお楽しみください。 東京ディズニーシー公式サイトより
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↑Pier54、54番埠頭と表記される扉

ユナイテッドスチームシップカンパニー(以下合衆国汽船)の埠頭であるニューヨーク港の54番埠頭。外壁やトイビルトロリーパークの地図で確認できるがここは史実においてキュナードのメインターミナル。
近年コロンビアの処女航海設定が薄れつつあるらしいが、本来のストーリーはコロンビアの処女航海を祝う祝賀会場でありだからこそ「船出の日=セイリングデイ」の名前を冠しているのだ。すでに現時点で1912年3月20日(コロンビア処女航海)、同年9月4日以降(タワーオブテラーホテルツアー開始)、1920年代(ビッグバンドビート)と三つの年代が同居しているのでいまさら捨てることもあるまい。

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↑『817 Acres Coast Transit Co.』より工事現場の総合案内。

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↑RipBang Studiosよりコロンビア・ボンヴォヤージュ・ブッフェのデザイン画。

なお計画及び建設中は「コロンビア・ボンヴォヤージュ・ブッフェ」であったことは建設中の写真(『817 Acres Coast Transit Co.』より『舞浜リゾート線 沿線風景の移り変わり』)やデザインに関わった事務所RipBang StudiosPDFに掲載されるデザイン画からもわかる。

・ターミナル
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入ってすぐ正面は貨物ターミナル。頭上に世界中へ送る貨物が置かれている。

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新聞大容量
↑ニューヨークグローブ通信3月20日号より『コロンビアの就航を祝うルーズヴェルト』
中央のトロッコを用いた式台ではセオドア・ルーズヴェルトが演説を行ったことがタートルトークの待機列にあるニューヨークグローブ通信で触れられている。手下達も乗らないものかね?

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↑持ち船の入出港一覧
港や船名を見てみると大西洋に留まらず上海まで足を広げたりマーク・トゥエインの本名であるサミュエル・クレメンス(東京ディズニーランドのみならずこちらにも蒸気船マーク・トゥエインがいるわけだ)がいるなどなかなか楽しい。
もちろんコロンビアの名前もある。READY TO SAIL!とは粋であるな。

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↑黒板の左にはコロンビアにちなんだ絵や図面などが飾られる。

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↑カラースキームとダイニングルームの比較。二枚ともほぼそのまま実現していることがわかる。

ここにはセイリングデイブッフェで一番注目して欲しい絵がある。それはS.S.コロンビアダイニングルーム、つまりコロンビアの一等ダイニングの「カラースキーム」だ。
カラースキームとは客船のインテリア設計に用いるデザイン画のことでありカラー写真が数少ない戦前の客船インテリアを現在に伝える貴重な資料でもある。『豪華客船インテリア画集』や横浜みなと博物館企画展図録『豪華客船インテリア画展』などの書籍にまとめられているがそんなものまで模するとはさすがはイマジニアだ!…ともかく、コロンビアの内装のデザインと聞いてアトラクションの登場人物を思い浮かべないだろうか。そう、合衆国汽船令嬢にしてホテルハイタワーのツアーを主宰するニューヨーク市保存協会会長ベアトリス・ローズ・エンディコットである。
今は亡きタワーオブテラー特設サイトtot1899.com(『それはむずかしい』より『TOT1899.comのまとめ』にログが掲載される)によれば彼女が「中央アメリカに建設中のパナマ運河を称える意味で、美しいトロピカルなイメージ」をダイニングのテーマにしてまとめたという。カラースキームは時として設計者本人が描くことを踏まえるとエンディコット女史自身によるものとも解釈できるのだ。
つまりここセイリングデイブッフェはカールッチビルと並びタワーオブテラーの関連地でもあるが、君は名前すら見かけないが一体どういうことかねニューヨークグローブ通信記者のマンフレッド・ストラング君!

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↑ダイニングの敷物とカーテンのサンプル。これもカラースキームと共に内装のデザインに用いたのだろう。

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↑現物と比べいくらかモダンに描かれるコロンビア。なんだかノルマンディ風ではある。

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↑救命艇を吊るすダビットの広告の一文"OLYMPIC & FIFANIO"に注目。実は後者のFIFANIOなるイタリアチックな船名はイマジニアのコロンビアに込めた意図を読み取れる手がかりだが…詳細は我が同人誌『合衆国汽船三軸定期船コロンビア号』にて。


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↑トイレへの通路にはコロンビアを描いた絵画が 船内階段踊り場に飾られるものよりも幾分かスマートに描かれている。
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↑絵画の反対側には埠頭で働く労働者のタイムカードなど。

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カレンダーのコロンビアは現物と比べて明らかに姿かたちが違うが、これはドイツの客船ファーターラントVaterland(1914)を引用しているからである。ドイツ船とはいっても第一次世界大戦で賠償として引き渡された後リヴァイアサンLeviathanとしてアメリカ最大客船のタイトルを50年保った経歴を持つのであながち場違いでもないが、そりゃノルマンディNormandie(1935)が登場するまで世界中のどの軍艦すら上回る巨船(トン数はコロンビアの倍以上54,282トン)だから違和感を感じてもしょうがないわな。

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↑平賀譲資料より『講演用壁掛図表:帝国巡洋戦艦及英国商船比較図』
ファーターラントの姉妹船マジェスティックMajestic(1922)と八八艦隊の比較。巡洋戦艦(いわゆる13号型、だったはず)がシルエットにすっぽり比べるほどの巨体であることが一目瞭然である。


・作業場
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右手は表にレシプロエンジンのクランクが、内部には様々な工具類やスペアパーツが置かれ一段と雑然とした作業場。『ドナルドのボードビルダー』が上演されていた頃のケープコッド・クックオフと比較しても楽しいだろう。

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埠頭に停泊する客船に荷物を積み込むベルトコンベアが頭上を通るがよくみてみると途中で明らかに詰まっている。
東京ディズニーシーのバックグラウンドストーリーといえばタワーオブテラーのようなマクロな設定(OLCの資金力を背景にしたイマジニアの良心的暴走ともいう)が有名だがこんなちょっとした作り込みにもミクロなストーリーが込められている。マーティ・スクラーの言葉を借りるならば「全てのものがストーリーを語る」のだ。


・合衆国汽船本社
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正面向かって左側の区画はコロンビアを所有する合衆国汽船の本社であり他の二箇所と違い整った内装。
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↑ホテルハイタワーはまさに目の上のたんこぶであり社長のコーネリアス・エンディコットがホテルを解体したがるのも道理という奴だ。

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↑タートルトークができるまでは園内唯一だった断面図。二本煙突なのでコロンビアの姉妹船フーサトニック?

写真21
↑三本煙突のコロンビアと比べ少々古めかしい四本煙突船はキャプションによればアメリカ海軍マウント・バーノン。
なぜ海軍の船が?と思われるだろうがこれも詳細はコロンビア本もしくは過去の記事にて。

レストランそのもの、それもコロンビアに関する部分だけでもこれだけの事柄があることがおわかりいただけただろうか。これらのような作り込みやストーリーは単なる雑学やトリビアとして、あるいは隠れミッキー探しの場としてしか扱われないが、そんな扱いがもったいないほど濃度が高いから手下のついで構わないのでこちらにも興味を持って欲しい。
2015/07/26

定点観測と時代イン

ハロウィンのかぼちゃと夏の混雑を避けるためディズニーシーに突撃。なんだかんだで久方ぶりの一人だったが目的は二つ。
まずはコンセプトアートによる定点観測。数年前に一度やってみたが今度は現地で実施してみた。
イマジニアの描く夢はかくのごとく実現せり、てな具合よ。
それにしても海外のHPには"Walt Disney Imagineering"(2010)にも見かけないコンセプトアートが山ほどアップされているが彼らのソースはどこにあるのだろうか?

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アクアスフィア。絵と同じように夕日に撮影すれば一段と素晴らしくなるだろう。Disney and Moreより

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海底二万マイルの潜水艇。それにしてももう少し立派な額縁にすべきだったと反省。Scott Sherman Designより

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CWC。件の新アトラクションは一体どうなってしまうのか。Disney and Moreより

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ハーバー。改修工事でどうなることやら心配していたがその必要もなかったようで。Disney and Moreより

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要塞。残念ながら(いや全国の保存船の末路に比べたら全くもって喜ばしいというべきか)ルネサンスが改修中だったので重ね合わせてみたりも。Disney and Moreより

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当初予定されていたディズニーシーのアイコンはアクアスフィアではなく灯台だったが実現していたらこうなったであろうの図。
このコンセプトアートはネット上(Printerestなど)では以前からToyko Disney Sea?とクエスチョンマーク付きで出回っていたがディズニーファン誌2015年3月号のデイブ・スミス氏の連載に日本語文献では初めて掲載され確定した。
『海を超える想像力』などで散々アクアスフィアの当て馬扱いしておきながらその比較対象は見せないってそりゃないぜオイ。鉄道におけるC52とC53の関係に近いように思えるがさてはて。

キャストのホスピタリティも大事なことはわかる。しかしパークそのものを創造するイマジニアリングが殆んど無視されているようで気に入らないのでこうして一人その重要性を主張しているのだ。こちらを強調してもMGMスタジオ案を拒否し海をテーマに選択、莫大な投資によりイマジニアの良心的暴走を引き起こしたOLCの功績が否定されるわけでもないのにねー。

そしてもう一つ。コンフェティに記事(『ポートの時代背景に合う服装を着て、パークを楽しむ』)を書いて1年と5ヶ月、ようやく言い出しっぺが時代インをして参りました。これでようやく堂々と正当性を主張できる。

上下は普段着だがこれに
・帽子
・サスペンダー
・懐中時計
・ショルダーバッグ
などアクセサリーを加えた結果がこれである。ぐんそうさんの出来の悪いパロディみたいなものだが、それでもこの風景の中では「いかにも、それらしく、それっぽく」なってしまうのだから流石はアメリカンウォーターフロントだ。
とにもかくも帽子は最重要なポイント。現代において帽子をかぶる習慣が廃れつつあるのでグンとそれらしくなる。
サスペンダーも時々つけているがやはり腹回りが快適。

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ビッグシティヴィークルとの一枚。
恥ずかしながらシーに5年近く通っていながら初めて乗ったのだが、これが中々楽しいアトラクションだと遅まきながら気づかされた。考えてみれば自分の楽しみ方に一番しっくり来るアトラクションじゃないか!
特に夜はネオンがきらめくブロードウェイミュージックシアターとコニーアイランドさながらの不夜城トイストーリーマニア、コロンビア と対照的に不気味な色に染まるタワーオブテラーと素晴らしい夜景が次々と飛び込むのだから乗らない手はない。

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ヴィークルのキャストさんがサスペンダーをつけていたのでご一緒に。

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ウォーターストリートのセーラーズアームズホテル前にて。「朝起きてこれからどこへ向かうのか」

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トイストーリーマニアで懐中時計で時間を確かめる。「待ち人でもいるのだろうか? 」

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コロンビアとのツーショット。コロンビアだってディズニーの創作物なのだからツーショと申しても問題なかろう!

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船首でたそがれるの図。「ははんさては待ち人来たらずか」(なるさん撮影)

せっかくその時代・世界に迷い込んだ錯覚を抱くほど作り込まれているのだからそこを歩く人が欠けているのが実に勿体無いわけで、日常のファッションの延長でもプラスアルファすればここまでそれっぽくなるのである。

今回は一人だったが、最大の問題は当たり前だが自分の写真を撮影できない点にある。これらの写真はキャストさんに撮ってもらいコロンビア船首上のも通りすがりの方に撮影を頼んだ結果なので、まあ、複数で楽しむべきである。
それに数人集まった方がきっと華やかになるだろう。ヴィークルに乗ったら楽しいだろうなあ。