2012/08/22

リトルニモについて1,概要

リトルニモという長編アニメをご存知だろうか。
小さい頃にディズニーもどきの動きをするアニメを見たというのが関の山、大体はファインディングするほうのニモを思い浮かべるだろう。
しかしこの作品は本来アニメ史に残るべきである働きをなし、しかもその肝は本編にあらず、製作過程にある点で興味深いのだ。考察はできないので羅列になってしまうがご容赦願いたい。
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メビウスによるストーリーボード タンブラーより

・関わった人物の豪華さ
まず書かなければならないのは豪華な面子であろう。
日本側には
いわずとしれた大御所の宮崎駿、
『ほたるの墓』高畑勲、
『耳をすませば』近藤喜文、
『カリオストロの城』カーチェイス原画の友永和秀、
ルパンやプラモで有名な大塚康夫
パイロットフィルムを月岡貞夫、出崎統
一方アメリカ側には
顧問として、そして日本側メンバーに講習を施したナインオールドメンのフランク・トーマス、オーリージョンストン
プロデューサーはスターウォーズのゲイリー・カーツ、
脚本をレイ・ブラッドベリ
後のディズニールネッサンス期の作品にかかわったディズニースタジオの面々
主題歌にシャーマン兄弟、
そしてフランスのバンドデシネの巨匠メビウス
ここまで豪華な面子が一堂に揃うことは無いといっていいだろう。ただし後者二人は休止後に参加したので日本側の大部分とは直接的な交わりは無いが。

・影響の大きさ
面子が豪華ならば影響も大きい。
カリオストロの制作会社であるテレコムは日米合作による大作のために設立された会社でありリトルニモの準備として作成されたのが『カリオストロ』や『じゃりん子ちえ』といった作品である。
また宮崎駿は当初から原作のストーリーの弱さを指摘し逆にに制作候補を掲示したがその中に後のもののけ姫やナウシカの原型も含まれている。
結果としてジブリ作品もろもろを生み出すきっかけとなったといってもいいだろう。
制作当時日本製アニメは存在すら知られておらず宣伝としてカリオストロをアニメ関係者に見せていたので必然的にアニメータたちにおけるカリオストロ、ひいては宮崎駿の知名度の向上になった。『名探偵ホームズ』もこの上映会によって話がまとまった経緯がある。
ジブリとピクサーの縁もリトルニモが原因だ。先の宣伝による上映会がディズニー社でも行われたがここで当時新人のジョン・ラセターやブラッド・バードといったA119組と知り合い20年以上にわたる交流のきっかけとなったのだ。
現在迷走して評判がいまいちなラセターであるが千と千尋の神隠しの全米公開とそれに続くアカデミー賞受賞には彼の尽力を軽視はできない。
そしてフランクとオーリーは日本側の面々にアメリカ流作画の講習会を開いて教えている。『生命を吹き込む魔法』の日本語訳監修を高畑と大塚が務めたことやジアートオブ~が徳間から出版されているのはこれが発端である。
つまるところ日米アニメ、特に相反すると思われているジブリとディズニー・ピクサーがたとえ一瞬でもリトルニモをきっかけに交じり合っていたのだ。

これだけの面子と影響がありながら半分はゲイリー・カーツ、もう半分は船頭多くしてryが原因の莫大な出費と長期間にわたるグダグダによって記録的な大失敗に終わったことにより本作はかろうじて「ディズニーっぽい子供向け作品」として記憶されるに留まっている。
しかしここに書いたような本編以外のあらゆる点は注目に値する作品といっても過言ではない。とはいってもマイナーの上に黒歴史であるがゆえ言及する書籍は少ない。
そこで簡単に読める日本語資料資料(つまりまとめられるほど資料が少ないと表現できるほど少ない)のまとめとして人物、年表、影響に分割して記してゆく。

…今までのジャンルと離れているように思われるが結局関係しているわけですよ。
それと自分以外が触れていないことを見る限り自分の勝手な思い込みである確率が相当あるのでそうではないと祈るしかないわけですがそれは置いとくことにしますともええ。
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