2017/05/08

同人界隈におけるディズニー忌避風潮1:組合と印刷所の自主規制

注:本記事は「ディズニー忌避風潮がいかに根拠の薄い代物か」「ディズニーだからといって特別危険視する理由は無く条件としては他のジャンルと同じ程度」という内容であって二次創作自体の是非を論じてはいないし「何をやっても許される」とは一言も書いていない。論点をすり替えようとするのはいい加減にしなさい。

目次
1:組合と印刷所の自主規制(本記事)
1,はじめに―根拠の重要性
2,日本同人誌印刷業組合の通達
3,印刷所の対応

2:キングダムハーツで何が起きたか
4,マナーサイトによる危険論の流布
5,「ディズニーの警告メール」によるサイトの大量閉鎖
6,パイレーツオブカリビアン
7,空気の蔓延
8,スクエニの対応

3:背景と自主規制
9,背景その1 「著作権ヤクザ」イメージの流布
10,背景その2 同人誌にまつわる事件の続発
11,自主規制

4:定着の過程
12,無数の引き合い
13,「父よあなたは強かった、だから貴様も草をかめ」
14,ヒーローマン

5:公式の動向
15,スクエニの著作権に関する訴訟事例
16,実際はどうなの?

6:ディズニーというジャンル
17,「ディズニーに手を出す輩はいないから危ないと証明されている」?
18,「イメージを壊す類は許されない」?
19,総括


1,はじめに―根拠の重要性

今年4月11日にキングダムハーツは発売15周年を迎えた。それ自体はめでたいが、同人界隈におけるディズニー忌避風潮が本格化してから15年経過したことも意味する。
ディズニーとスクウェア・エニックスの合作ゲームであるキングダムハーツ。本作の発売に伴い日本同人誌印刷業組合が出した通達に従って多数の印刷所がディズニーの入稿を拒否した。それに伴い過剰な自主規制、同調圧力が多発、ディズニー危険論は暗黙の了解や疑うべくもない常識として形成されていった。なおも残る極端なディズニー忌避風潮の原因はこのゲームの周辺にあるといってよい。

アナと雪の女王やズートピア、ヴィランズの手下などの流行でうやむやになりつつあるが、現在にも確実に尾を引いている忌避風潮はなぜ定着したのか?その根源は?経緯は?根拠に値する事件があったのか?先の記事、ディズニーの同人誌は本当に危ないのか?「コミケはディズニー同人誌の頒布を禁止している」とする風説についてではいかに根拠の薄い自主規制だったか、現在に通用するものではないと記したがこれらの根本的な部分が欠けている。

ディズニー忌避風潮の原因を一言で述べると事実誤認を元にした憶測が孫引きされ続けた結果、つまり根拠の軽視が過剰な自主規制を招いた。これに尽きる。
なにしろこの15年誰も一次ソースを示していないのだ!具体な根拠はほぼプールと印刷所の自主規制のみ。警告の詳細やディズニー自身がはっきりと禁止する文面すら掲示していない。あるのだったらちゃちゃっと出せば済む話なのに全くおかしな話である。
ディズニーのイラストサイトや同人誌が存在するにもかかわらず「落書きでも容赦しない。同人誌は訴えられる」なんて言説がまかり通っていた事態ははっきり言って異常だ。即売会のカタログをめくったり目の前のパソコンで調べれば明確に事実と反しているとわかるではないか。

先の記事では一々ソースを出すのが煩わしいとする感想もあった。しかし本件の場合特にソースが無いといかに頼りなくそして異常か、ここで根拠を軽視するサイトを一つ挙げてみる。
同人グッズについてのマナーサイト【実は危険な同人グッズ】~模倣品・海賊版?~では警告・告訴になった例として真っ先にディズニーが挙げられているが、その記述には首をかしげるしかない。

■警告・告訴になった例 - 【実は危険な同人グッズ】~模倣品・海賊版?~(2013年9月14日)
2013-09-01
■警告・告訴になった例
5. 警告・告訴例
ディズニーは落書き程度でも、二次創作で配布する全てを許していない。ネット上のファンアートは許されている


当初の記述でははっきり「二次創作で配布する全てを許していない」と断言していた。しかしディズニーは一体どこで配布を禁止すると言っているのか?「落書き程度」でも禁止するのにネットで全世界に向けてファンアートを発信するのを許しているのは矛盾では?そもそも「警告・告訴例」はどこにあるのか?根拠は全く示されていないので不明だ。

■警告・告訴になった例 - 【実は危険な同人グッズ】~模倣品・海賊版?~
ディズニーは特に厳しいと言われており、同人誌も含め二次創作は基本的にタブーです。ネット上のファンアートであれば問題がないと思われています。
sea (id:sea_goods)
コメントありがとうございます。
表現が乱暴でしたね。失礼しました。簡潔に過ぎました。
ディズニーについては同人の印刷所では受付けて頂けない事、製作すれば明らかにネット上での火種になる事もあり、強めの表現をしています。
コメントを元に記事を修正致しました。
3年前


その後コメントで指摘されて表現は多少変化しているが内容はほぼ変わらない。「実際の事件よりも、同人界でどう思われているかに重きを置いて」いたから「全てを許していない」と表現した、つまり根拠なんて端から存在せず同人界隈の空気を理由に嘘を記したということだ。そもそも「警告のあったことを確認出来たもののみ挙げています」としながら何故憶測をトップに持ってくるのか?という根本的な疑問は解決していない。
そしてタブー扱いする空気があるからと嘘を広めても許される理由にはならない。啓蒙サイトを運営するのならなおさらだ。これが許されるのならば筆者は「ディズニーは同人誌を認めている!公認されているから何をやってもいい!」と吹聴しても構わないことになるが、そんな馬鹿なことがあってたまるか。
そもそも普通に活動できる現状を見ればタブーでもなんでもないことぐらいわかるだろうに、根拠もなく「著作権に厳しい=ファン活動も例外なく訴えられる」という極論を振り回して何が何でも危険と植えつけなくてもよかろう。そうしてむやみやたらと焚き付けるのだからタブー視され、ひいては荒らしの棍棒扱いされるのであって、火のないところに油をまいて放火するマッチポンプに他ならないことに気づくべきである。

こんな調子で15年間出典や根拠の軽視を突き通して来たからディズニー忌避風潮が定着した。であるからこそ本件については特にソースを挙げつつ記す。ひとつ話の類まで一々出典を出せとは言わないが、ここまで伝聞が浸透している場合にはなるべく根拠を示すのが義務ではないのか?

キングダムハーツ発売、ひいてはディズニー忌避風潮の本格化から15年という節目なので少しは期待したものの結局騒動の種をまいた人たちからは訂正も何もないので自分で調べたが、一つ問題がある。筆者は当時から現在までキングダムハーツをプレイすらせず2002年当時のジャンルとしてのディズニーを全く知らない。よって先人の残した記録を頼りにするしかないが、そもそもキングダムハーツ発売時の騒動についてまとまった記録は存在しない。生の声は2chにしか残っておらず晒しを頼りにInternet Archiveを探す始末、確かな根拠を知っていると称する方に聞いて回ってもまともな返事はほぼ帰ってこない有様で数少ない残骸から探し求めた結果がこの記事なので必ず誤りがあるはずだ。

事実をご存知な方はぜひとも記録を残してほしい。果てしない伝言ゲームに終止符を打ってもよい頃合いだと思うのだ。

続きを読む

2016/03/07

「コミケはディズニー同人誌の頒布を禁止している」とする風説について


注:本ブログの過去記事ディズニーの同人誌は本当に危ないのか? - 寝古鉢鉄工所の続編的な内容なのでそちらと共に閲覧することを推奨する。筆者が述べる根拠は全て記してあるのでそこで否定している俗説を持ってこないで頂きたい。
2016年4月
Wikipedia各項目が更新されたのでその旨を加筆。出典を記さなければ今までの内容と信頼性は変わりないのではないか、危ないと書いた執筆者は何の意図から広めようとしたのか、そもそもWikipedia自身が広めたデマではないかなど不満と疑問は残るが更新されただけよしとするほか無い。
本件に関してこれ以上更新する必要が無くなればいいと切実に願う。


「ディズニーの同人誌は危ない」と同様に根強いのが「コミックマーケットはディズニー作品の頒布を禁止している」とする言説である。Wikipediaの項目『キングダムハーツ』『同人誌』『ウォルト・ディズニー・カンパニー(現在は削除)』にはっきりと書かれ誰もがこれを基に「コミケにディズニーの同人誌は存在しない」と主張しコミケへの企業参加やTPP問題では多くの人が「ディズニーによってコミケが潰される」と騒いだのも記憶に新しい。

キングダム ハーツ シリーズ - Wikipedia


初出:2008年7月3日
2016年3月現在残存

コミックマーケットなどの同人誌業界は、著作権に厳しいことで知られるディズニーに配慮し(実際、以前からサークル参加案内にはディズニーキャラクターを題材にした同人誌の発行を禁じる注意書きが存在している)、キングダムハーツを題材とした同人誌の発行自粛、印刷請負の自粛を作家、印刷業者に呼びかけた。
また、スクウェア側が本作のために制作したオリジナルキャラクター(ソラ、リク、カイリ等)の版権もディズニーに帰属しているため、ディズニーキャラと同様の措置が取られる(FFキャラはその限りではない)。


初出: 2016年3月29日
ディズニーキャラクターはもちろんのこと、本シリーズのオリジナルキャラクターの権利もディズニーに帰属している。そのため同人誌を扱う印刷所は、ディズニーに配慮し(実態としては、ディズニー社が特段著作権に厳しいという客観的事例は無く、先行したイメージに基づく自主的な動きによるもの)、キングダム ハーツを題材とした同人誌の印刷請負を一時的に自粛したことがある。国内最大の同人誌即売会であるコミックマーケットが発行を禁止したという説があるがデマであり、今作を扱うサークルが複数参加している。



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↑「ディズニーはコミケの禁止項目に入っている」と主張する人(黒)と筆者(赤)のやりとり。ご覧のようにキチガイ扱いされたが、「禁止項目」の出典を聞いただけの筆者がキチガイならば実害すら出ているデマを撒き散らすこの人は路上で刃物を振り回す犯罪者であろう。

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↑日付に注目。昔ならばともかく2016年になってもまだ唱えられるとは驚き。なおあくまで晒しではなくサンプルとして用いていることは強調したい。
明日から(?) コミケだそうですけど、ディズニーの二次創作ってあるんですか? - Yahoo!知恵袋
ディズニーのエロ同人誌を描いてコミケに出すにはどうすればいいですか? - Yahoo!知恵袋


しかしながらコミケがディズニーに関する作品の頒布を禁止している根拠として「何々と聞いた」「何々だったはず」などの曖昧な形、あるいはWikipediaやマナーサイトなどの間接的なページではなく直接出典を提示した人は 一 人 た り と も 存在しない。これはおかしい。誰も彼もが騒ぐのならばしかるべき確かなソースがあるはずだが本当に誰も示さないのだ。

コミケットマニュアル(コミックマーケット86サークル参加申込セット版)-コミックマーケットの理念と実相

頒布・提供禁止物
・法令に触れる物。ワイセツ図画および児童ポルノ、著しく知的財産権(著作権、商標権等)を侵害する物。薬事法・食品衛生法に抵触する物(ただし、食品業者が衛生的な環境で製造・包装、密封した、アルコール類以外の物は頒布可能です)。※こうした法令を把握し、注意をして下さい。また、抵触していなくても製造物責任法や民法に基づき、損害賠償責任を負う場合があります。

・コミケットの趣旨に反する物。法人が発行、制作した物、法人主催イベントの入場券。古物。

・燃料を充てんした、すぐに発火できる状態の器具。ただし、ロウソクについては密封されている状態、ライターもオイルが入っていない状態であれば頒布可能です。



準備会が公式HPで公開する申込書セットの頒布禁止物を確認するとご覧の通り。ディズニーもしくはキングダムハーツを名指しで禁止する項目はどこにも無い。
筆者の手元にある最新版であるC90の申込書にも勿論無いし、C50代のカタログに掲載される頒布物禁止一覧にも見当たらず『コミケットプレス 総集編2』を読んでもポケモン事件の余波から著作権についての特集はあるがディズニーへの言及は存在しない。

明言していないだけで申し込みの時点ではねられている、あるいはスタッフの目をかいくぐりこっそり頒布するしかないと思いきやComike Web Catalogで最新のコミケのカタログを確認すると『キングダムハーツ』どころかアニメ(その他)の海外アニメ島にディズニーそのものがジャンルであるサークルカットがある。ということは準備会が把握していることを意味する。
そもそも筆者は自分の同人誌『合衆国汽船大西洋三軸定期船コロンビア号』でC88(2015年夏コミ)に委託参加して見本誌を提出した際「ディズニーの同人誌だが大丈夫か」とスタッフに確認したが禁止しているならばその際止められたはずだ。

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↑サークルカット。堂々とディズニーと記したがちゃんと通った。カタログにも掲載されている。
コミケ90参加告知 - 寝古鉢鉄工所
そして2016年夏コミC90にサークル参加。「東京ディズニーシーの同人誌を頒布する」と申し込み欄に書いてサークルカットもごらんの通りだが当選、『合衆国汽船コロンビア号』を頒布した。現在とらのあな(【とらのあなWebSite】合衆国汽船コロンビア号)と書泉グランデに委託中。

つまりWikipediaに記され大勢が信じこむ「著作権に厳しいことで知られるディズニーに配慮し(実際、以前からサークル参加案内にはディズニーキャラクターを題材にした同人誌の発行を禁じる注意書きが存在している)、キングダムハーツを題材とした同人誌の発行自粛、印刷請負の自粛を作家、印刷業者に呼びかけた」は全くのデタラメ、嘘八百、デマということになる。一体どこからそんな文言が飛び出てきたのか、要出典どころか即座に削除されなければおかしい記述である。

・コミケにおけるディズニーサークル
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次は「コミケにすらディズニーの同人誌は存在しない」について。最新のカタログを見れば一目瞭然だがひょっとすると以前は無かったかもしれないので国会図書館に所蔵されるコミックマーケットのカタログを1990年代後半までさかのぼり確認した。追記に一覧を掲載したので参照願いたい。
ただしC52(1997年夏コミ)までしか確認できていないので改めて確認次第それ以前も追記する予定。

少なくともC52(1997年夏コミ)の『ナイトメアビフォアクリスマス』以降必ずディズニー関係のサークルが参加しており「コミケにディズニーの同人誌は存在しない」が完全に嘘であることが判明した。「昔からあったはず」とはちょくちょく見かけたがやはり自分の目で確かめるのが一番である。
例えばディズニーが企業参加したC85(2013年夏コミ)にはディズニーサークルはアニメ『シュガーラッシュ(2013)』を含め40以上、前後も同様でありどう考えても「黙認されている」状態だ。まさか「二次創作を微塵も認めない」著作権ヤクザディズニー様が自らが参加する即売会の確認を怠り「弁護士によって告訴される恐れがほぼ確実である」同人誌を見逃したなんてことはあるまい。

印刷所の自主規制以前にはミッキーマウスやミニーマウスなどいわゆるミキフレの擬人化が主流だが『美女と野獣』『ノートルダムの鐘』、プーを描いたサークルカットもあり、最盛期のC59(2000年冬コミ)には7つも見かけられ結構な賑わいぶりがうかがえる。わざわざこんな長文を書く必要性を疑うぐらいだ。

著作権について組合の意見‐日本同人誌印刷業組合
著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第5回)議事録‐文化庁
発売直後に日本同人誌印刷業組合による自主規制が敷かれたにもかかわらずC63(2002年冬コミ)から『キングダムハーツ』サークルが参加しているのでコミケは歩調を合わせなかったと見るのが妥当だが、C69(2005年冬コミ)とC71(2006年冬コミ)にはゼロ、『ファイナルファンタジー』自体もめっきり減っているのは故米沢代表の懸念した萎縮効果による「イコール『キングダムハーツ』のキャラクターでもある『ファイナルファンタジー』の同人誌が激減した」結果であろう。とはいえ現在は両者とも増加しているのでその影響もある程度は薄れたということだろう。

実写映画の場合『パイレーツオブカリビアン(2003)』はC66(2004年夏コミ)から三作目(当時は三作でシリーズが終了するはずだった)が公開されたC75(2008年冬コミ)まで、『アベンジャーズ(2012)』はC84(2013年夏コミ)以降二桁をキープしておりこちらでは同人の勢いが畏怖風潮を上回ったか、あるいは一般的なディズニーのイメージ(かわいいキャラクター、プリンセス、女児向け…)から離れているので相手にされなかったかのどちらかだ。とはいえマーベルとルーカスフィルムの買収時には「ディズニーの版権になったから同人誌を出せなくなる」と騒ぐ声を割合見かけたので後者の線は薄いだろう。

※余談ながら同人界隈に流行した「ヴィランズの手下」 (ヴィランズの手下を一人ずつ徹底紹介! TDS「ヴィランズ・ハロウィーン・パーティー」リクルーティング - ディズニー特集 -ウレぴあ総研 参照)の二次創作を「ナマモノだから18禁ではなくても止めるべき」との声が強いが、彼らの理屈に従えば「ディズニーのナマモノ」となるこれら実写映画は二次創作も同人誌も盛んなのにおかしな話だ。そもそも手下の二次創作は役者本人を題材にしていないのでこれをナマモノと称したらプリンセスなどのフェイスやミッキーマウス等着ぐるみキャラも同様に「中の人がいる」のだからナマモノとして叩かなければ理屈が成り立たないのだがはてさて。 

一方ディズニーアニメは自主規制の翌年C64(2003年夏コミ)に3サークルが参加後しばらく途絶える。Wikipediaの記述はこの状況を基に推測を書いたと筆者は考えるが、ホームページ全盛期の当時『キングダムハーツ』の流行で活発化したマナーサイトなど他にも外的要素があったかもしれない。とはいえもっと調べてからでないと確証を持てないので保留する必要がある。

アニメ(その他)にディズニーサークルが再び見られるのは別ジャンルの大手が擬人化で参加したC73(2007年冬コミ)だ。キャラクター紹介サンプル後に商業化した作品を読んでも原型を留めていないものの「ネズミー擬人化」とサークルカットに記し海外アニメに配置されているのでディズニーサークルに違いない。
これ以降評論やグーフィー(擬人化ではなく原型なので『わかりやすいキャラははじかれる』なんてことはなさそうだ)、2009年にはオンリーイベント『フリューゲル家のTea Party』が開かれた『ファイアボール』など毎年1,2サークルが参加している。

アニメが再び賑わう決定打になったのは『アナと雪の女王(2014)』が相当大きいブームになったこと、申し込み締め切り直前の2015年1月に発生したダブルパロディ本の回収に端を発するディズニー同人誌の議論(ディズニーの同人誌を公開することは本当に危険なのか? - Togetterまとめ )である。
C88(2015年夏コミ)では『ベイマックス(2014)』を筆頭にアニメが12サークル参加。『アナと雪の女王』のエルサとドリームワークス作品『ガーディアンズ(2014)』のジャックを組み合わせた非公式カップリング「ジャエル」はファイアボール以来二回目のディズニー即売会である『Frost×Frozen×Fantasy』が開催予定、『ベイマックス』はコミケ以外の即売会に約40サークルが参加してもはや一つのジャンルであるなど相当な勢いを見せる。
そして最新のC89(2015年冬コミ)にはアニメは16サークル、島を形成する勢いであり内容も当時まだ未公開の『ズートピア(2016)』から東京ディズニーシーのショー『ファッショナブルイースター(2015)』まで多岐に渡っている。

これを見てもまだ存在しないと言い切れるとしたら相当の節穴だが、「コミケにディズニーの同人誌は存在しない」と言い切る人は一体どこを見ていたのだろうか?

・Wikipediaの記述
「コミケではキングダムハーツの同人誌を頒布できない」という話は事実なのか - 今日も得る物なしZ
ディズニー作品の同人誌即売会が普通に行われて無事に終了していた件とディズニー作品頒布禁止情報の発生源について - 今日も得る物なしZ
↑本項目は上記はてなブログに頼るところが大きい。ただし「腐女子による自主規制」は問題の矮小化であり正確には同人業界どころかネット全体に蔓延る風潮と考える。

すでに指摘されている通りWikipediaは個人による恣意的な編集であっても百科事典の看板を背負い嘘が真実として広まりやすい。この言説が生まれた大元ではないが少なくとも広まる原因であることは確かだ。

ディズニーの同人誌に関する記述は2007年4月1日『ウォルト・ディズニー・カンパニー』が初出。一度削除されたものの翌年再び現れた後2013年に初めて「ディズニー作品の頒布全面禁止措置」をとる旨の記述が出現した。直後にはディズニーが企業参加したので全否定された形になったが結局2015年2月まで残っていた。

『キングダムハーツ』の「著作権に厳しいことで知られるディズニーに配慮し(実際、以前からサークル参加案内にはディズニーキャラクターを題材にした同人誌の発行を禁じる注意書きが存在している)」、「キングダムハーツを題材とした同人誌の発行自粛、印刷請負の自粛を作家、印刷業者に呼びかけた」は2008年7月3日に追加され現在まで残っているかなり古い記述だ。
前者は無論のこと後者も例えコミケの呼び掛けが正しくても印刷組合の自主規制が先(2002年5月)であり因果関係が逆だがそもそもそんなものは存在しないので全くの大嘘である。

『同人誌』に至っては2012年8月22日の更新で「二次創作物に対し法的手段を駆使して積極的な規制を公然と行なっている」とまで言い切るが、もしも正しいなら何百万件も投稿されディズニーのアーティストも登録しているdeviant Artが無事な理由はどこにある。初期は運営がディズニー作品を削除していたPixivも更新当時にはすでに削除されずランキングに掲載される程浸透(現在は公式が特集を組んでいる)しているので何を根拠にしたのか全くの謎だ。

「ディズニー作品の頒布全面禁止措置」が執られているならなぜ毎回ディズニーに関する作品を扱うサークルが参加できているのか。「ディズニー側の弁護士によって告訴される恐れがほぼ確実」ならドラえもんやときめきメモリアル、ポケモンのように実際の訴訟事例(もちろんエアパイレーツではなくファン活動としての同人誌だ)が浸透しているはずだがなぜ一件も見つからないのか。「ソースはWikipedia」がいかに頼りないか実感できよう。

ただし、誰も彼もが確かな事実として伝えるのでもしかしすると筆者の知らないソースがあるだけかもしれない。なのでご存じの方はぜひとも教えていただきたい。もちろん伝聞ではなくきちんとした出典の提示をお願いしたいところである。ろくに根拠を示さないまま憶測と伝聞を積み重ねた結果がデマの蔓延る現状なのだからそのぐらい当たり前だろう。

ウォルト・ディズニー・カンパニー - Wikipedia



初出:2013年8月27日版
2015年2月3日削除

同人誌やファンサイトなどの二次創作の世界では、ディズニー社の著作権に対する厳しい態度を考慮し、ディズニー社に関連する二次創作物の執筆・発行は強く忌避され、成人向けのみならず一般向けまでも厳に規制されている。これにより、日本最大の同人誌即売会であるコミックマーケットですらディズニー作品の頒布全面禁止措置を執っているほどである。さらに、ディズニーのキャラやアニメについて述べる際、検索エンジンに引っかかりにくくするよう「某D社」「Dランド(=ディズニーランド)」「なんとかランド」「ネズミーランド」「あのネズミ(=ミッキーマウス)」など、意図的にボカシた表現をする場合も少なくない。
 


初出:2009年10月19日
以降伏字に関して数回編集

同人誌やファンサイトなどの二次創作の世界では、ディズニー社の著作権に対する厳しい態度を考慮し、ディズニー社に関連する二次創作物は執筆・発行は避けられている。さらに、ディズニーキャラについて述べる際に"あのネズミ(=ミッキーマウス)"と言うような、ボカシた表現をする場合も少なくない。



初出:2008年11月15日版
2008年12月31日改訂(パロディに関する部分が削除される)

同人誌やファンサイトなどの二次創作の世界では、ディズニー社の著作権に対する厳しい態度を考慮し、ディズニー社に関連する二次創作物は執筆・発行は避けられている。(しかし、パロディは黙認している。)



初出:2008年3月7日版
2008年11月15日改訂

同人誌の世界では、ディズニー社の著作権に対する厳しい態度を考慮し、ディズニー社に関連する二次創作物は執筆・発行は避けられている。



初出:2007年11月1日版
2008年3月7日改訂

同人誌の世界では、著作権保護に対し厳しいディズニーの弁護士により告訴される可能性が極めて高いため、ディズニー社に関連する二次創作物は執筆・発行は避けられている。実際にイベントのサークル向け参加案内にディズニーキャラクターを題材にした同人誌の発行を禁じる注意書きを表記したものが存在する。



初出:2007年4月1日版
2007年9月12日に項目「著作権とウォルト・ディズニー社」ごと削除される

このような姿勢から、しばしば「卒業・卒園式の記念に描いた寄せ書きのミッキーマウスが、話を聞きつけたディズニー側によって回収・破棄された」といった都市伝説的噂が流布されたり、同人誌方面ではディズニー関連の物は事実上執筆・発行ができない(ディズニー側の弁護士によって告訴される恐れがほぼ確実であるため)といった影響が出ている部分がある。




同人誌 - Wikipedia


初出:2016年3月25日
二次創作物を著作権を侵害するものと明確に見なして法的手段を駆使して積極的な規制を公然と行なっている企業や[要出典]、個人ないし個人事務所のレベルでその様なことを行なっているクリエイターも存在する一方で(以下省略)



初出:2012年8月22日
2016年3月現在残存

ディズニー、サンライズ、任天堂やコナミのように二次創作物に対し法的手段を駆使して積極的な規制を公然と行なっている企業がある一方で、無許諾ではあるがファン活動の延長線上にあるものとしてとらえ、または宣伝効果や相乗効果の発生を期待したり、あるいはこれを前提とした作品作りを行い、著作権者に対する中傷・風刺などの実害が及びかねない内容や、著しく反社会的な態様の作品でもない限りあえて黙認している著作権者も少なくない。なお、黙認とは、黙って認めることであり、認める意思がなく単に沈黙しているに過ぎない場合は本来、含まれない。



初出:2007年11月27日
2012年8月22日改訂

ディズニー、サンライズ、任天堂やコナミのように二次創作物に対し積極的に法的手段を用いて規制する企業もあるが、多くの企業は、ファンクラブの延長線としてとらえ[6][7]、また宣伝効果や相乗効果を期待して、著作権元に実害が及ぶような作品でもない限りあえて黙認している[8]。

注釈[8]
規制に積極的とされる企業であっても、コミケットなどの同人イベントでの摘発事例はなく、「子供の落書きにまで規制を入れる」ディズニーを別とすれば、摘発はこれらの商業流通のものに限られている。





・まとめ―なぜディズニーを畏怖する風潮は消えないのか

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↑コミケへの企業参加が報じられると「同人業界の敵がぬけしゃあしゃあとやってきやがって」的な反応が巻き起こった。何も起こらなかったせいか現在では忘れられている節がある。

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↑TPPに関しても「ディズニーに同人文化が潰される!」との声が上がったがまるで毛唐に怯え攘夷運動に走る幕末の浪人のようだ。



『HEROMAN』の同人誌が同人ショップに委託できない?‐藤堂志摩子のAngel Heart Club
コミックマーケット78 - ゲーマーズライフ
↑『ヒーローマン』はディズニーが関わっているから同人誌を出せないとする空気が広がったがキャラクターデザインを担当したコヤマシゲト氏が同人誌を出している。とらのあなが委託を受け付けなかった「らしい」との噂も広まったがディズニーそのものの同人誌をすでに2009年に委託している(現在も通販サイトで確認できる)のでかなり怪しい。

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二次創作はグレーゾーンか? 「公式への問い合わせ」の是非 - Togetterまとめ
↑他ジャンルの議論で「厳しい企業」の例えにディズニーを持ってくることが非常に多い。関係ない界隈の学級会から流れ弾を送り込んでくるのはいい加減にして欲しい。







↑二次創作ではないがあまりにひどいので一例として。アニメに造詣の深い知識人ですら「血も涙も無い著作権ヤクザ」というイメージを固めるためにこのようなデマを流すのがディズニーの一般的な扱いだ。なお公式伝記『ウォルト・ディズニー』や先年出版された"Disney During World War II"はもちろん 『ミッキーマウス―ディズニーとドイツ』『創造と狂気』などの非監修伝記にも見当たらず、陰謀論者に好まれる『闇の王子ディズニー』ですらここまで極端なことを書いていない。一体何を元に書いたのだろうか?

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海外のコミックマーケットはどうなってるの?海外同人コミケ _ 漫画アニメ.com
↑海外に二次創作活動は存在しないと明言する一例。ググれとしか言いようが無い。

#有害都市 内部で描かれたアメコミに関する描写が不適切で大炎上 - Togetterまとめ

戦意高揚プロパガンダのキャプテンアメリカをアメリカの正義を疑うキャラにしたハリウッドは偉いと語る原作未読の@C4Dbeginner 氏 - Togetterまとめ

●続・最近の著作権とか。‐アコログ
↑「能天気なヒーロー物しか存在しない」「コミックコードで多様なコミック文化が滅んだ」とするアメコミのステレオタイプに関するツッコミ。偏見と誤解がまかり通る状況は同じような物だろう。

ディズニー=悪の大企業的揶揄はネタでももうやめようよっていう話 - Togetterまとめ

「コミケにディズニーの同人誌は存在しない」「コミケはディズニーの同人誌を禁止している」は「そんな危ない物があってはならない」「止めさせなければならない」と表裏一体なのでここまで否定してみたが、一体なぜディズニーを忌避する風潮は根強いのか。

好き嫌いならば個人の問題なのでどうぞご自由に。何かしらの信条でディズニーの同人誌に手を出さない、それも納得がいく。しかし嘘を錦の御旗として振りかざし同人誌の頒布を止めさせる、これは明らかにおかしい。
情報が入ってこなかった時代はしょうがないし誰にでも誤りぐらいある。問題は未だに「ディズニーだから危ない」と広める根拠はどこにも無いということだ。大企業の有名税ということもあるだろうがコミケへの企業参加や二次創作の取り込みなど「角川みたいなことをやってる!」とも言えるディズニーを忌避する風潮がなぜ消えないのか。あれだけ氾濫する夢の国チキンレースやアナ雪の「歌ってみた」が消されないことを誰も疑問に思わないのか。鉄道忌避伝説や砂漠でパスタを茹でたイタリア軍を現在も本気で信じ込み他人に強制させる人がいたらお笑い物なのになぜディズニーはこんな理屈がまかり通るのか。
なぜなら大多数にとってディズニーとはポジショントークの道具に過ぎないから だ。
ありとあらゆるコミュニティでディズニーに全く関係ない人から同人誌に精通していそうな他ジャンルの大手までがこの都市伝説を本気で信じ込む理由を筆者にはこれしか思いつきようが無い。

「ちゃんと同人誌について考えていますよ」アピールをしたい。
海外だからいい加減なことを言ってもバレない。
「調べるまでも無い常識」なので改めて現状を知る必要なんて無い。
夢の国なんて所詮一般人向け、我々とは全く縁の無い世界だ。
ディズニーという特別危険な範囲を設定してそうではない自らは安全であると思いたい。
著作権ヤクザに抑圧された海外!寛大なる配慮の下コミケが花咲いた日本!わが国独自の世界に誇るべき同人文化!外患から平和な世界を守らなければ!

まあ、いろいろ読む限りそんなところだ。
誰だって興味が無いジャンルについて知識を持ち合わすわけではない。だったら四の五のデマを撒き散らす前にまず調べれば済む話だ。全く関係ない人どころかディズニーの二次創作をネット上で堂々と公開する人までこの調子なのでため息が出るが、前回取り上げたディズニー自警団はあくまでこの「調べるまでも無い常識」に従っているにすぎず、あれだけを強調したのは筆者の間違いだった。ディズニーを忌避する風潮の原因はディズニーそのものではなく実質的に同人界隈のマッチポンプであり本気で信じ込む人がいなくなれば自然と消えるのであり、「自警団が怖いから出せない」で終わらせる話ではない。同人界隈が一丸となってずっとディズニーを悪魔扱いしてきた結果がこの様だ。
しかし解せないのは「ディズニーの衣装を着せてみたパロディ」の存在だ。昔から多々見られプロの漫画家ですら描くほど盛んだが忌避感が薄れないどころかこの種のパロディを描きつつ「ディズニーは危ない」と叫ぶ大手氏が出現するなど、結局ディズニーは他ジャンルにとって二次創作の衣装箱程度にしか思われていなかったわけだ。もしも半分でもディズニーそのものとして描いていたらくだらない都市伝説なんぞあっという間に吹き飛んでいただろうと愚痴の一つもこぼしたくなるが、所詮個人の感想であり隠せとも止めろとも言わないのでどうぞご自由に描けばいい。

「社会的反抗のため警告を無視して送り付ける」「無許可の絵が新聞で大々的に取り上げれた」…ディズニーが厳しい証拠として挙げられる事例はどれもこんなことをしたらディズニーに限らずどこでも同じ対応を取るだけだ。「オズワルドの版権を奪われて著作権に厳しくなったのだから同人誌なんて認めるわけもない」に至ってはどうせNaverまとめを読んで知った口だろうがあまりにも飛躍しすぎて問題外である。
そりゃあまりにもやりすぎて公式の目に余る事態に陥るのは良くない。しかしそれは「ディズニーだから」ではなく全ての同人誌に共通する話であり特段ディズニーを強調することでもないし、嘘を振りかざして頒布を中止させることを正当化していい理由になるはずもない。

繰り返しになるがもちろん「公認されているから無法地帯でも構わない」なんて極論を主張するつもりもまったく無く、公式が二次創作の取り込みすら行いながらも同人誌と二次創作のガイダンスを出していないのであくまで肯定寄りの黙認と見るしかない(一部で『イメージを壊さず金をとらない二次創作なら認める規約』は二次創作ではなく『Disneyサービス』の規約であり、そもそもこれを適用したらすべての企業が同人誌を禁止していることになる程度のものだ。それに明らかに『イメージを壊す』夢の国チキンレースや変態ウッディetcが消されないのは一体どういうわけなのか?)。ガイダンスを出さない以上は即売会のルールに従いゾーニングを守るなど他ジャンルと同程度のファン活動に納め、その上で公式から通達が来たならば従うべきだろう。
何かと話題になりやすい18禁にしても企業参加した回に参加したサークルが無事であるから問題が起こるとしたら「ディズニーの18禁同人誌」そのものではなく「18禁の同人誌をおっぴろげにする」場合だ。
同人誌ならば年齢確認を厳守する、ツイッターならば鍵をかけるなり「ツイートする画像/動画を不適切な内容を含むものとして設定する」をチェックするなり場に合わせた対策をきちんと取るべきである。
しかしながらルールを守る限り止めさせられるのは公式のみ。公式が黙認する限り関係ない外野が口出しできることでは無い。ましてやとっくに否定されたデマを振りかざす人に正当性は皆無だ。
そう、ディズニーとて一般的な他ジャンルと変わらないのである。


ひとつばなしならともかく真面目な議論の時ぐらいは根拠を掲示しろ。
ちょっとは調べろ。目の前の箱は何だと思っている。
調べる気が無いなら黙れ。デマを流すな。
以上

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2014/06/10

ディズニーの同人誌は本当に危ないのか?

※2015年10月
全面的に改訂。以前の記事は追記に移動。
お手数だがソースとして掲げるリンク先を必ず一読して欲しい。どれもググればすぐ引っかかることばかりだが誰も見向きもしないからこうしてまとめたのであり、それを読まないで「ディズニーは危ない」と騒がれても反応に困る。
2016年3月更新
「コミケはディズニー同人誌の頒布を禁止している」とする風説について
コミケの同人誌及びなぜディズニーを畏怖する風潮が消えないかについては上記の記事にて。
2016年10月更新
ズートピア関連の事項や筆者のコミケ90への参加、組合の自主規制についてなど追加。
2017年5月更新
同人界隈におけるディズニー忌避風潮1:組合と印刷所の自主規制
本記事の全面改定版。なぜ忌避風潮が定着したのか?キングダムハーツ周辺で何が起きたのか?他のジャンルと比較してどうなのか?等々思いつく限り全てをまとめた。ここで挙げた事柄を省略している部分もあるので一応両方に目を通してもらえるとありがたい。


本記事の要点
・ディズニー公式がファン活動としての同人誌及び二次創作を訴えた、もしくは明確に禁止した事実は無い。
・ほとんどの企業と同じく二次創作についてのガイドラインは存在しないが、コミケへの企業参加や二次創作の取り込みなど動向を見る限り明らかに黙認寄りと見られる。
・「アナ雪ブームの盛り上がりを見て公式が取締りを緩くした」ではなく「同人業界(ここが重要。ディズニーオタなどに限った話ではない)が一丸となってデマにデマを重ね『二次創作物を著作権を侵害するものと明確に見なして法的手段を駆使して積極的な規制を公然と行なっている企業』という虚像を作り上げて勝手に怯えていた空気が変化した」が正しい。
・確かな根拠も無く憶測とデマを広め「ディズニーの同人誌は危ない」と主張して頒布を止めさせようとする手合い(通称ディズニー自警団)の言い分は聞き入れる必要性が全く無い戯言である。
・印刷所への入稿(危ないとする根拠として挙げられる日本同人誌印刷業組合の自主規制は形骸化している)、即売会における頒布(コミケが禁止した事実は存在しない)、通販サイトへの委託(とらのあな、コミックZIN、アリスブックス等)が可能ということは普通のジャンルと何も変わるところはない。
・よってディズニーの同人誌は「ファン活動としての範疇に収まる限りは」可能である。なお、もしも本記事を読んで新しく始める方がいらしたら同人活動についてご自身でお調べすることを強くおすすめする。「何をやっても許される無法地帯 」ではむろん無いからだ。
・そもそも本記事以前からディズニーの同人誌は存在しており、絶対に有り得ないとする一部の言説はまったくの間違い。
・本記事は以上について、ソースを提示しない「~だった気がする」「~と聞いた」「~なはず」ではなく確固たる根拠を持って説く。
・とは言ってもわざわざこんな長文を書かなくても一般人向けでは無断転載botが、男性向けでは「夢の国チキンレース」が、女性向けでは「ネズミーのかわいい衣装を着せてみたパロディ」がいくら世の中に溢れかえっても消されない事実から彼ら自身で「ディズニーに消される」は間違いと証明済みのはずだが。
・なお同様の自粛風潮は確かに女性向けジャンルで多いが、男性向けでもヒーローマンなどで発生しているので「男性向けジャンルで過剰な圧力による自粛はありえない」は間違いである。

前置き―矛盾に満ちた自警団

コミケなど即売会では同人誌の無いジャンルは無いほどだがネットにおいてディズニーに関しては絶対に関わってはいけないタブーとされ同人誌は存在しないことになっている。

二次創作はグレーゾーンか? 「公式への問い合わせ」の是非 - Togetterまとめ  
↑刀剣乱舞に関する学級会だが「二次創作の中で割りとよく知られているかもしれませんが、ディズニーの二次創作はご法度です」と突然ディズニーを引き合いに出している。参考として現時点より曖昧な記述である2011年版のPixiv大百科をわざわざ提示するので意図的な情報操作としか思えない。

関係ない二次創作界隈の学級会でもディズニーを明確に禁止する事例として引用するなど恐怖の大魔王そこのけの扱いだが、そこまで言うならしかるべき根拠を示しても構わないだろうに自警団を含めだれも明確なソースを提示した試しがない。それは当然だ。そもそも明確に禁止しておらず筆者を初めとして、いや筆者以前からディズニーの同人誌は存在するのだから。

花鳥風月
↑マナ-サイトの一例。「ディズニーには関わらない」と強く否定する。昔の記述だから仕方がない面もあるがコミケへの企業参加など本記事で挙げるまだ「危ない」と言えるのか、そもそも「海外だから危険」は偏見では無いのかなど疑問点は多い。なおディズニーと共に禁止する厳しい例として挙げられるハリーポッターも実際は正反対の状況であるようだ(BBC NEWS _ Entertainment _ Rowling backs Potter fan fiction)
■警告・告訴になった例 - 【実は危険な同人グッズ】~模倣品・海賊版?~
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↑警告・告訴になった事例を挙げるといいながら「初心者の炎上を防ぐため」と称して「ディズニーは落書き程度でも二次創作で配布する全てを許していない」をトップに持ってきていたマナーサイト。修正後は「ネット上のファンアートであれば問題がないと思われています」と付け加えられたがそれも憶測でしかなく妥当ではない。そこまで言い切るのならしかるべき出典をだすべきである。

実際のところ最大の障害はディズニーそのものではなく周囲の空気にある。マナーサイトなどは昔から積極的に「ディズニーは危ない」と注意喚起し二次創作界隈の改めて調べるまでもない常識・暗黙の了解として定着しており、不運にも見つかった場合は村八分の勢いで責め立てられ中止に追い込まれる。

 
ディズニーの同人誌を公開することは本当に危険なのか?
↑2015年1月に発生したベイマックスとタイバニのダブルパロディ本が自主回収を迫られた事例。タイバニジャンルの人が「ジャンルまで被害が及ぶから止めろ」と動いた模様。本件がディズニーの同人誌に関する議論の直接的な火種となった。

ディズニーの二次創作を止めさせようとする人たち―ディズニーを畏怖する風潮はなぜ消えないのか? - Togetterまとめ
↑2016年3月の事例。本件はネットWatch板と大差無い炎上屋や愚痴アカが他人を叩く棍棒としてディズニーを用いたのが実情である。

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↑ディズニー自警団の事例。18禁ばかりではなく普通の同人誌ですら「危ないから止めろ」と叩かれている。
なおここではあくまで事例として挙げたにすぎず、彼らの言動に正当性は無くそもそもかち合う可能性もかなり低いのでこれから活動しようとする方が萎縮される必要は無い。

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↑実際に動かずとも自粛を呼びかける彼らもまたディズニー自警団の一種。碌に調べもしないまま憶測とデマを散々広めた挙句「リツイートされすぎて怖くなったから」と訂正もせずに消して「ディズニーは危ないという『事実』」を再認識した空気のみ残るのが常であることを考えれば実力行使に出る層とどっこいどっこいの悪質さであろう(いやそこまで言わしめる『空気』こそ諸悪の根源か?)。ちなみに筆者は数回彼ら自警団にそのような話を広める根拠を問い合わせたが誰も根拠を示したことは無い。

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↑セックスだの性欲処理だの日常的に変態ツイートを発信する人が「極普通に作品を親しんできた人達(特に子供)の視界に入るような事があればどう責任取るつもりなのか(原文ママ)」と同人誌を危険視する事例。個人の好き嫌いならばともかくこれでは筋が通らない。2013年8月の事例でもそうだったが、全世界の人々が閲覧できるインターネット上に「ディズニーの衣装を着せてみたパロディ」やこの類のツイートを置いておきながら「同人誌が他人の目に入ったらどうする」と危惧する人が非常に多い。あなたの目の前の箱は一体何だと思っているのだ。

ディズニーに関係する同人誌を出そうとした方が自主規制を強要された事例は現在TwitterとPixivでログが残るだけでも2013年から数えて5件。ディズニー同人誌の総数に比べれば微々たるものだが彼らのジャンルはディズニーそのものだけではなくディズニーに比較的近いはずの洋画、ダブルパロディ(ある作品のキャラを別の作品のキャラに置き換えるパロディ)の相手ジャンルであるタイバニや刀剣乱舞などまで広がる。さらに同人誌に留まらずPixivの企画ですら中止に追い込まれたがこれはログが残っていないため取り上げられない。

「他のジャンルは大丈夫だがディズニーは二次創作と同人を認めないからダメだ」「ディズニーのイメージが壊される」「関わったら自分たちのジャンルが潰される」「暗黙の了解、タブーを犯している」「第三者の目に入りやすいから絶対に止めろ」と同人誌の作者に中止を迫る主張は共通しているが、彼ら自身は全国的に知名度のある少年漫画あるいはサンライズや講談社など公式が禁止を明言するジャンルの人であり、しかもネットで全世界に二次創作を発信するとなれば同人誌以上に「イメージを壊している」ように見受けられるからディズニーのみに関してことさら騒ぎ立てるのはおかしく見える。そこまでディズニーのみを危険視する理由はどこにあるのだろうか?
積極的に根拠の無い注意喚起を行い同人誌の作者に自粛を強要する彼らを筆者は架空の東方警察とデマに乗って虐殺を引き起こした関東大震災の自警団にちなんでディズニー自警団と呼び表すが、本記事では自警団の主張する「ディズニーの危険性」についてなるべく根拠を掲示しつつ最大の原因は彼ら自警団自身、それに留まらず同人業界そのものによるマッチポンプであることを示す。根拠の無い伝言ゲームを繰り返して実体の無い虚像を作り上げるのはこれっきりにして欲しいものである。


公式の見解と海外の状況
上海アリス幻樂団創作物の二次創作・使用関連ページ
↑ほぼ完全に認める事例。
著作物に関するQ&A‐カプコン
著作物転載ガイドライン‐ニトロプラス
↑非営利の条件付きで認める事例。
著作権・画像使用等について‐講談社 
ファンの皆様へ‐サンライズ
↑明確に認めない事例。

同人や二次創作に関するガイドラインを設ける企業は講談社やサンライズなど明確に禁止する企業もいくらかある。「ディズニーは禁止している」ならばガイドラインや規約でその旨を記しているはずだがウォルトディズニーカンパニー、ウォルトディズニージャパン、オリエンタルランドは一切言及無し。禁止も公認もしていない点ではほとんどの企業と変わりない。


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↑「規約」を流布した本人は訂正もせずツイート(左の非公式リツイート先がそれ)を消された模様。根拠無き伝言ゲームをますます混迷化させるいつものパターンである。

なお一時期Twitterで流れた規約(利用規約|ディズニー|Disney.jp|)は「Disneyサービス」に関するものであり、特に取り上げられる「3.お客様のコンテンツとアカウント ユーザー作成コンテンツ」はこの件にそのまま適用できるわけではない(これで『同人を禁止している』とするならば全ての企業も同様に禁止を明言していることになるはず)。
一部でささやかれる「イメージを落とさない類ならば認められる」に関しても、どう贔屓目に見てもイメージを汚している変態ウッディやプニキ、『夢の国チキンレース』系イラストがそのまま残る時点で説得力の無い俗説である。個人的に変態ウッディは面白いと思うけどね。

芳文社や小学館などの二次創作禁止(?)ガイドラインの真相について、出版社の中の人が解説してくれました。- Togetterまとめ
↑禁止事項は同人誌に関しては程度問題に集約されるとの記述。

ちなみに明確に二次創作を禁止するサンライズはガンダムやタイバニなど人気ジャンルを抱えており自警団もここで同人活動を行っているが彼ら自身は大丈夫だろうか?「ディズニーに関わったら自分たちのジャンルが潰される」と心配する前にまず自身が「潰される」はずだが。

キャプチャ合体
↑1月の騒動時に見かけたタイバニジャンル(黒)と別の方(赤)のやりとり。延々と続く「(禁止している)サンライズはお目こぼしを頂くから構わないが(明言していない)ディズニーは絶対にダメ」のやり取りはいろいろと考えさせられる。

ポケモン同人誌事件の情報ソースについて - Togetterまとめ
↑ポケモン事件のまとめ。

ラブプラスのコナミが訴えた二次創作の「著作権侵害」事例‐esu-kei_text 
そうでもなかったよ?‐今日の言わせれ
↑『ときめきメモリアルを題材にした18禁同人アニメ『どきどきイマジネーション』に関するまとめ。

「封印されたミッキーマウス」を読みました‐ReadMe!Girls!の日記・雑記 
↑コメント欄では2003年にポケモンのファンサイトを開設したところ小プロから警告のメールが来たとの証言がある。「○ケモンビジネスの破壊行為」「一週間以内にデリートしないと法的処置をとる」はなかなか強烈。

艦これ、コスプレROM販売禁止騒動から続く、同人活動についておさらい - Togetterまとめ
↑艦これの18禁コスプレROMが公式からの通告で販売中止になった事例。これをもって「艦これの同人は危ないから止めろ!」と叫ぶ人はいないのにどうしてディズニーの場合は同じような理屈がまかり通っているのだろうか?

パレードは“著作物”――東京ディズニーリゾートのパレードを収録したDVDを無断販売したグループが著作権法違反容疑で逮捕される-dpst.jp
パークショーDVDを販売していた2グループが逮捕‐舞浜狂 
↑ディズニーの著作権関連で実際に逮捕者が出た事例。他ジャンルで例えるなら「アニメ本編の違法DVDで丸儲け」なので逮捕されるのも当たり前だ。

もしも実際に訴えたならば任天堂やコナミのようにしかるべき記録が存在してもおかしくないが筆者が調べた限りディズニーがファン活動としての同人誌を訴えた事例は存在せず自警団がソースとして提示したことも無い。そう、自警団ばかりかディズニーは危ないと呟く人も「聞いたことがある」「だったはず」「と思う」ばかりで具体的な根拠を挙げたことは一度も無くあたかも「根拠を求めること自体間違っている常識」と言わんばかりの態度なのだ。



【裁判】チャップリン映画のDVD販売は著作権侵害 | 著作権・契約書作成なら藤枝法務事務所


『ローマの休日』はOKなのに『生きる』はNG、廉価DVDの東京地裁判決 - 街の灯

ミッキーマウスの前身であるオズワルドの権利が奪われた事件を同人誌を許容しない原因として引き合いに出すことが多いが、それはディズニーが著作権に厳しい理由であり本件に関する直接的な理由としてはピントがずれている。逆に言えば他の企業は「著作権に厳しくないから大丈夫」とでも言いたいのだろうか?
おそらく検索で上位に来るNaverまとめを見て知ったのだろうがせめてウォルト・ディズニーに権利保持の重要さを説いたキャラクタービジネスの先駆者チャップリンの影響を挙げて欲しいものだ。ちなみにチャップリン作品は黒澤明と共に廉価版パブリックドメインDVDの販売差止め裁判が行われているので、販売会社が事前に問い合わせても否定しなかったディズニー(安藤健二『ミッキーマウスはなぜ消されたのか』)よりよほど「著作権に厳しい」がこちらは全く話題にならない。


未来を見るディズニーCEO‐アニメ!アニメ!ビズ
 
2006年7月22日日本経済新聞朝刊における現ディズニーCEOボブ・アイガーへのインタビューは注目に値する。なぜならば「誰もがコンテンツを楽しみ自由に創造活動が出来るように、コピーや(パロディなどの)二次利用に対する制限を今より柔軟にすべきだろう」と先のTogetterまとめと同じような発言を、それも何年も前に会社のトップがしているからだ。

『ミッキーマウスを殴り倒したゲーム作者「600万円で起訴」』はディズニーを騙る詐欺でした - Togetterまとめ
↑フリーゲームの制作者自身によるまとめ。

2012年にミッキーの首をはねる描写があるフリーゲーム『ハナコ』制作者の元にゲームの制作中止と名誉毀損のかどで600万円の賠償金を請求するメールが届いたが制作者によれば「ディズニー関係者」と連絡を取ったところ本件に関してノータッチだったとのこと。ディズニーを忌避する空気を利用した恫喝、詐欺、悪質ないたずらに過ぎないがそれでも「ディズニーがフリーゲームに警告を送った」とされるのは解せない。
実際には後に挙げるようにまず内容証明が届くのでメールが来てもあたふたしないように。


ディズニーがコミケにやってきた! 「エンダーのゲーム」PRで吹き替え声優も来場‐ねとらぼ

2013年コミケに実写映画『エンダーのゲーム』の宣伝でコミケにウォルトディズニージャパンが企業参加したが「著作権ヤクザが何をのこのこと」とフリーゲームの騒動と同じく散々な評判でありアニメ作品に関する出展ではなかったからかその後思い出されることもあまり無い。しかし同人誌をまったく認めない企業ならばあり得ない行為であることは間違いない。

‘Frozen’ Director Debunks Major Disney Conspiracy Theory
「アナと雪の女王」のアナとエルサはターザンのお姉さん!?‐ねとらぼ
↑日本ではターザンに関する部分だけが注目されるが原文の趣旨は監督の発言「異なる作品を結びたければそうすればいい。それがディズニーの精神だ」にあるかと。
海外ではdeviant ArtやTumblrを見れば一目瞭然だがもちろん「ディズニーだから危ない」なんて意識は存在せず二次創作ががんがん投稿されている。近年はアナ雪のエルサと『ガーディアンズ』のジャックフロストを組み合わせた非公式カップリングの「ジャエル(英語表記はJelsa)」が人気を博し、さらにラプンツェルと『ヒックとドラゴン』のヒックも組み合わせるまで発展しており、アナ雪の共同監督も海外の二次創作界隈に対応する発言を行うほどだ。

Question of the Week - Disney Animators
ディズニーアニメーターの非公式フェイスブックで開かれるQ&Aでは「エルサとジャックは違うスタジオのキャラだけどお似合いのカップルだから公式で共演できない?」 との問いに対してビジネスの壁を理由に挙げて「『ロジャーラビット』『シュガーラッシュ』のようなカメオならばあるが本格的な共演は無理」と答えながらも冒頭でファンサイトに言及しており明らかにジャエルを知っている口調で。そりゃまあネットで全世界に発信したからには知らないはずは無いので当たり前ではあるが、無論公式ではないもののアニメーターとして言及した事実には変わらない。

「Star vs. the Forces of Evil」放送開始でファンアート特集?‐ReadMe!Girls!の日記・雑記

Act Your Age - Phineas and Ferb Wiki - Wikia
↑フィニアスとファーブ最終回"Act Your Age"(邦題:もう子供じゃいられない)
Quick mention about the PnF Panel guys! by KicsterAsh on DeviantArt
↑作者のAshley氏による解説。

deviant Artに投稿されたディズニーチャンネルのアニメ『スターバタフライ』のイラストを公式が作者に許可を取って宣伝に用いた。『フィニアスとファーブ』の本編でキャラクターデザインに二次創作を取り入れるなどハードルが一段と低い傾向はあるがそれでもPixivでイラストコンテストを開催するようなものでありこれでもまだ「ディズニーに見つかったら消される」は正しいと主張できるだろうか?

ales from the Haunted Mansion-DoomBuggies
マダム・レオタって何者?―ホーンテッドマンション研究 _ ディズニーランド攻略.com
↑DoomBuggiesによる非公式ストーリーの解説とその紹介記事。

二次創作の取り込みといえばディズニーランドの人気アトラクションホーンテッドマンションも同様に行っている。 有名な「バックグラウンドストーリー」が上記で語られるようにキャストの創作であり非公式だとは逆に知られているが、実のところ館内のゴーストもマダムレオタとピックウィック以外名前すら持たず(ジェイソン・サーレル『メイキングオブホーンテッドマンション』によればアトラクション建設時の資料で正式名称を確認できるのはこの二人のみ)、現在様々な呼び名があるのはファンの間で作られたストーリーが逆輸入された結果である。


 

↑2014年の百合オンリーでアナ雪が一大勢力を誇ったとの証言。
冰雪奇緣 - 同人誌搜尋 - 台灣同人誌中心
↑台湾の通販サイト『台湾同人中心』ではアナ雪の同人誌が約30件検索結果としてひっかかる。
RDJism (Movies Carnival 3 Poster 21_06_15 Western Movies...)
↑Movies Carnival 3のポスター。左上にベイマックスとヒロ、右下にエルサとジャックが描かれている。



↑洋画オンリー“Movies Carnival 3”の配置表。6段目に注目。

アメリカ以外の国を見ると、日本に近い台湾ではディズニーの同人誌が盛んにやりとりされタイで開かれた洋画オンリー “Movies Carnival 3”ではベイマックスとアナ雪が結構スペースを取っているのを確認できる。正確な当地の空気はわからないが少なくともディズニーの同人誌を出したからとって自警団が攻め寄せてくる風潮では無さそうだ。




BrianKesinger (Brian Kesinger) - DeviantArt
↑スチームパンク方面で有名なディズニーのアーティストBrian Kesinger氏のDviant Art。ベイマックスのイラストやエルサのコラなどが見られる。本国ディズニーギャラリーの企画展メカニカルキングダムでは彼のイラストが販売される。

Comic Con Commissions! ‐Art of Victoria Ying
↑ディズニーのアーティスト、ヴィクトリア・インVictoria Yingによる2012年commissionの告知。
「ネット上の二次創作なら見逃されるが金銭が絡むと容赦しない」との声もディズニーのアーティストがコミコンComic Conなどのイベントでcommissionと呼ばれる有料のリクエストを実施している事実から反論できる。日本で例えるならアニメーターが自身の参加作品の同人誌を出すような物であろう。


My Junk Drawer
↑Amy Mebberson氏のタンブラー。見かけた方も多いだろう。
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PREVIEWSworld - DISNEY PRINCESS #1
↑Disney Comicsから出版予定の"DISNEY PRINCESS COMIC"。ネットで展開中の" Pocket Princesses"シリーズをまとめたもの。
さらに上記のように積極的に二次創作の公式への取り込みすら行っているということはつまりコミケへの企業参加と併せて「ディズニーが角川みたいなことをやってる!」とも言えるわけで、公式が二次創作に対してどのようなスタンスであるか一目瞭然である。












そしてズートピアのリッチ・ムーア、バイロン・ハワード両監督が普通のイラストから擬人化、カップリングまでガンガン紹介する様子を見れば「公式にバレたら危ない止めろ消される」いかに馬鹿げているか、すぐにわかるはずだ。









↑「この二人のカップリング("ship")が人気だけど何か名前ありません?」「うーん、ラリーかな?"ゲイリー&ラリー"の語感が好きなんだ。どう思う?」「ラリー!それでいこう!」
ファンと監督たちのモブの名前に関するやりとり。ここまでくると逆に海外の方がゆるく見える。



↑ディズニー公式アカウントによるQ&Aでファンアートについての質問に答える監督たち。ファンアート大歓迎と明言して絵を送られるとコメントを返している様子からは「ファンアートでも訴えられる」ことは絶対にありえないと言える。

「前例」
ディズニーが訴えた前例としてよく取り上げられる「アメリカで実際に訴えられた同人誌」と「小学校のプールに描いた絵」の二件は確かに事実だが調べてみると単純に二次創作・同人誌の事例としては扱えないことがわかる。

Disney vs the Air Pirates 
【閲覧注意】ミッキーマウスのエロ同人誌! ダン・オニール『エアー・パイレーツ・ファニーズ』について - Togetterまとめ 
ディズニーに訴えられた男‐ReadMe!Girls!の日記・雑記

1971年に出版されたダン・オニールのエアパイレーツは「アメリカで実際に訴えられた同人誌」としてたびたび話題にあがるが、カウンターカルチャー全盛期に初めから訴訟を目的とした挑発行為であり現代のファン活動としての同人誌に関する事例として持ち出すには不適当である。むしろここまでされて訴訟しない企業はあるのだろうか?

安藤健二『ミッキーマウスはなぜ消されたか---核兵器からタイタニックまで封印された10のエピソード』河出書房新社
★プールのミッキーが消された真相を調べてみました♪ カモさんの立体写真so-net館
プール絵読売新聞朝刊
↑ネットで普通出回る記事(1987年7月10日産経新聞(東京版)夕刊)ではなく1987年3月13日読売新聞(滋賀版)朝刊より。地方版とはいえ全国紙に掲載されたことからのちの騒ぎに発展したと考えられ、実のところアフィブログのマッチポンプと大差ない。

1987年滋賀県の小学校のプールに描かれた絵が消された事件は事例として特に有名だろう。公共の施設に無許可で描かれた絵、特に恒常的に残ること地方版とはいえ全国紙に掲載されたことがディズニー側も無視できなかったと受け取るのが妥当だが、当時メディアが「高圧的なディズニーと哀れな小学校」の構図で煽ったことから海外は厳しいとの偏見が定着したと共に「子供の絵でも消される」俗説の大元になったと考えられる。
なぜここまで一見厳しい態度を取ったのか。東京ディズニーランド開園の1983年前後に雨後の筍のように出現した海賊版を一掃するべく努力していたからだが、ネットではまったく見かけないので東京ディズニーランド開園をディズニー側から書いた『TDL大成功の真相』から当時の様子を引用する。

開園の頃から、早速深刻な問題に見舞われる。当時はまだディズニーランドの傍まで電車が乗り入れておらず、地下鉄東西線が唯一の公共交通だった。その地下鉄の浦安駅からTDLへつながるバスターミナルまで、そしてTDLの駐車場の周辺にかけて縁日の出店のような簡易商店がにょきにょきと現れてはまがい物のミッキーマウスやTシャツなどの販売を始めたのである。 TDL側は浦安警察署に取締りを要請したがなかなか埒が明かない。(中略)しかしディズニー側は後には退かなかった。彼らは法を破っているんだ。それを取り締まらないでいられようかと言う立場を貫き施設の部隊を編成、違法者の一掃に踏み切った。
彼らの車のナンバープレートを控えそこから名前を割り出し彼らがそうした品物を仕入れるために使用している請求書とか納品書といった書類を収集した。そしてこれらの証拠を元に製造元を割り出し弁護士を通してこれ以上このような行為を続けると著作権侵害の罪で訴訟を起こす旨通告し、なんとか彼らを根絶やしにしたのである。
その後も常に調査員が町に出て、似たようなケースが起きた場合にはそれらの商品を購入し写真を撮り追跡した。我々は断固とした処置をとるということを相手にわからせなければならないのだ。(中略)
その他、例えばミッキーマウスのマークをデザインした喫茶店などへも出向きオーナーにあなたのやっていることは違法ですよと説明する作業等も根気よく続けられた。     ダグラス・リップ『TDL大成功の真相』NTT出版



以上見るように日本がまだパクリ大国の面影を残していた時代における「原著作物の収益性に影響する」営利活動の摘発事例が「ディズニーに消される」とする俗説の元ネタであり小学校もその余波をかぶった事例なので、これら二件を「ディズニーは実際に同人や二次創作を潰したから危ない」とする直接的な根拠として用いることはできない。



二次創作

2015年秋イベントのアトモス『ヴィランズ・ハロウィーン・パーティー』に出てくるヴィランズの手下は学級会を誘発させるほど二次創作界隈にウケがよいがディズニーが二次創作界隈で盛り上がりを見せるのは今に始まった話ではないので二次創作に関する流れもまとめる。 
もちろん2000年代からディズニーの二次創作を取り扱うホームページは存在したが後に述べるキングダムハーツの自主規制の余波でホームページも伏字や鍵で対応するのが標準の空気になっていた。ところが当時から鍵をかけないサイトは存在しながらもディズニー公式がそういったファンサイトを消したということはない。
対象も映画作品が主であり東京ディズニーリゾートの人間キャラやダンサーはおまけ程度の扱いだったがイラスト投稿SNS 、Pxivの台頭により状況が変化した。

pixivではディズニー系のファンアートは不可―カートゥーン好きのタワゴト
その他いろいろ, ◎削除報告メール
↑イラストを削除された作者による記述。問い合わせに対するPixiv事務局からの返答は「ディズニーに関する作品は基本的にすべて削除しております」とかなり強い調子。

 
↑2008年に投稿されたディズニーイラストの一例。単なる模写だが『夢の国チキンレース参加者』『作者は命知らず』タグが追加されている。

現在Pixivでは盛んにディズニーのイラストが投稿されているが開設された2007年から数年間ミッキーマウスなど知名度のあるキャラクターイラストを削除していた。もしも本当に「子供が描いた絵でも消される」ならば何万件も投稿されるなら海外のdeviant Artが真っ先に消滅するはずなので明らかに過剰な自主規制だったが、ディズニーをホームページ同様に忌避する空気が醸し出されサウスパークやディズマランドなどのノリでネタにする『夢の国チキンレース参加者』『作者は命知らず』タグがそのような要素がまったく無いまじめなイラストにも追加されていった。



TDL Halloween _ maruco illust gallery
↑トップ3にランクインしたリ・ヴィランズのイラスト。当時保存したファイルの作成日時は2009年9月29日
この風潮もホームページ文化の衰退とともにだいぶ収まってきた2009年の秋パレード『リ・ヴィランズ』が雪解けの一つの契機になったと筆者は考えている。パレードの装飾だったダンサーは年月を下るに連れキャラクター性を持つようになったがこのパレードでは特にその傾向が強く、規模は違えど現在の手下と同じように人気を博したのである。そしてランカーが描いたイラストがランキングのトップ3にランクインしたことがディズニー、特に東京ディズニーリゾートがディズニー以外の二次創作界隈に注目され始め忌避を解くきっかけの一つになった。


【うさミミ帽子が可愛い 】エンドバニー特集 - pixiv Spotlight  
↑Pixivのエンドバニー特集。ちなみにダンサーの名前は一部を除き公式で定められておらず大抵は愛称である。

続いてリ・ヴィランズ以上の盛り上がりを見せたのは2010年春パレード『イースターワンダーランド』のダンサー「エンドバニー」だ。ウサ耳、ニーソ、絶対領域とこれでもかと要素をぶち込んだ衣装にディズニージャンル以外の反応は激しくディズニーのイラストを削除していたPixivが近年特集するほどまで盛り上がっている。

【ラブライブ攻略法】SR-園田海未(そのだうみ)(動物編)[幸運の白うさぎ]《クール》ステータス詳細
↑ラブライブの園田海末[幸運の白うさぎ]は明らかにエンドバニーの色違い。

これ…………しょこたん……衣装………エ……エンバニ……エンバニ……‐Twitpic@persona887
↑中川翔子のライブ『10元突破!超野音祭』の衣装も同様。参考にしたと握手会で認めたとの証言 (https://twitter.com/shipeeei/status/252347734772809728)もあるがこれがどこまで本当かは確かではない。



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↑他にもセリフだけなら『ジョジョの奇妙な冒険』(オレはディスニー・キャラが見てえのによォ~。ミッキーどこだ?)や『よつばと!!』(ディズニーランドか!)も全てアウトということになる。
余談だが、「漫画の背景にシンデレラ城を無断で書いたら法外な請求が来たor編集者からストップがかかった」のような「ディズニーは許諾を得ない商業パロディを許さない」とする話を本件に持ち込む人は多々いるが、許諾を得たならばクレジットに協力なり何なりあるはずなのにディズニーをパロディした近年の作品を確認してもそれらしき記述は見つからずそれこそ「危ない」ように見受けられる。そもそもそれをいったらサウスパークを筆頭にやりたい放題している本国の作品は何だと言うのか?

閑話休題、エンドバニーがリ・ヴィランズと違うのはディズニー以外の各所でパロディを見かける点だ。これらの広がりようを見ればどれほどエンドバニーが影響を及ぼしたか一目瞭然である。
これらのパレードは二次創作界隈に興味を抱かせることにより忌避の空気を解いた下地を作り上げたきっかけの一つだ。
一部では「以前ディズニーは厳しかったがアナ雪のブームを見て規制をゆるくした」とされるが、これらパレードや2011年『塔の上のラプンツェル』2013年公開『シュガーラッシュ』などの映画も公開時にはアナ雪までとは言わないがそれなりに盛り上がっていたので単純にディズニーに興味の無い層まで認知が広まっただけであろう。人は興味がない分野は知らないだけだからしょうがないが、だったらなぜ偉そうに通ぶる前に目の前の箱で調べないのだろうか。



隔月刊・枢やな‐Devils 6th Day
 
↑『黒執事』の作者、枢やな氏によるスプーキーヴィルのミッキーと執事ダンサーの衣装を着せてみたパロディ。ダンサーは特にこの種のパロディが多い。キャストの場合9割方このパロディと思ってよい。

Pixivにおける雪解けが始まったころから二次創作界隈で見られるダンサーやディズニーキャラクターの衣装を他のジャンルのキャラクターに着せるダブルパロディの一種「衣装を着せてみた」も盛んでありディズニージャンル以外からの視点として重要だ。
しかしながら正直描くくらい好きならばそのものを描いてくれてもいいだろうし、いままで散々ディズニーを悪党呼ばわりしつつこのパロディを描きながら「ディズニーは危ない」との認識を抱くなど矛盾が多々見られるなどいささか都合が良すぎるように思えてどうも良い印象を持ちにくい。個人的な感想だが…。

【名悪役がここに集結!】ヴィランズ特集 | pixiv Spotlight 
上記のエンドバニー特集はまだダンサーとして言い逃れできるかもしれないが2015年10月31日公開のヴィランズ特集は明確にディズニーそのものであり、削除していたpixivですらとうとうここまで態度を改めた事実とともに手下ブームの盛り上がりようが一目瞭然である。

ともかくこの流れが「二次創作は大丈夫だが同人はダメだ」と認識される根拠となったが、その二次創作でも昔は伏せ字を使うなど忌避されていたはずなので正当性も無い「暗黙の了解」なんてしょせんこんなものである。


同人誌

著作権について組合の意見 - 日本同人誌印刷業組合
著作権分科会 過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(第5回)議事録‐文化庁
↑故米澤嘉博氏によるキングダムハーツが出た途端ディズニーは著作管理に厳しいぞという意見が流れてファイナルファンタジーの同人誌が激減した流れから著作権の萎縮効果についての懸念。

金銭のやりとりが発生することから営利と非営利の境界が曖昧ながら一般的に同人誌は非営利の範疇に収まると判断されグレー状態だが、ディズニーに関してはキングダムハーツの発売時に日本同人誌印刷業組合が自主規制を敷いたため二次創作界隈において腫れ物扱いされる直接の要因になった。いくら自主規制とはいえ情報も少ない当時に企業として不安に駆られるのはわからなくもないが、現在でもディズニーが禁止する証拠としてこれを挙げる人もいるので強調するとあくまでも推測に頼った印刷所の自主規制なのでディズニー「が」厳しい根拠ではない。第一組合に入っていない印刷所ならば可能な上コピー本ならばいくらでも刷る事ができるではないか。



しかしこの自主規制が現在でも効力を保っているとは言い難い。上記のツイートのようにPICOがベイマックスの同人誌をサンプルとして用いており、組合加入の印刷所の半分近くがジャエルプチオンリーを支援、さらに筆者が『合衆国汽船コロンビア号』を入稿した際に確認したところ「18禁関係の修正で差し戻すかもしれないがディズニーだろうがどのジャンルでも変わらない」との返答を頂いている。つまりディズニーの同人誌でも大手印刷所は受け付けるわけで、サンライズのガイドラインと同じく形骸化したと見てよいだろう。よってディズニーは危ないとする根拠としては使えない。

ディズニー作品の同人誌即売会が普通に行われて無事に終了していた件とディズニー作品頒布禁止情報の発生源について‐今日も得る物なしZ
↑ウォルトディズニーカンパニー 項目に存在した文言「日本最大の同人誌即売会であるコミックマーケットですらディズニー作品の頒布全面禁止措置を執っているほどである」などWikipediaの記述に関するまとめ。

「コミケではキングダムハーツの同人誌を頒布できない」という話は事実なのか‐今日も得る物なしZ
↑コミケC79の「スタッフからの一言コーナー」ではキングダムハーツのカップリング名に関する注意書きが存在する。

印刷所が受け付けない事実から国内最大の即売会コミックマーケットがディズニー作品の頒布を禁止しているとも言われるが、筆者がコミケで見かけた評論や映画の18禁(C83シュガーラッシュ)はどれもサークルカットにその旨記してあり筆者もC88に委託で見本誌を提出した際特定のジャンルを禁止することは無いと確認を取ったので完全に間違いである。そもそも2011年夏コミC80のカタログにディズニーサークルは二つ(三人の騎士擬人化(パンホセ本とのこと)及びグーフィー)掲載されているので言うまでもないが、さらに近年の動向を見ると2014年夏コミC86では1サークルのみだったが2014年冬コミC87で数サークル、2015年夏コミC88ではベイマックスを中心に12サークルが参加し徐々に島を形成する動きにある。


ディズニー同人について調べてみた‐また皆が笑ってる

こちらの筆者によれば同人イベントを開催する企業へ問い合わせたところ、「ディズニーだからダメ」は作品差別に値するので参加は可能だがジャンル柄やっていはいけないという雰囲気が出来上がっているので大々的にやったら叩かれるリスクはあるとのこと。「どの作品も同じでファン活動の範囲内で楽しむのが同人の大前提なので誰も止める権限はございません」

COMIC CITY 東京136 ジャンル別サークル集計‐あのアレどこ
↑シティの集計。

COMIC CITY SPARK 10 ジャンル別サークル集計‐あのアレどこ
↑スパークの集計。両方とも女性向け即売会でありベイマックスジャンルもかなりをBLが占める。

テンプレ1
↑筆者はコミティア112に評論でサークル参加。ここまで堂々とディズニーと記したがそれでもはねられなかった。


合衆国汽船大西洋三軸定期船コロンビア号 | 寝古鉢鉄工所

なお筆者もコミティア112で出した『合衆国汽船コロンビア号』をBOOTHで通販中だが、これは宣伝ではなく煽り文句「そんなに言うなら自分で出してみればいいじゃないか」への返答なのでお間違えの無いよう。
コミケ以外の即売会では2015年6月28日COMIC CITY 東京136でベイマックスが18サークル、同年10月28日COMIC CITY SPARK 10に42サークル参加とアナ雪以上の盛況。 おそらくアナ雪ブームと1月の騒動がきっかけで俗説が完全に否定された結果…かと思いきやいまだに学級会が勃発しているから同人情勢ハ複雑怪奇ナリ。

即売会に参加できるならば同人ショップへの委託も同様に可能だ。とらのあな、アリスブックス、COMICZIN、BOOTHで確認済みであり特に とらのあなで委託される本は2009年に登録された点に注目したい。

フリューゲル家のTea Partyもしくは芋煮会
↑ファイアボールオンリーのInternet Archive。「昨年より、事有るごとに書店の営業の方や他の主催仲間には『ファイアボール』の本をイベントをと話をしておりましたが、なかなか相手にしてもらえませんでした。だが、イベントやります。だって、読みたいですから、あの2人の色んなお話を」

2009年9月22日に開催されたファイアボールの即売会『フリューゲル家のTea Party』。ここまで長々と論じてきたが、参加は4サークルと小規模ながられっきとしたディズニー作品のオンリーがすでに存在するのだ。今より風潮が強かった当時の反応を知りたいところ。




ジャエルプチオンリー『Frost×Frozen×Fantasy』告知サイト

そして2016年05月3日SUPER COMIC CITY25 day1においてファイアボール以来実に7年ぶりとなるディズニー関連のオンリーであるジャエルプチオンリー『Frost×Frozen×Fantasy』が開催予定である。
イベント内のプチオンリーではあるがれっきとしたディズニーキャラクターを題材にするオンリーであることともう一つ、大手を含め20社以上の印刷所が協賛している点も見逃せない。
ディズニーの同人誌における最大の壁である印刷所もスパーク等即売会においてベイマックスが盛り上がったからか多数協賛していることは、周囲を理由に危ないと叫ぶ自警団のみが障壁として残っているにすぎない現実をよく表しているといえよう。

2015年冬開催のコミケ89ではベイマックスを主に手下やジャエル、筆者が知る限り初めてサークルカットを見かけた舞浜の二次創作(てっきり遊園地の二次創作として評論に配置されるとばかり思っていたがディズニー映画と同じくアニメその他に配置されたとか)など賑わいを見せた。そろそろコミケのディズニー島も定着したと思いきや一大ブームを巻き起こした手下の同人誌やコスプレを危険視する人も若干いるようだが、以前から同人誌はもちろんコスプレもキャストやエンドバニー、話題になった今夏の本格的なファンカストなどいくらでもいらっしゃるので今更なにを心配する必要があるというのだろうか。それに流行で初めて気づいただけという単純な話なのでまずはお調べすることをオススメする。



結論








↑ディズニーではないが「本物と同じ体裁で」「店頭で本物の隣に置いて売られた」とある意味極端だが実際に公式からお叱りを受けた事例。ここまで完璧ならばそりゃ当たり前だがほどほどでやっている分にはまず無い。

ディズニーが公式としてのガイドラインを出さない限りは「禁止していない、すなわち公認されているから何をやっても大丈夫」なんて極論を主張つもりは毛等無いしアイガー発言以前同人誌がどのような扱いだったかは確かでは無いなど手落ち感もある。それに黙認ではなく単に訴えないだけかもしれない。しかし2015年現在公式が動いた事実は無くむしろ周囲が盛んに自粛していた事例ばかりであり即売会における頒布、書店への委託、印刷所は自主規制する場所以外可能と実証済み、そしてコミケ参加を筆頭に公式が他企業とおなじく黙認状態と推測できる材料がここまで揃っていれば他ジャンルと同じ程度に活動する限り自警団の主張する「ディズニーの危険性」は存在せず彼らの口癖「ディズニー『だから』危ない」は完全にデマと断定できる。よって「ディズニーの同人は危ない」ではなく「ディズニーの同人は自警団が中止を迫るから危ない」が正しく、しかも彼らの言動に正当性は無いので気にかけることもないたわ言である。
公式が止めろとお達しを出すならば従うべきであるし、好き嫌いならば個人の自由なので同人誌に対する感情を無理に押し殺す必要も無い。しかし同性愛だろうがダブルパロディであろうがどんな内容であれどもゾーニングを守るなどファン活動としての節度を保つ限りは存在そのものを同調圧力で叩き潰すなんて決して許されるべきではない。
そして本記事では自警団ばかりを強調したが全てを自警団に罪をおっかぶせれば済む話ではない。自警団は今まで同人業界全体が散々ディズニーを腫れ物扱いしてきた結果に過ぎないのでこの空気が変化しなければこれからも続くだろう。
結局は一人ひとりの意識の問題なので各自が古びた俗説を信じ込んだり公式の代弁者気取りでありもしない「お上の規制」を錦の御旗に掲げ思考停止した状態で叩くのは止めようね。

以下は改訂前の内容


































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