2014/03/18

「Get A horse!」「アナと雪の女王」感想

アナと雪の女王を鑑賞したので以下にネタバレ感想
アナ雪はすでに多くの人が様々な感想を述べているのでざっと済ませるとして、同時上映の短編を中心に語ろうと思う。考察というよりただの感想だけれども。

1, Get A Horse!(ミッキーのミニー救出大作戦)
ミッキーマウスの短編が長編の添え物として公開されたのは「ルイスと未来泥棒」以来、つまり劇場でミッキーの短編を鑑賞するのは多くの人にとって無論自分も初めての体験だ。短編自体が馴染みのない存在になりつつある現代においてこれは極めて稀な出来事である。
東京工学院アニメーション科で講義する叶精二氏がツイッターでこう述べている。




アニメーション学科ですらこうなのだからその他はいわんや、だ。パークのシンボルとなって久しいミッキーをスクリーンで、しかもリバイバルではなくリアルタイムの短編で楽しめるなんて懐古厨―いや短編がリアルタイムで上映された頃に生きていないので懐古はふさわしくない。短編派と称すべきか―大勝利以外の何物でも無い。それに単なる懐古だけでなく最新の3D技術により新旧映画を合体させる、これぞディズニー映画だ!一方TDLではおんどこどん!!…くらっとしてきますハイ

・スラップスティック
ピートを過剰なまでにフルボッコにするミッキーにこれだよこれこれ!と笑いかつ涙を流したのは自分だけではないと信じたいところである。「僕らのクラブのリーダー」な現在からは考えられないミッキーの姿を短編派として手放しで賞賛したい。これこそマック・セネットの後継者に相応しい姿なのだ。これをリアルタイムでお目にかかれるなんて…!

・音楽
オープニングとクレジットの「ミニーのユー・フー」は白黒時代のオープニングに多用されたので30年代感がぐっと増す曲だ。
彼らが演奏する「わらの中のガチョウ」は「蒸気船ウィリー」でミッキーが動物虐待により演奏する由緒正しい?曲で、ディズニーオンクラシックの「ウォルトディズニーの思い出」で流れるのは蒸気船ビルなので注意を要する。
またプレーンクレイジーのオマージュと思われるピートとのチェイスシーンに「大演奏会」でも使われたウィリアムテル序曲のアレンジが流れた、はずだ。
往年においてオリジナル曲以外には主に著作権料的な意味でクラシックのアレンジを他用していたので例え直接的ではなくても雰囲気的にオマージュと言うわけ。ちなみにワーナーはジャズの版権を獲得していたので対照的に都会色が出ていたりする。

・劇場ネタ
劇場であることを意識するギャグは劇場向け作品ならではだ。
「ブラジルの水彩画」でアニメーターの筆がドナルドと格闘したり「空飛ぶロバ」フィルムから飛び出るなど確かにあるが、しかしこれらはオムニバスとはいえ長編であり白黒時代のミッキーや三馬鹿短編では見た記憶が無い。むしろルーニーチューンズに多かったと思う。ただしそれでも影がよぎったり観客席からの野次が飛んだりフィルムからはみ出るなどネタの一つに留まり一本まるごとはカモになったカモぐらいなもの。今回みたいに大々的に展開するのはほとんど見かけない。でもまあ史学な再現というよりせっかくの劇場向けオマージュなのだから細かいところを突っ込まず楽しめばいいのだ。単なる記憶違いの可能性が大いに高いので指摘はご自由にどーぞ。
・その他
終盤でオズワルドが!見間違いではないよね?オズワルドのキャラグリが発表された当日にお目にかかるなんて胸熱にもほどがあるぞまったく。
しかし一つ残念な点は邦題だ。クラクションのセリフ『未来のお通りだ!』→『馬を買え!』で原題をちったあ反映してもいいんでないの? Fishin' Around→ミッキーの太公望ぐらいにはひねりが欲しかったなあ。

2,アナと雪の女王
情報をシャットダウンしていたのであまり期待度が高くなかったがそれでも十分楽しめた。
最初に持った感想は『またもやディズニーは「新しいディズニー映画」を作り上げたな』だ。
新しいプリンセス像を打ち立てた「プリンセスと魔法のキス」も自虐路線の「魔法にかけられて」も最後は結ばれた。しかし王子どころか男と結ばれず姉妹愛こそ真実の愛だったなんて予想外にもほどがある。そりゃ台湾の百合オンリーで一大ジャンルを築き上げるわけだ。


・キャラ
本編においてこそキャラは魅力が増すことを実感する。広告では単なるマスコットキャラにしか思えなかったオラフも高感度がアップしたがしかし何と言ってもエルサがやはりいい。宣伝のごり押し感がぬぐえなかったLet it GOが本編における位置づけが悪墜ちソングとわかって断然魅力が増す。アナも冒頭のDo you want to build a snowmanとFor The First Time in Foreverにおいて不安に襲われるエルサとの対比で際立ちずいぶんと惹かれたものだ。
・引っかかる点をいくつか
シークエンスの展開がずいぶん早かったように感じたのは自分だけだろうか?それに「いるためだけにいるキャラ」が多いようにも思える。特にトロール。ラプンツェルの酒場以上、蛙姫の蛙ハンター並みという例えから察してくれ。どうもここら辺が突っかかるので総合的にはGet A horseに軍配を上げたい。仕方が無いよ懐古厨だもの……

・「最後の救出」
最後に一つ。エルサを助けるためラストの氷上を駆け抜けるクリストフを見てD.W.グリフィスの「東への道」を思い浮かべたのだがどうだろうか。滝に流されていればまさにLast Minutes Rescue だったがそこまでしたら単なる模擬になってしまう。まあ自分は「クラウドアトラス」の筋書きだけ聞いて「イントレランス」だ!と騒ぐ人間なので話半分でそれでも少しは入っていると思うよ?
ギッシュ姉妹とアナ・エルサを結びつける海外のページはさすがに飛躍していると思うが。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント