2014/06/30

浅間丸の「マイナスポイント(?)」

戦前日本の客船黄金時代を代表するフネといえば間違いなく浅間丸だろう。自分だってまず思い浮かべるし人気具合は船舶画家野上隼夫氏への発注数が氷川丸や飛鳥などを押さえダントツということからも窺えよう。しかしその一方山高五郎『日の丸船隊史話』「事前の掛け声が大きかった割には実現した結果がその前触れほどではなかった」や石渡幸二『あの船この船』「事前の掛け声が大変なものであったわりには出来上がった船は期待したほど大層な物ではなかった」などちょいと辛口な評価もあるのであえてマイナスポイントについて考えてみる。全面的な否定ではないのでそこんとこ了承してね。

・「前評判ほどではない」
浅間丸は日本郵船が東洋汽船を合併して当時老朽化していた天洋丸の代船として太平洋では20年ぶりの客船であり『日の丸船隊史話』では「その頃誰言うなしにスーパーエンプレス級の豪華船ができると噂が流れ出した。少し話が大きすぎるにしても誰しも当然そうであって欲しいと期待したのであり果たして事実かなと喜んだり疑ったりした」ほど期待が相当高まったと言われている。
建造前のライバルと比較してみると以下の通りであり「スーパーエンプレス級」とはつまり20000トン、20ノット以上を意味するのでそれじゃあ17,000トンのディーゼル船にがっかりするのも無理はない。
浅間丸(1929) 16,947トン 20ノット ディーゼル
エンプレスオブカナダ(1922) 21,517トン 18ノット タービン
さらに翌年以降には
エンプレスオブジャパン 26,032トン 23ノット タービン 1930年
プレシデントフーバー 21,936トン 22ノット ターボエレクトリック 1931年
と浅間丸を上回る客船が次々と登場しており、規模や内装を比べるとジャパンに「太平洋の女王」の座を禅譲したと言える。ブルーリボンのように明確な基準があるわけではないがライバルを無視することはできまい。
となると一体どれだけ盛り上がったか気になるところではあるが、先の回想や「優秀船」と言う言葉の流行、船長やベーカーなど乗務員を欧州の船会社に派遣し研修させたらキュナードなどはあまりに大勢だったので驚き「新造船は一体何トンだ」「16,000トンだ」「そんな小さな船はうちにいない」とのやりとりなどから察するしかない。

・「これが国産の優秀船と言えますかね」
1920年代の終わりにもなって船内装飾から艤装、浅間丸はエンジンまですべて輸入し船体ぐらいしか国産ではなく秩父丸の工事が完成し船内を公開した際「これが国産の優秀船と言えますかね」と皮肉られたほどだったがなぜか。端的に申せば国産製品の信頼性に原因があるからだ。戦前において和製と言えば劣等品の代名詞と和辻博士が言い切っているほど当時の国産製品の信頼性は低かったからである。鉄道でも雨宮など日本のメーカーを押さえコッペルが「オーレンシュタイン犬の糞」と揶揄されるほど全国各地に見られたのと同じ理由で、高くても結果的に安上がりになるというわけだ。
質だけでなく実力の問題もある。浅間丸の後一回り小型の氷川丸でデザインコンペを実施したが我々にも参加させろと迫った国内業者たちはほとんど期日までに用意できず間に合った案も適合しないのでフランスのマークシモン社から輸入し国産の日枝丸もイギリスのヒートンダブ社からデザインを購入して仕立て上げたように、客船一隻全体を手がけるまでまだ実力・経験が足らなかった。
そのような実情があったにせよ当時の国産製品を推奨する風潮に逆らってまで質を重視して国家の象徴、国土の延長線と言えるフラッグシップを輸入品で構成した点が当時受け入れられるものではなかったと考えられる。
風立ちぬの「これが国産エンジンだ!」やバックトゥザフューチャーの「道理で壊れるわけだ。日本製だとさ」から「何言ってるんだよドク、日本の製品はみんな最高だよ」までまだまだかかるのであり、このような状況で海外船に勝負するには同じ土俵を用意するしかないのが現実ではあるのだが…

・しょうがないけれども……
まとめると「前評判に負ける」「1930年代近くになっていまだ輸入品」ここらへんが浅間丸のマイナスポイントと言える。
太平洋と大西洋は一概に比較できないから置いとくとしても同じ航路のライバルに比較しても控えめだったのは日本船に客船としての需要が少なかったからだ。一等客のほとんどが大陸と向かう外国人で日本人はせいぜい外交官程度なので一等は少なく三等が多いピラミッド型の構成にせざるを得ずしかもターゲットの趣向に合わせるとなると内装は自然と欧米の模擬になる。オールレッドルートを担うカナディアンパシフィックと8割補助を繰り出す政府をバックに膨張するダラーズラインに対抗するには少々小粒かつ輸入しかないわけで、だからこそ料理や接客などサービスに力を入れ(手元に無いのであいまいだが)内田百閒『新田丸問答』いわくの「郵船式錬金術で外貨を稼ぎ出」したわけであり、劣勢だったからこそ今日まで語り継がれる最大の特徴が発展したとも言える。それに「国辱船」呼ばわりはさすがに行き過ぎにしても国威発揚の場であるフラッグシップが西洋の様式だけでなく輸入とは何事だということで現代日本様式ガ生まれるきっかけでもあるから何も悪いことばかりではないのだ。
ただ何かと比較される天洋丸の場合ほぼ輸入なのは変わりないがライバルたるパシフィックメイルのモンゴリアと比較してみてもほぼ同じ大きさな上内装は当時最新のアールヌーボー、エンジンはルシタニアやカーマニア登場から間もないタービン、しかも重油専燃であった(直後に石炭焚きに戻るが)ことを考えると浅間丸はだいぶ保守的に見えてしまう。その天洋丸だって直結タービンだから燃費は悪いしイギリスへの見積もりと比べたらかなり高い上工期も長いから100パーセント肯定するわけにもいかないが、浅間丸がライバルと比較して控えめだったことは事実だし堅実な郵船らしいといえばらしいが天洋丸の飛躍に比べると物足りないのもまた事実だ。
先に挙げたように当時の事情から理解できるが震災前には郵船側から2万トン級を提案したこともあるじゃないかと欲を言いたくなるのがヲタクの心情と言う奴。まあ比較対象の天洋丸は発案者の浅野総一郎が破天荒な上「痛々しいほどの無理をして」まで運航したのだから比較するほうが悪いとも言えるが、だからこそ浅間丸が控えめに見えてしまうしつい茶々を入れたくなるのよ。好きだからといってマイナスを見ないふりをしてすべて賞賛しなければならないわけでもあるまいし、このぐらいいいんじゃないのかな。
しかし「頑張ったからいいじゃないか」なんて某国鉄蒸機方面でよく聞くセリフを見かけたのは意外。客船は競争事業なのだから比較しなければ始まらないしそれを言ってしまったら郵船式おもてなしの意義すら否定してしまうやろ……
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2014/06/10

ディズニーの同人誌は本当に危ないのか?

※2015年10月
全面的に改訂。以前の記事は追記に移動。
お手数だがソースとして掲げるリンク先を必ず一読して欲しい。どれもググればすぐ引っかかることばかりだが誰も見向きもしないからこうしてまとめたのであり、それを読まないで「ディズニーは危ない」と騒がれても反応に困る。
2016年3月更新
「コミケはディズニー同人誌の頒布を禁止している」とする風説について
コミケの同人誌及びなぜディズニーを畏怖する風潮が消えないかについては上記の記事にて。
2016年10月更新
ズートピア関連の事項や筆者のコミケ90への参加、組合の自主規制についてなど追加。
2017年5月更新
同人界隈におけるディズニー忌避風潮1:組合と印刷所の自主規制
なぜ忌避風潮が定着したのか?という点については上記記事を参照。本記事の全面改定版とも言えるが、ここで挙げた事柄を省略している部分もあるので一応両方に目を通してもらえるとありがたい。


本記事の要点
・ディズニー公式がファン活動としての同人誌及び二次創作を訴えた、もしくは明確に禁止した事実は無い。
・ほとんどの企業と同じく二次創作についてのガイドラインは存在しないが、コミケへの企業参加や二次創作の取り込みなど動向を見る限り明らかに黙認寄りと見られる。
・「アナ雪ブームの盛り上がりを見て公式が取締りを緩くした」ではなく「同人業界(ここが重要。ディズニーオタなどに限った話ではない)が一丸となってデマにデマを重ね『二次創作物を著作権を侵害するものと明確に見なして法的手段を駆使して積極的な規制を公然と行なっている企業』という虚像を作り上げて勝手に怯えていた空気が変化した」が正しい。
・確かな根拠も無く憶測とデマを広め「ディズニーの同人誌は危ない」と主張して頒布を止めさせようとする手合い(通称ディズニー自警団)の言い分は聞き入れる必要性が全く無い戯言である。
・印刷所への入稿(危ないとする根拠として挙げられる日本同人誌印刷業組合の自主規制は形骸化している)、即売会における頒布(コミケが禁止した事実は存在しない)、通販サイトへの委託(とらのあな、コミックZIN、アリスブックス等)が可能ということは普通のジャンルと何も変わるところはない。
・よってディズニーの同人誌は「ファン活動としての範疇に収まる限りは」可能である。なお、もしも本記事を読んで新しく始める方がいらしたら同人活動についてご自身でお調べすることを強くおすすめする。「何をやっても許される無法地帯 」ではむろん無いからだ。
・そもそも本記事以前からディズニーの同人誌は存在しており、絶対に有り得ないとする一部の言説はまったくの間違い。
・本記事は以上について、ソースを提示しない「~だった気がする」「~と聞いた」「~なはず」ではなく確固たる根拠を持って説く。
・とは言ってもわざわざこんな長文を書かなくても一般人向けでは無断転載botが、男性向けでは「夢の国チキンレース」が、女性向けでは「ネズミーのかわいい衣装を着せてみたパロディ」がいくら世の中に溢れかえっても消されない事実から彼ら自身で「ディズニーに消される」は間違いと証明済みのはずだが。
・なお同様の自粛風潮は確かに女性向けジャンルで多いが、男性向けでもヒーローマンなどで発生しているので「男性向けジャンルで過剰な圧力による自粛はありえない」は間違いである。

前置き―矛盾に満ちた自警団

コミケなど即売会では同人誌の無いジャンルは無いほどだがネットにおいてディズニーに関しては絶対に関わってはいけないタブーとされ同人誌は存在しないことになっている。

二次創作はグレーゾーンか? 「公式への問い合わせ」の是非 - Togetterまとめ  
↑刀剣乱舞に関する学級会だが「二次創作の中で割りとよく知られているかもしれませんが、ディズニーの二次創作はご法度です」と突然ディズニーを引き合いに出している。参考として現時点より曖昧な記述である2011年版のPixiv大百科をわざわざ提示するので意図的な情報操作としか思えない。

関係ない二次創作界隈の学級会でもディズニーを明確に禁止する事例として引用するなど恐怖の大魔王そこのけの扱いだが、そこまで言うならしかるべき根拠を示しても構わないだろうに自警団を含めだれも明確なソースを提示した試しがない。それは当然だ。そもそも明確に禁止しておらず筆者を初めとして、いや筆者以前からディズニーの同人誌は存在するのだから。

花鳥風月
↑マナ-サイトの一例。「ディズニーには関わらない」と強く否定する。昔の記述だから仕方がない面もあるがコミケへの企業参加など本記事で挙げるまだ「危ない」と言えるのか、そもそも「海外だから危険」は偏見では無いのかなど疑問点は多い。なおディズニーと共に禁止する厳しい例として挙げられるハリーポッターも実際は正反対の状況であるようだ(BBC NEWS _ Entertainment _ Rowling backs Potter fan fiction)
■警告・告訴になった例 - 【実は危険な同人グッズ】~模倣品・海賊版?~
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↑警告・告訴になった事例を挙げるといいながら「初心者の炎上を防ぐため」と称して「ディズニーは落書き程度でも二次創作で配布する全てを許していない」をトップに持ってきていたマナーサイト。修正後は「ネット上のファンアートであれば問題がないと思われています」と付け加えられたがそれも憶測でしかなく妥当ではない。そこまで言い切るのならしかるべき出典をだすべきである。

実際のところ最大の障害はディズニーそのものではなく周囲の空気にある。マナーサイトなどは昔から積極的に「ディズニーは危ない」と注意喚起し二次創作界隈の改めて調べるまでもない常識・暗黙の了解として定着しており、不運にも見つかった場合は村八分の勢いで責め立てられ中止に追い込まれる。

 
ディズニーの同人誌を公開することは本当に危険なのか?
↑2015年1月に発生したベイマックスとタイバニのダブルパロディ本が自主回収を迫られた事例。タイバニジャンルの人が「ジャンルまで被害が及ぶから止めろ」と動いた模様。本件がディズニーの同人誌に関する議論の直接的な火種となった。

ディズニーの二次創作を止めさせようとする人たち―ディズニーを畏怖する風潮はなぜ消えないのか? - Togetterまとめ
↑2016年3月の事例。本件はネットWatch板と大差無い炎上屋や愚痴アカが他人を叩く棍棒としてディズニーを用いたのが実情である。

キャプチャ18

無題

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↑ディズニー自警団の事例。18禁ばかりではなく普通の同人誌ですら「危ないから止めろ」と叩かれている。
なおここではあくまで事例として挙げたにすぎず、彼らの言動に正当性は無くそもそもかち合う可能性もかなり低いのでこれから活動しようとする方が萎縮される必要は無い。

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↑実際に動かずとも自粛を呼びかける彼らもまたディズニー自警団の一種。碌に調べもしないまま憶測とデマを散々広めた挙句「リツイートされすぎて怖くなったから」と訂正もせずに消して「ディズニーは危ないという『事実』」を再認識した空気のみ残るのが常であることを考えれば実力行使に出る層とどっこいどっこいの悪質さであろう(いやそこまで言わしめる『空気』こそ諸悪の根源か?)。ちなみに筆者は数回彼ら自警団にそのような話を広める根拠を問い合わせたが誰も根拠を示したことは無い。

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↑セックスだの性欲処理だの日常的に変態ツイートを発信する人が「極普通に作品を親しんできた人達(特に子供)の視界に入るような事があればどう責任取るつもりなのか(原文ママ)」と同人誌を危険視する事例。個人の好き嫌いならばともかくこれでは筋が通らない。2013年8月の事例でもそうだったが、全世界の人々が閲覧できるインターネット上に「ディズニーの衣装を着せてみたパロディ」やこの類のツイートを置いておきながら「同人誌が他人の目に入ったらどうする」と危惧する人が非常に多い。あなたの目の前の箱は一体何だと思っているのだ。

ディズニーに関係する同人誌を出そうとした方が自主規制を強要された事例は現在TwitterとPixivでログが残るだけでも2013年から数えて5件。ディズニー同人誌の総数に比べれば微々たるものだが彼らのジャンルはディズニーそのものだけではなくディズニーに比較的近いはずの洋画、ダブルパロディ(ある作品のキャラを別の作品のキャラに置き換えるパロディ)の相手ジャンルであるタイバニや刀剣乱舞などまで広がる。さらに同人誌に留まらずPixivの企画ですら中止に追い込まれたがこれはログが残っていないため取り上げられない。

「他のジャンルは大丈夫だがディズニーは二次創作と同人を認めないからダメだ」「ディズニーのイメージが壊される」「関わったら自分たちのジャンルが潰される」「暗黙の了解、タブーを犯している」「第三者の目に入りやすいから絶対に止めろ」と同人誌の作者に中止を迫る主張は共通しているが、彼ら自身は全国的に知名度のある少年漫画あるいはサンライズや講談社など公式が禁止を明言するジャンルの人であり、しかもネットで全世界に二次創作を発信するとなれば同人誌以上に「イメージを壊している」ように見受けられるからディズニーのみに関してことさら騒ぎ立てるのはおかしく見える。そこまでディズニーのみを危険視する理由はどこにあるのだろうか?
積極的に根拠の無い注意喚起を行い同人誌の作者に自粛を強要する彼らを筆者は架空の東方警察とデマに乗って虐殺を引き起こした関東大震災の自警団にちなんでディズニー自警団と呼び表すが、本記事では自警団の主張する「ディズニーの危険性」についてなるべく根拠を掲示しつつ最大の原因は彼ら自警団自身、それに留まらず同人業界そのものによるマッチポンプであることを示す。根拠の無い伝言ゲームを繰り返して実体の無い虚像を作り上げるのはこれっきりにして欲しいものである。


公式の見解と海外の状況
上海アリス幻樂団創作物の二次創作・使用関連ページ
↑ほぼ完全に認める事例。
著作物に関するQ&A‐カプコン
著作物転載ガイドライン‐ニトロプラス
↑非営利の条件付きで認める事例。
著作権・画像使用等について‐講談社 
ファンの皆様へ‐サンライズ
↑明確に認めない事例。

同人や二次創作に関するガイドラインを設ける企業は講談社やサンライズなど明確に禁止する企業もいくらかある。「ディズニーは禁止している」ならばガイドラインや規約でその旨を記しているはずだがウォルトディズニーカンパニー、ウォルトディズニージャパン、オリエンタルランドは一切言及無し。禁止も公認もしていない点ではほとんどの企業と変わりない。


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↑「規約」を流布した本人は訂正もせずツイート(左の非公式リツイート先がそれ)を消された模様。根拠無き伝言ゲームをますます混迷化させるいつものパターンである。

なお一時期Twitterで流れた規約(利用規約|ディズニー|Disney.jp|)は「Disneyサービス」に関するものであり、特に取り上げられる「3.お客様のコンテンツとアカウント ユーザー作成コンテンツ」はこの件にそのまま適用できるわけではない(これで『同人を禁止している』とするならば全ての企業も同様に禁止を明言していることになるはず)。
一部でささやかれる「イメージを落とさない類ならば認められる」に関しても、どう贔屓目に見てもイメージを汚している変態ウッディやプニキ、『夢の国チキンレース』系イラストがそのまま残る時点で説得力の無い俗説である。個人的に変態ウッディは面白いと思うけどね。

芳文社や小学館などの二次創作禁止(?)ガイドラインの真相について、出版社の中の人が解説してくれました。- Togetterまとめ
↑禁止事項は同人誌に関しては程度問題に集約されるとの記述。

ちなみに明確に二次創作を禁止するサンライズはガンダムやタイバニなど人気ジャンルを抱えており自警団もここで同人活動を行っているが彼ら自身は大丈夫だろうか?「ディズニーに関わったら自分たちのジャンルが潰される」と心配する前にまず自身が「潰される」はずだが。

キャプチャ合体
↑1月の騒動時に見かけたタイバニジャンル(黒)と別の方(赤)のやりとり。延々と続く「(禁止している)サンライズはお目こぼしを頂くから構わないが(明言していない)ディズニーは絶対にダメ」のやり取りはいろいろと考えさせられる。

ポケモン同人誌事件の情報ソースについて - Togetterまとめ
↑ポケモン事件のまとめ。

ラブプラスのコナミが訴えた二次創作の「著作権侵害」事例‐esu-kei_text 
そうでもなかったよ?‐今日の言わせれ
↑『ときめきメモリアルを題材にした18禁同人アニメ『どきどきイマジネーション』に関するまとめ。

「封印されたミッキーマウス」を読みました‐ReadMe!Girls!の日記・雑記 
↑コメント欄では2003年にポケモンのファンサイトを開設したところ小プロから警告のメールが来たとの証言がある。「○ケモンビジネスの破壊行為」「一週間以内にデリートしないと法的処置をとる」はなかなか強烈。

艦これ、コスプレROM販売禁止騒動から続く、同人活動についておさらい - Togetterまとめ
↑艦これの18禁コスプレROMが公式からの通告で販売中止になった事例。これをもって「艦これの同人は危ないから止めろ!」と叫ぶ人はいないのにどうしてディズニーの場合は同じような理屈がまかり通っているのだろうか?

パレードは“著作物”――東京ディズニーリゾートのパレードを収録したDVDを無断販売したグループが著作権法違反容疑で逮捕される-dpst.jp
パークショーDVDを販売していた2グループが逮捕‐舞浜狂 
↑ディズニーの著作権関連で実際に逮捕者が出た事例。他ジャンルで例えるなら「アニメ本編の違法DVDで丸儲け」なので逮捕されるのも当たり前だ。

もしも実際に訴えたならば任天堂やコナミのようにしかるべき記録が存在してもおかしくないが筆者が調べた限りディズニーがファン活動としての同人誌を訴えた事例は存在せず自警団がソースとして提示したことも無い。そう、自警団ばかりかディズニーは危ないと呟く人も「聞いたことがある」「だったはず」「と思う」ばかりで具体的な根拠を挙げたことは一度も無くあたかも「根拠を求めること自体間違っている常識」と言わんばかりの態度なのだ。



【裁判】チャップリン映画のDVD販売は著作権侵害 | 著作権・契約書作成なら藤枝法務事務所


『ローマの休日』はOKなのに『生きる』はNG、廉価DVDの東京地裁判決 - 街の灯

ミッキーマウスの前身であるオズワルドの権利が奪われた事件を同人誌を許容しない原因として引き合いに出すことが多いが、それはディズニーが著作権に厳しい理由であり本件に関する直接的な理由としてはピントがずれている。逆に言えば他の企業は「著作権に厳しくないから大丈夫」とでも言いたいのだろうか?
おそらく検索で上位に来るNaverまとめを見て知ったのだろうがせめてウォルト・ディズニーに権利保持の重要さを説いたキャラクタービジネスの先駆者チャップリンの影響を挙げて欲しいものだ。ちなみにチャップリン作品は黒澤明と共に廉価版パブリックドメインDVDの販売差止め裁判が行われているので、販売会社が事前に問い合わせても否定しなかったディズニー(安藤健二『ミッキーマウスはなぜ消されたのか』)よりよほど「著作権に厳しい」がこちらは全く話題にならない。


未来を見るディズニーCEO‐アニメ!アニメ!ビズ
 
2006年7月22日日本経済新聞朝刊における現ディズニーCEOボブ・アイガーへのインタビューは注目に値する。なぜならば「誰もがコンテンツを楽しみ自由に創造活動が出来るように、コピーや(パロディなどの)二次利用に対する制限を今より柔軟にすべきだろう」と先のTogetterまとめと同じような発言を、それも何年も前に会社のトップがしているからだ。

『ミッキーマウスを殴り倒したゲーム作者「600万円で起訴」』はディズニーを騙る詐欺でした - Togetterまとめ
↑フリーゲームの制作者自身によるまとめ。

2012年にミッキーの首をはねる描写があるフリーゲーム『ハナコ』制作者の元にゲームの制作中止と名誉毀損のかどで600万円の賠償金を請求するメールが届いたが制作者によれば「ディズニー関係者」と連絡を取ったところ本件に関してノータッチだったとのこと。ディズニーを忌避する空気を利用した恫喝、詐欺、悪質ないたずらに過ぎないがそれでも「ディズニーがフリーゲームに警告を送った」とされるのは解せない。
実際には後に挙げるようにまず内容証明が届くのでメールが来てもあたふたしないように。


ディズニーがコミケにやってきた! 「エンダーのゲーム」PRで吹き替え声優も来場‐ねとらぼ

2013年コミケに実写映画『エンダーのゲーム』の宣伝でコミケにウォルトディズニージャパンが企業参加したが「著作権ヤクザが何をのこのこと」とフリーゲームの騒動と同じく散々な評判でありアニメ作品に関する出展ではなかったからかその後思い出されることもあまり無い。しかし同人誌をまったく認めない企業ならばあり得ない行為であることは間違いない。

‘Frozen’ Director Debunks Major Disney Conspiracy Theory
「アナと雪の女王」のアナとエルサはターザンのお姉さん!?‐ねとらぼ
↑日本ではターザンに関する部分だけが注目されるが原文の趣旨は監督の発言「異なる作品を結びたければそうすればいい。それがディズニーの精神だ」にあるかと。
海外ではdeviant ArtやTumblrを見れば一目瞭然だがもちろん「ディズニーだから危ない」なんて意識は存在せず二次創作ががんがん投稿されている。近年はアナ雪のエルサと『ガーディアンズ』のジャックフロストを組み合わせた非公式カップリングの「ジャエル(英語表記はJelsa)」が人気を博し、さらにラプンツェルと『ヒックとドラゴン』のヒックも組み合わせるまで発展しており、アナ雪の共同監督も海外の二次創作界隈に対応する発言を行うほどだ。

Question of the Week - Disney Animators
ディズニーアニメーターの非公式フェイスブックで開かれるQ&Aでは「エルサとジャックは違うスタジオのキャラだけどお似合いのカップルだから公式で共演できない?」 との問いに対してビジネスの壁を理由に挙げて「『ロジャーラビット』『シュガーラッシュ』のようなカメオならばあるが本格的な共演は無理」と答えながらも冒頭でファンサイトに言及しており明らかにジャエルを知っている口調で。そりゃまあネットで全世界に発信したからには知らないはずは無いので当たり前ではあるが、無論公式ではないもののアニメーターとして言及した事実には変わらない。

「Star vs. the Forces of Evil」放送開始でファンアート特集?‐ReadMe!Girls!の日記・雑記

Act Your Age - Phineas and Ferb Wiki - Wikia
↑フィニアスとファーブ最終回"Act Your Age"(邦題:もう子供じゃいられない)
Quick mention about the PnF Panel guys! by KicsterAsh on DeviantArt
↑作者のAshley氏による解説。

deviant Artに投稿されたディズニーチャンネルのアニメ『スターバタフライ』のイラストを公式が作者に許可を取って宣伝に用いた。『フィニアスとファーブ』の本編でキャラクターデザインに二次創作を取り入れるなどハードルが一段と低い傾向はあるがそれでもPixivでイラストコンテストを開催するようなものでありこれでもまだ「ディズニーに見つかったら消される」は正しいと主張できるだろうか?

ales from the Haunted Mansion-DoomBuggies
マダム・レオタって何者?―ホーンテッドマンション研究 _ ディズニーランド攻略.com
↑DoomBuggiesによる非公式ストーリーの解説とその紹介記事。

二次創作の取り込みといえばディズニーランドの人気アトラクションホーンテッドマンションも同様に行っている。 有名な「バックグラウンドストーリー」が上記で語られるようにキャストの創作であり非公式だとは逆に知られているが、実のところ館内のゴーストもマダムレオタとピックウィック以外名前すら持たず(ジェイソン・サーレル『メイキングオブホーンテッドマンション』によればアトラクション建設時の資料で正式名称を確認できるのはこの二人のみ)、現在様々な呼び名があるのはファンの間で作られたストーリーが逆輸入された結果である。


 

↑2014年の百合オンリーでアナ雪が一大勢力を誇ったとの証言。
冰雪奇緣 - 同人誌搜尋 - 台灣同人誌中心
↑台湾の通販サイト『台湾同人中心』ではアナ雪の同人誌が約30件検索結果としてひっかかる。
RDJism (Movies Carnival 3 Poster 21_06_15 Western Movies...)
↑Movies Carnival 3のポスター。左上にベイマックスとヒロ、右下にエルサとジャックが描かれている。



↑洋画オンリー“Movies Carnival 3”の配置表。6段目に注目。

アメリカ以外の国を見ると、日本に近い台湾ではディズニーの同人誌が盛んにやりとりされタイで開かれた洋画オンリー “Movies Carnival 3”ではベイマックスとアナ雪が結構スペースを取っているのを確認できる。正確な当地の空気はわからないが少なくともディズニーの同人誌を出したからとって自警団が攻め寄せてくる風潮では無さそうだ。




BrianKesinger (Brian Kesinger) - DeviantArt
↑スチームパンク方面で有名なディズニーのアーティストBrian Kesinger氏のDviant Art。ベイマックスのイラストやエルサのコラなどが見られる。本国ディズニーギャラリーの企画展メカニカルキングダムでは彼のイラストが販売される。

Comic Con Commissions! ‐Art of Victoria Ying
↑ディズニーのアーティスト、ヴィクトリア・インVictoria Yingによる2012年commissionの告知。
「ネット上の二次創作なら見逃されるが金銭が絡むと容赦しない」との声もディズニーのアーティストがコミコンComic Conなどのイベントでcommissionと呼ばれる有料のリクエストを実施している事実から反論できる。日本で例えるならアニメーターが自身の参加作品の同人誌を出すような物であろう。


My Junk Drawer
↑Amy Mebberson氏のタンブラー。見かけた方も多いだろう。
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PREVIEWSworld - DISNEY PRINCESS #1
↑Disney Comicsから出版予定の"DISNEY PRINCESS COMIC"。ネットで展開中の" Pocket Princesses"シリーズをまとめたもの。
さらに上記のように積極的に二次創作の公式への取り込みすら行っているということはつまりコミケへの企業参加と併せて「ディズニーが角川みたいなことをやってる!」とも言えるわけで、公式が二次創作に対してどのようなスタンスであるか一目瞭然である。












そしてズートピアのリッチ・ムーア、バイロン・ハワード両監督が普通のイラストから擬人化、カップリングまでガンガン紹介する様子を見れば「公式にバレたら危ない止めろ消される」いかに馬鹿げているか、すぐにわかるはずだ。









↑「この二人のカップリング("ship")が人気だけど何か名前ありません?」「うーん、ラリーかな?"ゲイリー&ラリー"の語感が好きなんだ。どう思う?」「ラリー!それでいこう!」
ファンと監督たちのモブの名前に関するやりとり。ここまでくると逆に海外の方がゆるく見える。



↑ディズニー公式アカウントによるQ&Aでファンアートについての質問に答える監督たち。ファンアート大歓迎と明言して絵を送られるとコメントを返している様子からは「ファンアートでも訴えられる」ことは絶対にありえないと言える。

「前例」
ディズニーが訴えた前例としてよく取り上げられる「アメリカで実際に訴えられた同人誌」と「小学校のプールに描いた絵」の二件は確かに事実だが調べてみると単純に二次創作・同人誌の事例としては扱えないことがわかる。

Disney vs the Air Pirates 
【閲覧注意】ミッキーマウスのエロ同人誌! ダン・オニール『エアー・パイレーツ・ファニーズ』について - Togetterまとめ 
ディズニーに訴えられた男‐ReadMe!Girls!の日記・雑記

1971年に出版されたダン・オニールのエアパイレーツは「アメリカで実際に訴えられた同人誌」としてたびたび話題にあがるが、カウンターカルチャー全盛期に初めから訴訟を目的とした挑発行為であり現代のファン活動としての同人誌に関する事例として持ち出すには不適当である。むしろここまでされて訴訟しない企業はあるのだろうか?

安藤健二『ミッキーマウスはなぜ消されたか---核兵器からタイタニックまで封印された10のエピソード』河出書房新社
★プールのミッキーが消された真相を調べてみました♪ カモさんの立体写真so-net館
プール絵読売新聞朝刊
↑ネットで普通出回る記事(1987年7月10日産経新聞(東京版)夕刊)ではなく1987年3月13日読売新聞(滋賀版)朝刊より。地方版とはいえ全国紙に掲載されたことからのちの騒ぎに発展したと考えられ、実のところアフィブログのマッチポンプと大差ない。

1987年滋賀県の小学校のプールに描かれた絵が消された事件は事例として特に有名だろう。公共の施設に無許可で描かれた絵、特に恒常的に残ること地方版とはいえ全国紙に掲載されたことがディズニー側も無視できなかったと受け取るのが妥当だが、当時メディアが「高圧的なディズニーと哀れな小学校」の構図で煽ったことから海外は厳しいとの偏見が定着したと共に「子供の絵でも消される」俗説の大元になったと考えられる。
なぜここまで一見厳しい態度を取ったのか。東京ディズニーランド開園の1983年前後に雨後の筍のように出現した海賊版を一掃するべく努力していたからだが、ネットではまったく見かけないので東京ディズニーランド開園をディズニー側から書いた『TDL大成功の真相』から当時の様子を引用する。

開園の頃から、早速深刻な問題に見舞われる。当時はまだディズニーランドの傍まで電車が乗り入れておらず、地下鉄東西線が唯一の公共交通だった。その地下鉄の浦安駅からTDLへつながるバスターミナルまで、そしてTDLの駐車場の周辺にかけて縁日の出店のような簡易商店がにょきにょきと現れてはまがい物のミッキーマウスやTシャツなどの販売を始めたのである。 TDL側は浦安警察署に取締りを要請したがなかなか埒が明かない。(中略)しかしディズニー側は後には退かなかった。彼らは法を破っているんだ。それを取り締まらないでいられようかと言う立場を貫き施設の部隊を編成、違法者の一掃に踏み切った。
彼らの車のナンバープレートを控えそこから名前を割り出し彼らがそうした品物を仕入れるために使用している請求書とか納品書といった書類を収集した。そしてこれらの証拠を元に製造元を割り出し弁護士を通してこれ以上このような行為を続けると著作権侵害の罪で訴訟を起こす旨通告し、なんとか彼らを根絶やしにしたのである。
その後も常に調査員が町に出て、似たようなケースが起きた場合にはそれらの商品を購入し写真を撮り追跡した。我々は断固とした処置をとるということを相手にわからせなければならないのだ。(中略)
その他、例えばミッキーマウスのマークをデザインした喫茶店などへも出向きオーナーにあなたのやっていることは違法ですよと説明する作業等も根気よく続けられた。     ダグラス・リップ『TDL大成功の真相』NTT出版



以上見るように日本がまだパクリ大国の面影を残していた時代における「原著作物の収益性に影響する」営利活動の摘発事例が「ディズニーに消される」とする俗説の元ネタであり小学校もその余波をかぶった事例なので、これら二件を「ディズニーは実際に同人や二次創作を潰したから危ない」とする直接的な根拠として用いることはできない。



二次創作

2015年秋イベントのアトモス『ヴィランズ・ハロウィーン・パーティー』に出てくるヴィランズの手下は学級会を誘発させるほど二次創作界隈にウケがよいがディズニーが二次創作界隈で盛り上がりを見せるのは今に始まった話ではないので二次創作に関する流れもまとめる。 
もちろん2000年代からディズニーの二次創作を取り扱うホームページは存在したが後に述べるキングダムハーツの自主規制の余波でホームページも伏字や鍵で対応するのが標準の空気になっていた。ところが当時から鍵をかけないサイトは存在しながらもディズニー公式がそういったファンサイトを消したということはない。
対象も映画作品が主であり東京ディズニーリゾートの人間キャラやダンサーはおまけ程度の扱いだったがイラスト投稿SNS 、Pxivの台頭により状況が変化した。

pixivではディズニー系のファンアートは不可―カートゥーン好きのタワゴト
その他いろいろ, ◎削除報告メール
↑イラストを削除された作者による記述。問い合わせに対するPixiv事務局からの返答は「ディズニーに関する作品は基本的にすべて削除しております」とかなり強い調子。

 
↑2008年に投稿されたディズニーイラストの一例。単なる模写だが『夢の国チキンレース参加者』『作者は命知らず』タグが追加されている。

現在Pixivでは盛んにディズニーのイラストが投稿されているが開設された2007年から数年間ミッキーマウスなど知名度のあるキャラクターイラストを削除していた。もしも本当に「子供が描いた絵でも消される」ならば何万件も投稿されるなら海外のdeviant Artが真っ先に消滅するはずなので明らかに過剰な自主規制だったが、ディズニーをホームページ同様に忌避する空気が醸し出されサウスパークやディズマランドなどのノリでネタにする『夢の国チキンレース参加者』『作者は命知らず』タグがそのような要素がまったく無いまじめなイラストにも追加されていった。



TDL Halloween _ maruco illust gallery
↑トップ3にランクインしたリ・ヴィランズのイラスト。当時保存したファイルの作成日時は2009年9月29日
この風潮もホームページ文化の衰退とともにだいぶ収まってきた2009年の秋パレード『リ・ヴィランズ』が雪解けの一つの契機になったと筆者は考えている。パレードの装飾だったダンサーは年月を下るに連れキャラクター性を持つようになったがこのパレードでは特にその傾向が強く、規模は違えど現在の手下と同じように人気を博したのである。そしてランカーが描いたイラストがランキングのトップ3にランクインしたことがディズニー、特に東京ディズニーリゾートがディズニー以外の二次創作界隈に注目され始め忌避を解くきっかけの一つになった。


【うさミミ帽子が可愛い 】エンドバニー特集 - pixiv Spotlight  
↑Pixivのエンドバニー特集。ちなみにダンサーの名前は一部を除き公式で定められておらず大抵は愛称である。

続いてリ・ヴィランズ以上の盛り上がりを見せたのは2010年春パレード『イースターワンダーランド』のダンサー「エンドバニー」だ。ウサ耳、ニーソ、絶対領域とこれでもかと要素をぶち込んだ衣装にディズニージャンル以外の反応は激しくディズニーのイラストを削除していたPixivが近年特集するほどまで盛り上がっている。

【ラブライブ攻略法】SR-園田海未(そのだうみ)(動物編)[幸運の白うさぎ]《クール》ステータス詳細
↑ラブライブの園田海末[幸運の白うさぎ]は明らかにエンドバニーの色違い。

これ…………しょこたん……衣装………エ……エンバニ……エンバニ……‐Twitpic@persona887
↑中川翔子のライブ『10元突破!超野音祭』の衣装も同様。参考にしたと握手会で認めたとの証言 (https://twitter.com/shipeeei/status/252347734772809728)もあるがこれがどこまで本当かは確かではない。



聖地巡礼:映画Yes!プリキュア5 鏡のミラクル大冒険 第1回
TIGER & BUNNY 監督のさとうけいいち氏のタイバニネタまとめ - Togetterまとめ
名状しがたい日記のようなもの やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 9話 「東京ディズニーランド」 舞台探訪(聖地巡礼)
ラブライブ聖地?巡り ディズニーシー編 - CHAPPY
↑他にもセリフだけなら『ジョジョの奇妙な冒険』(オレはディスニー・キャラが見てえのによォ~。ミッキーどこだ?)や『よつばと!!』(ディズニーランドか!)も全てアウトということになる。
余談だが、「漫画の背景にシンデレラ城を無断で書いたら法外な請求が来たor編集者からストップがかかった」のような「ディズニーは許諾を得ない商業パロディを許さない」とする話を本件に持ち込む人は多々いるが、許諾を得たならばクレジットに協力なり何なりあるはずなのにディズニーをパロディした近年の作品を確認してもそれらしき記述は見つからずそれこそ「危ない」ように見受けられる。そもそもそれをいったらサウスパークを筆頭にやりたい放題している本国の作品は何だと言うのか?

閑話休題、エンドバニーがリ・ヴィランズと違うのはディズニー以外の各所でパロディを見かける点だ。これらの広がりようを見ればどれほどエンドバニーが影響を及ぼしたか一目瞭然である。
これらのパレードは二次創作界隈に興味を抱かせることにより忌避の空気を解いた下地を作り上げたきっかけの一つだ。
一部では「以前ディズニーは厳しかったがアナ雪のブームを見て規制をゆるくした」とされるが、これらパレードや2011年『塔の上のラプンツェル』2013年公開『シュガーラッシュ』などの映画も公開時にはアナ雪までとは言わないがそれなりに盛り上がっていたので単純にディズニーに興味の無い層まで認知が広まっただけであろう。人は興味がない分野は知らないだけだからしょうがないが、だったらなぜ偉そうに通ぶる前に目の前の箱で調べないのだろうか。



隔月刊・枢やな‐Devils 6th Day
 
↑『黒執事』の作者、枢やな氏によるスプーキーヴィルのミッキーと執事ダンサーの衣装を着せてみたパロディ。ダンサーは特にこの種のパロディが多い。キャストの場合9割方このパロディと思ってよい。

Pixivにおける雪解けが始まったころから二次創作界隈で見られるダンサーやディズニーキャラクターの衣装を他のジャンルのキャラクターに着せるダブルパロディの一種「衣装を着せてみた」も盛んでありディズニージャンル以外からの視点として重要だ。
しかしながら正直描くくらい好きならばそのものを描いてくれてもいいだろうし、いままで散々ディズニーを悪党呼ばわりしつつこのパロディを描きながら「ディズニーは危ない」との認識を抱くなど矛盾が多々見られるなどいささか都合が良すぎるように思えてどうも良い印象を持ちにくい。個人的な感想だが…。

【名悪役がここに集結!】ヴィランズ特集 | pixiv Spotlight 
上記のエンドバニー特集はまだダンサーとして言い逃れできるかもしれないが2015年10月31日公開のヴィランズ特集は明確にディズニーそのものであり、削除していたpixivですらとうとうここまで態度を改めた事実とともに手下ブームの盛り上がりようが一目瞭然である。

ともかくこの流れが「二次創作は大丈夫だが同人はダメだ」と認識される根拠となったが、その二次創作でも昔は伏せ字を使うなど忌避されていたはずなので正当性も無い「暗黙の了解」なんてしょせんこんなものである。


同人誌

著作権について組合の意見 - 日本同人誌印刷業組合
著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第5回)議事録‐文化庁
↑故米澤嘉博氏によるキングダムハーツが出た途端ディズニーは著作管理に厳しいぞという意見が流れてファイナルファンタジーの同人誌が激減した流れから著作権の萎縮効果についての懸念。

金銭のやりとりが発生することから営利と非営利の境界が曖昧ながら一般的に同人誌は非営利の範疇に収まると判断されグレー状態だが、ディズニーに関してはキングダムハーツの発売時に日本同人誌印刷業組合が自主規制を敷いたため二次創作界隈において腫れ物扱いされる直接の要因になった。いくら自主規制とはいえ情報も少ない当時に企業として不安に駆られるのはわからなくもないが、現在でもディズニーが禁止する証拠としてこれを挙げる人もいるので強調するとあくまでも推測に頼った印刷所の自主規制なのでディズニー「が」厳しい根拠ではない。第一組合に入っていない印刷所ならば可能な上コピー本ならばいくらでも刷る事ができるではないか。



しかしこの自主規制が現在でも効力を保っているとは言い難い。上記のツイートのようにPICOがベイマックスの同人誌をサンプルとして用いており、組合加入の印刷所の半分近くがジャエルプチオンリーを支援、さらに筆者が『合衆国汽船コロンビア号』を入稿した際に確認したところ「18禁関係の修正で差し戻すかもしれないがディズニーだろうがどのジャンルでも変わらない」との返答を頂いている。つまりディズニーの同人誌でも大手印刷所は受け付けるわけで、サンライズのガイドラインと同じく形骸化したと見てよいだろう。よってディズニーは危ないとする根拠としては使えない。

ディズニー作品の同人誌即売会が普通に行われて無事に終了していた件とディズニー作品頒布禁止情報の発生源について‐今日も得る物なしZ
↑ウォルトディズニーカンパニー 項目に存在した文言「日本最大の同人誌即売会であるコミックマーケットですらディズニー作品の頒布全面禁止措置を執っているほどである」などWikipediaの記述に関するまとめ。

「コミケではキングダムハーツの同人誌を頒布できない」という話は事実なのか‐今日も得る物なしZ
↑コミケC79の「スタッフからの一言コーナー」ではキングダムハーツのカップリング名に関する注意書きが存在する。

印刷所が受け付けない事実から国内最大の即売会コミックマーケットがディズニー作品の頒布を禁止しているとも言われるが、筆者がコミケで見かけた評論や映画の18禁(C83シュガーラッシュ)はどれもサークルカットにその旨記してあり筆者もC88に委託で見本誌を提出した際特定のジャンルを禁止することは無いと確認を取ったので完全に間違いである。そもそも2011年夏コミC80のカタログにディズニーサークルは二つ(三人の騎士擬人化(パンホセ本とのこと)及びグーフィー)掲載されているので言うまでもないが、さらに近年の動向を見ると2014年夏コミC86では1サークルのみだったが2014年冬コミC87で数サークル、2015年夏コミC88ではベイマックスを中心に12サークルが参加し徐々に島を形成する動きにある。


ディズニー同人について調べてみた‐また皆が笑ってる

こちらの筆者によれば同人イベントを開催する企業へ問い合わせたところ、「ディズニーだからダメ」は作品差別に値するので参加は可能だがジャンル柄やっていはいけないという雰囲気が出来上がっているので大々的にやったら叩かれるリスクはあるとのこと。「どの作品も同じでファン活動の範囲内で楽しむのが同人の大前提なので誰も止める権限はございません」

COMIC CITY 東京136 ジャンル別サークル集計‐あのアレどこ
↑シティの集計。

COMIC CITY SPARK 10 ジャンル別サークル集計‐あのアレどこ
↑スパークの集計。両方とも女性向け即売会でありベイマックスジャンルもかなりをBLが占める。

テンプレ1
↑筆者はコミティア112に評論でサークル参加。ここまで堂々とディズニーと記したがそれでもはねられなかった。


合衆国汽船大西洋三軸定期船コロンビア号 | 寝古鉢鉄工所

なお筆者もコミティア112で出した『合衆国汽船コロンビア号』をBOOTHで通販中だが、これは宣伝ではなく煽り文句「そんなに言うなら自分で出してみればいいじゃないか」への返答なのでお間違えの無いよう。
コミケ以外の即売会では2015年6月28日COMIC CITY 東京136でベイマックスが18サークル、同年10月28日COMIC CITY SPARK 10に42サークル参加とアナ雪以上の盛況。 おそらくアナ雪ブームと1月の騒動がきっかけで俗説が完全に否定された結果…かと思いきやいまだに学級会が勃発しているから同人情勢ハ複雑怪奇ナリ。

即売会に参加できるならば同人ショップへの委託も同様に可能だ。とらのあな、アリスブックス、COMICZIN、BOOTHで確認済みであり特に とらのあなで委託される本は2009年に登録された点に注目したい。

フリューゲル家のTea Partyもしくは芋煮会
↑ファイアボールオンリーのInternet Archive。「昨年より、事有るごとに書店の営業の方や他の主催仲間には『ファイアボール』の本をイベントをと話をしておりましたが、なかなか相手にしてもらえませんでした。だが、イベントやります。だって、読みたいですから、あの2人の色んなお話を」

2009年9月22日に開催されたファイアボールの即売会『フリューゲル家のTea Party』。ここまで長々と論じてきたが、参加は4サークルと小規模ながられっきとしたディズニー作品のオンリーがすでに存在するのだ。今より風潮が強かった当時の反応を知りたいところ。




ジャエルプチオンリー『Frost×Frozen×Fantasy』告知サイト

そして2016年05月3日SUPER COMIC CITY25 day1においてファイアボール以来実に7年ぶりとなるディズニー関連のオンリーであるジャエルプチオンリー『Frost×Frozen×Fantasy』が開催予定である。
イベント内のプチオンリーではあるがれっきとしたディズニーキャラクターを題材にするオンリーであることともう一つ、大手を含め20社以上の印刷所が協賛している点も見逃せない。
ディズニーの同人誌における最大の壁である印刷所もスパーク等即売会においてベイマックスが盛り上がったからか多数協賛していることは、周囲を理由に危ないと叫ぶ自警団のみが障壁として残っているにすぎない現実をよく表しているといえよう。

2015年冬開催のコミケ89ではベイマックスを主に手下やジャエル、筆者が知る限り初めてサークルカットを見かけた舞浜の二次創作(てっきり遊園地の二次創作として評論に配置されるとばかり思っていたがディズニー映画と同じくアニメその他に配置されたとか)など賑わいを見せた。そろそろコミケのディズニー島も定着したと思いきや一大ブームを巻き起こした手下の同人誌やコスプレを危険視する人も若干いるようだが、以前から同人誌はもちろんコスプレもキャストやエンドバニー、話題になった今夏の本格的なファンカストなどいくらでもいらっしゃるので今更なにを心配する必要があるというのだろうか。それに流行で初めて気づいただけという単純な話なのでまずはお調べすることをオススメする。



結論








↑ディズニーではないが「本物と同じ体裁で」「店頭で本物の隣に置いて売られた」とある意味極端だが実際に公式からお叱りを受けた事例。ここまで完璧ならばそりゃ当たり前だがほどほどでやっている分にはまず無い。

ディズニーが公式としてのガイドラインを出さない限りは「禁止していない、すなわち公認されているから何をやっても大丈夫」なんて極論を主張つもりは毛等無いしアイガー発言以前同人誌がどのような扱いだったかは確かでは無いなど手落ち感もある。それに黙認ではなく単に訴えないだけかもしれない。しかし2015年現在公式が動いた事実は無くむしろ周囲が盛んに自粛していた事例ばかりであり即売会における頒布、書店への委託、印刷所は自主規制する場所以外可能と実証済み、そしてコミケ参加を筆頭に公式が他企業とおなじく黙認状態と推測できる材料がここまで揃っていれば他ジャンルと同じ程度に活動する限り自警団の主張する「ディズニーの危険性」は存在せず彼らの口癖「ディズニー『だから』危ない」は完全にデマと断定できる。よって「ディズニーの同人は危ない」ではなく「ディズニーの同人は自警団が中止を迫るから危ない」が正しく、しかも彼らの言動に正当性は無いので気にかけることもないたわ言である。
公式が止めろとお達しを出すならば従うべきであるし、好き嫌いならば個人の自由なので同人誌に対する感情を無理に押し殺す必要も無い。しかし同性愛だろうがダブルパロディであろうがどんな内容であれどもゾーニングを守るなどファン活動としての節度を保つ限りは存在そのものを同調圧力で叩き潰すなんて決して許されるべきではない。
そして本記事では自警団ばかりを強調したが全てを自警団に罪をおっかぶせれば済む話ではない。自警団は今まで同人業界全体が散々ディズニーを腫れ物扱いしてきた結果に過ぎないのでこの空気が変化しなければこれからも続くだろう。
結局は一人ひとりの意識の問題なので各自が古びた俗説を信じ込んだり公式の代弁者気取りでありもしない「お上の規制」を錦の御旗に掲げ思考停止した状態で叩くのは止めようね。

以下は改訂前の内容


































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2014/06/01

グレートホワイトフリートとアロナクス教授とニューヨーク市保存協会員と

ツイッターで書いたネタをいくつかまとめ。

・ルーズヴェルトラウンジ天井画
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初めて発見したのは去年の9月、ぐんそうさんとラウンジに行った時だった。一人のときはいつもカウンターだったので座席に陣取ったが、ふと天井を見上げてみるとそこにはグレートホワイトフリートの航跡が!
グレートホワイトフリートとは1907年から09年までかけて世界一周を行ったアメリカ海軍の主力ほぼすべて戦艦16隻の艦隊のこと。日本語に翻訳すると「白い大艦隊」だが、普通軍艦色と呼ばれる灰色であるところアメリカ海軍の艦艇は白一色だったのでこの呼び名がついた。石炭の積み込みで汚れるだろうにもはや粋でやってたとしか思えないのだがカッコいい。
バルチック艦隊が日本海海戦で敗北した要因に挙げられるように艦隊の長距離移動は激しく消耗するのであり、戦闘目的ではないとはいえ世界一周を成し遂げたことはセオドア・ルーズヴェルトの大きな業績に数えられている。だからこそテディに堂々と描いているのだ。
寄港地の一つだった日本が見えないのは、この航海の目的が日露戦争で勝利した日本に対する示威行為だから描くとまずいとうことでゼファーの息吹きで隠していると推定する。詳しくはコンフェティのラウンジ編で解説する予定だがいつになることやら……

・海底二万マイル
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ネモ船長研究室にある海図では原作および映画の主人公であるアロナクス教授の名前を発見(島の右隣に注目)
地図の制作年は1873年なので原作の年代より後、つまり豆田さんの「ミステリアスアイランドのネモ船長はアロナクス教授が襲名しているのでは説」http://twilog.org/soyATsource/date-130524にのっとって考えると、襲名した教授が自分のいた証を海溝の名前に残したとも思える。まああくまでBGSの空想一つだが、だとしたらコンセイユやネッドの名前もどこかにあるかも?
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また「海の墓場」の地図の裏には海底農園へ赴くための潜水服の貸出し表が貼られているが、このサインはすわネモクルーのイニシャルか!?
気がかりなのはGWFも教授の名前もおそらく自分が第一発見者なこと。ディズニーファン誌の『東京ディズニーリゾート意外発見』ならば取り上げているかもしれないが、少なくともネットで見かけた記憶は無いのだ。オープンして10年以上経つのに誰も気づかないなんて信じられんが、まだまだ作りこみは探索のしがいがあることは確かだ。新要素だけを追いかけたり隠れミッキー、隠れアリエルに夢中になっている場合じゃないぞ!

・キャストさんのお写真
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スタツア2オープンで空いていた昨年やガイドツアーで撮らせてもらった写真をいくつか。
こうしてみてみると篠山紀信のようなキャストの写真集が欲しくなってくる。それも「東京ディズニーリゾートのキャスト」ではなく「ニューヨーク市保存協会員」だとか「ネモクルー」などストーリー上の人物として、だ。いやなに、キャストの制服はポートに合う格好なので雰囲気がいいのにもったいないと思うのだ。
ようコンフェティで書いた時代インのようなもの、いやキャストの制服を見てやろうと思ったのか?ともかく言い出しっぺがやらないのは片手落ちなので今度は一緒に撮らせていただこうかなと。
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↑オセロさん撮影によるぐんそうさんとテディのキャストさん。もはや素敵の一言しか出てこない。

要するにパークの楽しみ方とはアトラクション攻略や限定グッズ購入に限らず作りこみ探索やバックグラウンドストーリーの想像、ロールプレイなど様々に広がりようがあると思う。それらが悪いってわけではないが、どうも無視されているように見えて僻んでしまうのだ……